私は地球で楽しく遊ぶために生きている

心はいつも鳥のように大空を飛び 空に吹く風のようにどこまでも自由に

尽くし過ぎる女~2~

2016-10-06 18:46:56 | ミステリー恋愛小説
「夏美を見ていると、彼中心の生活じゃない。それって男からみたら重いんじゃないかしら?」
「重い?どうしてそう思うの?」
「たとえば、いつも自分中心で生活している彼女だったら自分の趣味や、友人とのつきあいに
もっと目を向けてほしいと思う時があるんじゃないかな?」
夏美の表情が暗くなっていく。夏美の恋人孝志とは何度か三人で食事をしたり、居酒屋で飲んだことがある。
ハンサムではないが、いい顔をしている癖のない好青年だ。
「それ、彼に言われたばかり。理沙は男の気持ちが理解できるのね」
「私は、夏美と反対なの。恋人ができても自分の生活スタンスが変わらない。
そのことに男は苛立つみたい。どうして二人の時間をもっと優先できないんだ。て言われる。
夏美は女性からみてもとても可愛いわ。チャーミングで男が保護してあげたくなるタイプよ。
私は男に甘えられないから羨ましいわ」
「ほんと?私って魅力的?」
「勿論よ。とてもチャーミング。夏美のこと、孝志さん愛しているわよ」
夏美の憂鬱な表情が幾分晴れやかになる頃、二人は別れた。

地下鉄のホームで電車を待っている時だった。
「あれ、もしかしたら理沙さん?」
目の前に孝志が立っていた。
そして孝志は言った。
「理沙さん、時間ある?話があるんだけど」

続く・・・