たまおのページ

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えいがをみたよごがついち

2012年05月03日 | Weblog
 
5月 3日

 映画を観てきましたよ。五月そのいち。

 「わが母の記」です。
 原作は井上靖。ということですが、彼の作品は読んだ
ことがありません。
 ご主人も「あの人が原作者だと思うとガックリだわ。」
てなことを言っていましたが、映画はよござんした。

 ある作家の日常を、小津安二郎映画のような作りで仕上げ
てあります。(この映画の中、「東京物語」を連想させる
セリフもあります)これといった特別な出来事はなくっても、
日々の暮らしを切り取った。そういう作品にしてあります。

 主演は役所広司なんですが、だれがどう見たって、本当の
主役は樹木希林でしょ。(これぞ「役者をくった演技」だね)
 演じるとか演技とか、巧いとか上手い。そういうものを超越
していましたね。

 役者ではありませんですよ。本当に「ボケたお婆さん」その
ものでした。
 あれは演出では絶対に出せませんね。映画は20年間ぐらいを
切り取っているんですが、同じお婆さんでも、それぞれ違うん
ですよね。
 初老のころはボケが少し入っているけれど、押さえた感情が
それでも表に出てきてしまう勝ち気な老人でしたね。
 
 だんだん歳とともにボケも進んで、顔の表情にも喜怒哀楽が
少なくなってきて、動きも鈍くなってきて・・・
 ”本当にボケてしまったんじゃないのかねぇ?”って映画が
終わったあとで、ご主人と話し合ったぐらいでしたね。

 そんなに明るい映画ではない(明るい作品ではない)んですが、
笑えましたね。 それも殆ど樹木希林のおかげですよ。
 観客は「ああ、ああいうお婆さんがいるよね。ボケたらああ
なるよね。”ってことで笑えるんですよね。
 (ふんとに痴呆になった人が家族にいたりしたら、笑って
いられないとは思いながらも、可笑しいです)

 山の自然が描かれていますが、そこに住んでみたいとは思わ
なかったけれど、日本の風景っていいですよね。

 役所広司は好きな役者ですが、この映画では主演というより
助演という感じでしたね。
 
 アタイの評価は90点です。どうだ感動したろ? とか、
素晴らしい出来の映画だったろ? という押しつけがましい
映画ではありませんでしたが、後からジワァ~ っと心が
温まる。っていう映画でした。

 観客は やはりというか当然というか、ほぼ中年以上の方。
映画の終盤になると、あちこちで鼻をすする音が聴こえてきま
したよ。
 
 明日は別の映画のことをカキコします。
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