日本共産党 新宿区議会議員 佐藤佳一

日本共産党新宿区議会議員の佐藤佳一です。活動地域は、北新宿.西新宿.歌舞伎町です。

区議会第1回定例会 代表質問しました

2018-02-21 18:45:38 | 区議会

2月20日(火)区議会第1回定例会で代表質問しました。

質問の全文をアップします。

 

日本共産党新宿区議団の佐藤佳一です。2018年第1回定例会にあたり会派を代表して、区長ならびに教育委員会に質問します。

 

 2月9日、第23回冬季オリンピック大会が韓国のピヨンチャンで開幕しました。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長は「五輪精神とは、互いに敬う心、話し合うこと、そして理解し合うこと」と語り、北朝鮮の参加について「平和的な対話の扉を開いた」と述べました。北朝鮮の核・ミサイル開発などをめぐり緊迫の度合を増している東アジアの情勢に緩和と対話の道が開かれることを期待して質問に入ります。

 

 最初に、区長の政治姿勢について質問します。

 

 第1は、安倍政権下での憲法9条改定についてです。

 

 安倍首相は、今年の年頭会見で「今こそ憲法のあるべき姿を提示」するとのべましたが、共同通信が1月13、14日に行った世論調査では、9条に自衛隊を明記する安倍首相の提案に「反対」が52.7%、「賛成」が35.3%。安倍首相のもとでの改憲に「反対」が54.8%、「賛成」33%であり、多くの国民が憲法改定を望んでいないのは明らかです。そもそも憲法に縛られる立場の首相自らが憲法改定に向けて「あるべき姿を示す」などと言うこと自体が、立憲主義を全くわきまえない発言ではないでしょうか。区長は、このような安倍首相の姿勢をどのように思われますか。

 

 第2は、核兵器禁止条約と日本政府の態度についてです。

 

 昨年7月に国連で核兵器を違法化する核兵器禁止条約が採択され、条約締結に貢献した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞しました。昨年12月のノーベル平和賞の受賞式で広島出身の被爆者サーロ節子さんが「広島と長崎で死を遂げた全ての人々の存在を感じてほしい」「核兵器は必要悪でなく絶対悪」と訴え、全ての国の大統領と首相にこの条約に参加することを呼びかけました。ところが、日本政府は、「核抑止力の正当性が損なわれる」として、この条約への参加を拒否しています。核抑止力論とは、核兵器を使用することをためらわない、という脅しによって安全保障をはかろうとする立場であり、広島、長崎のような非人道的惨禍を引き起こしても許されるという考え方です。唯一の戦争被爆国として核兵器の非人道性を訴えてきた日本政府が一方でこのような「核抑止力論」を言い続けるのは大きな矛盾ではないでしょうか。区長はどのようにお考えですか。

 

 また政府は、「北朝鮮が核開発を進める情勢のもとで、この条約はそぐわない」と主張しています。しかし、そうした危機があるからこそ核兵器禁止条約が重要になっていると思います。なぜなら条約によって核兵器を違法化し、「悪の烙印」を押すことによって、北朝鮮に対して核兵器開発の放棄を迫る国際的な力になるからです。そして、その条約に核保有国や日本のようなアメリカの核の傘の下にある国が参加すれば、「私たちも核を捨てる、だからあなたも捨てなさい」とさらに強く北朝鮮に迫ることができるはずです。あらためて政府に対し、この条約に署名し批准するように強く要望すべきと考えますが、区長の御所見をお聞かせ下さい。

 

 

 

 次に区政の基本方針と2018年度予算について伺います。

 

 第1は、くらしを守る地方自治体の長としての区長の役割についてです。

 

 安倍政権の下で国の予算案は、9条改憲策動に合わせていよいよ本格的に歯止めなき大軍拡への一歩を踏み出す一方で、医療・介護などの社会保障予算は大幅削減となっています。とりわけ、2013年度から3年連続で切り下げられた生活保護費のさらなる削減を打ち出したことは重大です。安倍政権は税制のあり方も歪め、富裕層には優遇税制を続け、庶民には負担増を強いるだけでなく、都心の自治体からの税財源吸い上げを強行しています。「格差と貧困」の拡大が深刻化しているもとで、国の言いなりではなく、むしろ安倍政権の悪政と立ち向かいその防波堤となって区民生活を守ることこそ地方自治体の役割であり、区長に求められていることではないでしょうか。区長の見解をお聞かせください。

