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女達の恋愛事情~ユリの章~最終章

2016-07-09 20:13:44 | オムニバス恋愛小説
「お母さん、私はもうあなたの元へ戻ることはないでしょう。
私は田島の元へ行きます。お母さんの娘であるよりも、私は田島を選択しました。
田島と生きていく理由を今から語ります。

ある日学校から帰る途中のことでした。
携帯電話が鳴りました。見知らぬ番号でした。
でも、何故か直観で田島ではないかと思いました。
消息不明になってからから5年が過ぎていました。
「ユリ元気だったか?」やはり田島でした。
言葉が出てきません。
「ユリ会いたいな」田島の懐かしいねっとりした声が耳に入ってきます。
「ユリを抱きたい」こういうのを獣と呼ぶのでしょう。田島らしいセリフです。
しかし、私の中で5年前の田島との戯れの男女の時間が身体を走ったのです。
「ユリ大人になっただろうな。あれから俺以外の男とやったのか」
やったのか。田島がよく使う言葉です。
5年の間、同級生や、先輩とセックスを何度かしました。
しかし、稚拙なセックスは田島との濃厚な蜜の世界とは天と地の差が
あることを知っただけでした。
不幸にも私の身体は田島でしか喜べない身体になってしまっていたのです。
「ユリ会えないか?2人だけで」
もう体の芯の部分が疼いています。

翌日、田島の指定した駅の近くのビジネスホテルに私は迷いながら向かいました。
部屋に入ると田島は両手を広げて迎えています。
吸い込まれるように田島の胸の中にしなだれます。
忘れていた快感はすぐに呼び起こされました。
私の身体は田島を待っていたかのように歓び、快感の波が何度も押し寄せてきます。
お母さんごめんなさい。
許してください。私は女になりました。
女であることを選びました。刹那の人生の罰はいつか来るでしょう。
後悔の生活を強いられるでしょう。
でも田島と離れることに比べたら耐えられそうです。

最後にお母さんひとつだけ確かめたいことがあります。
いつも心の隅に思っていたことがあります。
おかあさんあなたは、私を愛していたのですか?
もし、子供への愛があるのなら、2人の異変に気づかないわけがないですよね。
結局あなたも又、女であることを優先したのです。
私を抱いた腕で、生暖かいペニスを挿入されていることに、
異常な快感を感じていたのではないですか?
あなたの中にあったものはやはり「おんな」なのです。
私達はおんなとしてのみ生きてきたのです。
そして、今私は田島を選んで生きていきます。
おかあさん、田島の身体に愛されたいと望んだ娘を
忘れてください。     さようなら

続く・・・


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