経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

秋田名物、キョウイクキョウヨウ…

2009年10月05日 | 社会保障
 仕事の関係で土日に秋田へ。それでコラムをお休みにさせていただいた。今日は秋田をテーマに土産話である。秋田と言うと、まず思い浮かべるのは、お米がたくさん取れて、お酒も美味いという豊かなイメージである。経済指標を見れば、所得も低く、人口も減少していて、情況が厳しいことは確かだが、人情のせいか温かさを感じる土地柄である。

 そんな秋田が全国からにわかに注目されたのが、全国一という学力テストの結果であった。もし、都会が高学力というのなら、驚かれはしなかっただろう。教育にお金をかけられる環境でもないのに、なぜ? というところだろう。

 その成果は、秋田の教員の地道な努力の賜物であった。教員の質を高める工夫をし、ITの活用もしながら、家庭学習をしっかりさせるという取り組みを進めて、基礎学力を向上させることに成功したのである。また、それを受け止められる地域や家庭の在りようも挙げられるだろう。子供が孤立しがちな都会とは対照的である。

 秋田の影響は全国に及び、学力が全国最下位であった沖縄県は、秋田県から教員を招いて学力向上に取り組むようになった。秋田も沖縄も、県民所得は最下位グループに属しており、「貧しさ」を低学力の言い訳にはできなくなったから必死である。

 もう一つ、秋田の教育と言えば、公立の国際教養大学の評価も高い。アエラ(9/21号)で取り上げられたように、徹底した英語教育が特徴で、授業がすべて英語であることはもちろん、メールから校内放送まで英語である。そうした教育内容もあってか、大手企業も注目し、就職率は99%と抜群である。

 大学の成り立ちこそ、撤退した米国大学の後を継ぐところから始まったが、学長の中嶋嶺雄先生の指導の下、一流の内容を備えるに至った。英語能力はむろんだが、学生の意欲、目的意識の高さは、特筆されて良い。近年の日本の学生は内向きの傾向が強まり、英語力も積極性も身につけてきたASEANの学生と比べるにつけ、不安を覚えていたが、勇気づけられるところだ。

 さて、秋田では、土産に「ウゴポリー」という不思議なものを買った。秋田県版のモノポリーで、ゲーム盤には、県内の名所名物がちりばめられており、版画調の絵柄がなかなか楽しい。ネットで調べると、大阪版、松山版と各地へ広がっているようだ。これも秋田発で、全国へと広がっていくのだろうか。

(今日の日経)
 軽燃費、環境車並ダイハツ来年にも。生保老齢加算復活見送り。自民党半世紀・国対政治。インド車輸出の拠点に。経営の視点・25%は期限短い。絶滅抑止へ数値目標。経済教室・医療費増、経済にプラスも、健康寿命伸長に価値。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前の記事へ | トップ | 何のための政府か »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

社会保障」カテゴリの最新記事