 

 基本方針説明の「はじめに」で区長は、「区民税の増収を超える勢いで扶助費が増加傾向」にあるとしていますが、特別区税の伸び4.2%に対して扶助費の伸びは3.8%で超える勢いとは言えません。内容的にも、扶助費の伸びの要因が保育所関連予算が増えていることにあるとのことで、他の自治体では子育て世代の流入をいかに増やすか、それによって住民税収入をどう増やすか智恵をしぼっている実態をみれば、これはむしろ歓迎すべき傾向だと思われますが、区長の評価をお聞かせ下さい。

 

 そして、「おわりに」で扶助費の増加と高齢化に、悲観的でない、協働で乗り越えられるといい、「各々が、無理のない範囲で自らの役割を果たす」支え合い、助け合いこそが『新宿力』の象徴と述べられています。「支え合い」は政府が最近よく使うキーワードで、共助と互助に依存して公助を後景に押しやる意図が明らかですが、区長が言う支え合いも国の意図と同じなのでしょうか。まず、区が区民を支える姿勢を明確にした上で、区民が望む支え合いのシステムやスキームを構築し必要な財源を確保することが区長の仕事であり、ただ期待していても展望は開けないと思いますが、区長の見解を伺います。

 

 第2は、区民の生活実態についてです。

 

 区政の基本方針で区長は、「景気回復局面は…戦後2番目の長さとなっており、デフレ脱却の展望も見えてきたと言われています。」と、国の発表をなぞるだけで、区民生活の実態に一言も触れませんでした。区長は、区民のくらしや営業がどのような実態にあるとお考えかお答えください。今、野菜は、高騰しており、区民は、白菜は4分の1とか8分の1、キャベツもレタスも半分のものを買う人が多く、輸入に依存している食用油や小麦粉の値上げも家計を直撃しています。今年の冬は例年になく寒い日が続き、暖房代も大変です。来年度予算案には1日に必要な野菜の摂取量の認知度を上げ、健康な食生活をサポートする新規事業が計上されていますが、認知しても食べられなければストレスでしかありません。必要量を確保できるような区民生活の支援こそ必要だと思いますが、区長はいかがお考えでしょうか。

 

 第3は、生活保護費の削減計画とその影響についてです。

 

 必要な野菜の量を摂取できていないのが生活保護世帯です。2013年から3年間で生活扶助などが最大10%削減されました。これにより月約3万円削減されたお子さん3人のご家庭では、「今でも緑黄色野菜は高くて買えず、もやしを買うことが多い。肉や魚は特売を狙って買うようにしている」そうです。それがもっと減らされたらどうやって子どもたちに食べさせたらいいのかと言っていました。今でも「健康で文化的な最低限度の生活」にほど遠いのに、さらに引き下げることは許されないと考えますが、区長は生活保護費の引き下げについてどのような見解をお持ちかお答えください。

 

 第4は、財源の確保についてです。

 

 住民税の一部国税化の区の影響額は来年度もマイナス19億円、ふるさと納税による減収は来年度は15億5000万円、それに地方消費税交付金が清算基準見直しにより来年度約16億円マイナスと、国の制度変更によって合計50億5千万円も減収となるのに、基本方針説明ではこのことに何の言及もありません。昨年の基本方針説明では、法人住民税一部国税化の見直しを求め、地方分権の流れに逆行すると批判しましたが、今年はそれもありません。区長はもう諦めて、国のやり方に唯々諾々と従うということでしょうか。都政新報では新宿区の予算案について「税収堅調バブル期並みに」と書きましたが、多少国に財源を持って行かれても他でまかなえるなどと考えているとしたら大きな後退だと思いますが、いかがでしょうか。もし国のやり方が間違っているとお考えなら、それに対抗するために区民にもわかるような行動を起こすべきだと考えますが、区長の対応策をお聞かせください。

 

 次に、都区財政調整についてです。23区は児童相談所の区移管を機に都と区の配分割合の見直しを求めていますが、都は児童相談所の開設について算定の対象にすらしていません。2018年度の財調協議は終了し、児童相談所について都に押し切られた格好になっています。それであきらめてしまうのでしょうか。実態が的確に反映されるように強く要望し財源の確保をすべきです。以上お答えください。

 

 

 

 次に、第一次実行計画について質問します。

 

 今後10年間の総合計画を具体化するため、来年度から3カ年の第一次実行計画が策定されました。昨年、総合計画等と同時に、素案に対するパブリックコメントと地域説明会が行われました。素案からの変更点として、払方町の国有地を活用した認知症高齢者グループホーム・障害者グループホーム等複合施設や市谷薬王寺町国有地を活用した特養老人ホーム等の設置、耐震化支援事業の充実など、区民のみなさんからの要望が強く、私たちも繰り返し求めてきた内容が盛り込まれたことは歓迎するものです。

 

 しかし、素案に対するパブリックコメントは52名240件、地域説明会では115件、合計355件と多くの区民のみなさんからご意見をいただいたにもかかわらず、計画に反映した意見は12件であり、そのうち10件は冊子内の記載の整合性に関することで、意見そのものを反映させたのは「特養ホームの増設」と「耐震化支援事業の充実」の2件のみです。もっとも多かったのは「放課後の居場所の充実」に関する40件で、その多くが学童クラブの増設や充実を求める意見でした。しかし、第一次実行計画に増設計画はなく、「児童館スペースの活用等による学童クラブ専用室の拡大」というもので、これでは児童館の一般利用の子どもにしわ寄せが行くことになり、「放課後の居場所の充実」とは逆行しています。また、待機児童がいる学童クラブについては「近隣小学校でひろばプラスを実施」するとしており、法律に基づかないひろばプラスでまたお茶を濁そうとしています。パブリックコメントと地域説明会での意見を区長はどのように受け止められたのでしょうか。また、今年4月の学童クラブの待機児童は何名で、定員オーバーの学童クラブはいくつ発生すると見込んでいるのかお答えください。墨田区では待機児童対策として来年度までに2つの小学校の学区域で学童クラブを新設することを明らかにしています。新宿区も区民の願いに応え学童クラブを増設すべきではないでしょうか。お答えください。

 

 パブリックコメントでは障害者の施設に関連した意見も多くあり、特にグループホームの設置について民間任せではなく区主導での促進を望む意見がありました。計画には、払方町の国有地にグループホームを設置する事業者選定・建設の計画が盛り込まれましたが、募集はこれからで、まだ障害の種別も決まっていないということです。現在区内に身体障害者の方が入所しているグループホームはあじさいホーム、ひまわりホームの2カ所だけであり、多くの関係者が望んでおられますし、知的や精神もまだまだニーズがあります。第一次実行計画期間内にこれで終わりにせずさらに計画し、これまでのように民間事業者が手を挙げるのを待つのではなく、区が率先して公有地等を確保して募集する、または区立での設置も検討すべきと考えますがいかがでしょうか。

 

 パブリックコメントでは、生活実習所の改修もしくは新たに同様の施設をつくることを要望するご意見もありました。1月31日、生活実習所保護者会から区長に対し、新施設への移転あるいは現施設の大幅な改修を求める要望書が提出されたことも伺っています。昨年の第3回定例会では私たちも含め複数の会派がこの問題を取り上げました。しかし、計画事業には反映されませんでした。ことは利用者と職員の安全にかかわることなのです。もともと特殊な形状の建物であり、職員の努力によってこれまでは大きな事故もなく過ごせていましたが、今年4月には定員50名に対し53名を迎えることになり、安全の確保が大変厳しくなることは目に見えています。常々区長が仰っている、区民が安全で安心に暮らすための環境づくりが区の仕事ならば、現在のままの生活実習所で良いはずがありません。関係者のみなさんが求めている増設や新施設建設による移転、もしくは大規模改修を早急に検討すべきと考えますがいかがでしょうか。

 

 このように学童クラブや生活実習所の課題に背を向けているのは、やはり「公共施設等総合管理計画」があるからではないか、と考えざるをえないのですが、区長の所見をお聞かせください。

 

 ここで、計画事業「公共施設等総合管理計画に基づく区有施設のマネジメント」について伺います。素案では目標と年度別計画が空白でしたが、決定稿では2020年度末の目標は2017年度末の現況と同じ、「新宿区公共施設等総合管理計画に基づく区有施設のあり方の検討」であり、但し書きで、「検討結果については今後実行計画に位置づけていきます」となっています。これで計画事業といえるのでしょうか。第一次実行計画に明確に示さず、区民に広く意見を募ることなく、ローリングで小出しにすることは区民への説明責任を欠いていると考えますが区長の見解をお聞かせください。パブリックコメント等では、「人口増と高齢化に対して複合施設化を提案する」、「公共施設を数字だけで減らすのは地域包括ケアの考え方と逆行する」、「計画展開と着手を行うべき」、「町会等で便利に使っている施設を修繕しながら残してほしい。計画では具体的に書いてないので不安である」など様々な意見があり、関心の高さが伺えます。区有施設のあり方の検討はどこでどのように検討され、どのようなスケジュールで区民に提示されるのか、お答えください。私は現時点で具体化できないということは、実際には人口増加と行政需要の高まりに対応するためには施設をなくすどころか増やさなければならない事態であり、公共施設等総合管理計画に現実味がないことの現れではないかと考えますがいかがでしょうか。この際、公共施設等総合管理計画は廃止にすべきと考えますが区長の見解を伺います。

 

 この項の最後に、LGBT等性的指向・性自認により困難を抱える区民への支援について伺います。パブリックコメントに戸籍と異なる性で生活している方から、「性別欄があるために強制的にカミングアウトしなければならず苦痛である。不必要な性別欄はなくしてほしい」という趣旨の意見がありました。LGBT等への支援は素案から変わらず計画事業にはなく、区長のこの取り組みへの姿勢が問われます。

 

 先日、私たちはこの分野で先進的な取り組みをされている渋谷区を視察しました。男女平等・ダイバーシティ推進担当課長に、そもそものところから最新の取り組みまで、じっくりとお話を伺いました。印象的だったのは、「この取り組みのエンジンはダイバーシティとインクルージョン」、「多様性を尊重するだけでなく多様な人や考えが混ざり合って渋谷のエネルギーにしていくこと」という理念が基本構想に盛り込まれていることです。この理念を具体化する施策として、1つは同性パートナーシップ制度ですが、現在25組に証明書を発行しています。昨年は実態調査を当事者と区内企業に行いました。制度に対して概ね好評価であること、証明書は生命保険の受取人指定や病院での提示等、具体的に活用されていること、課題は公正証書づくりへの支援等でした。全国で2区4市に広がっている同性パートナーシップ制度を新宿区としても検討すべきと考えますがいかがですか。

 

 渋谷区の特徴的な取り組みとして、LGBTアライの見える化です。LGBTも見えにくいのですがそれを支援する支援者=アライの存在も見えにくく、LGBTの人たちへ安心感を与えられるよう、渋谷区として6色レインボーのシンボルマークをつくり、ステッカーやバッジなどのグッズを作成しています。また、今年度は、区内の企業や店舗の窓口に置いていただけるような「しぶやレインボー宣言POP」を作成し、普及に取り組んでいます。こうした視点は大切であり、新宿区としても取り組んではいかがでしょうか。

 

 第一次実行計画は東京2020オリンピック・パラリンピックにあわせて2020年までの3カ年計画にしています。そうであるならば、多様な区民が住み働き学び行き交う新宿区に、東京2020オリンピック・パラリンピックでさらに多様な人たちが安心して集えるように、第一次実行計画のローリングの際にはLGBT等への支援を計画事業として盛り込み、多様性を認め混ざり合える新宿区をもっと世界にアピールして頂きたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。以上、お答えください。

 

 

 

 次に、ヘイトスピーチ対策について質問します。

 

 2月7日、「新宿朝日友好親善新春のつどい」が開催され、私も含め新宿区議会日朝友好議員連盟の議員が出席し、総務部長は区長代理として出席されました。つどいで文化センター・アリラン副理事長宋富子(ソン・プジャ)さんから、「ヘイトスピーチ解消法はヘイトスピーチをなくす第1歩であり、不十分な点はあるがこの法律をいかしていきたい。川崎市のガイドラインが施行されることによりヘイトスピーチをなくしたい」と話しがありました。また、在日本大韓民国民団新宿支部のニュースでは、ほぼ毎回ヘイトスピーチ問題について取り上げており、昨年12月15日号には「新宿区でも公園の使用を禁止して、ヘイトデモをなくしてほしいと思う」と書かれていました。

 

 外国人排斥デモ、いわゆるヘイトスピーチデモは、2013年頃から新大久保駅周辺、川崎市、大阪市等で始まり大きな問題となりました。一時期回数が減り規模も縮小傾向になりましたが、今また増えはじめ、新宿区内のヘイトデモは2015年度6件、2016年度1件が、今年度は、すでに13件にもなります。

 

 ヘイトスピーチは不当な差別的言動により、その人格を否定し、人間としての尊厳、基本的人権を著しく侵害するものであり国際的にも絶対に許されない行為です。国際サッカー連盟は憲章で、「人種、肌の色、民族、国籍等、いかなる種類の差別も、厳しく禁じられ資格停止または追放により罰せられる」としています。これにより、2014年にはJリーグの試合でサポーターが人種差別の垂れ幕を掲げたことに対し、その直後の当該チームの試合を無観客試合とする厳しい処分が下されることになりました。もとよりオリンピック憲章もあらゆる差別に反対しており、都知事はこの理念を条例化すると言っています。

 

2018年2月1日現在、新宿区の外国籍区民は42,589人で人口の12.4%を占めています。韓国、朝鮮、中国籍の方をはじめ131カ国の方々が暮らしており、区は多文化共生推進課を設置し多文化共生に力をそそいできました。2年6ヶ月後には東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。開会式等のメイン会場となる国立競技場のある新宿区内で、国際的に絶対に許されないヘイトスピーチデモが繰り返されれば、多くの外国の方たちに新宿区がヘイトスピーチを許している街という印象を残してしまいかねません。直ちに対策を打たなければならない課題です。

 

 区長のヘイトスピーチに対する基本的な認識と、デモが増えている現状についての認識、そして在日韓国朝鮮の方たちの不安や要望をどのように受け止めておられるのかお聞かせください。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた対策等も併せてお答えください。

 

 2016年6月、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」、いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が施行されました。内容は不当な差別的言動は許されないことを宣言した理念法で罰則はありません。一方で地方公共団体に対しては、ヘイトスピーチ解消に向けた取り組みに関し、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする、としています。区長は地方公共団体の長としてこの点をどのように受け止められていますか。新宿区の実情に応じた具体的な取り組みが今こそ必要と思いますがいかがですか。

 

 私たちはこれまで具体的な取り組みとして川崎市と大阪市の事例を取り上げてきました。川崎市は、昨年、公園など公的施設でのヘイトスピーチを事前に規制するガイドライン案を発表しました。パブリックコメントでは922名から2053件の意見がよせられ、「ガイドラインや趣旨に関すること」の意見1153件中、同意する意見は833件で約7割にのぼりました。意見の54件を案に加筆・修正し、2017年11月10日に全国初のヘイトスピーチ解消法に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドラインが策定されました。昨年9月の決算特別委員会で川崎市のガイドラインについてお聞きしたところ、「我々も注目すべきところと考えている。パブリックコメントの結果や施行後の状況もみて検討していきたい。人権擁護委員の意見を伺いながら進めたい」とのことでしたが、川崎市のガイドラインとパブリックコメント結果についての受け止めと、その後区としてどのように検討され、人権擁護委員のみなさんにどのような意見をいただいたのか、お聞かせください。新宿区としても川崎市のようなガイドラインを早急に策定すべきと思いますがいかがでしょうか。

 

 2016年7月、大阪市は全国初の「ヘイトスピーチへの対処に関する条例」を制定しました。前年の10月には私も所属していた総務区民委員会が条例案について視察を行っています。先日、大阪市にお聞きしたところ、制定後、市民からの申し出等34件あり、審議会で審議終了したのは9件、そのうちネット上にデモの動画を投稿する行為4件を条例に基づき公表したそうです。条例制定以後デモは減っており、条例はそれなりの効果をあげているとのことでした。昨年の決算特別委員会で大阪市の条例についても質問しましたが、「大阪市、川崎市、先進自治体周辺区も含め情報を集めて検討する」と答弁しています。こちらの検討状況はどのようになっているのでしょうか。大阪市の条例も参考にして新宿区の実情にあった条例を制定すべきと思いますがいかがでしょうか。以上、答弁を求めます。

 

 

 

 次に、待機児童解消と子育て支援策の充実について質問します。

 

  最初に認可保育園の待機児童解消についてです。

 

 今年4月入園の申し込みに対する結果が2月19日に通知されました。希望する認可保育園のどこにも入れず「保育園落ちた」人たちに対して送られた不承諾通知は、今年何通だったのか、まずお答えください。今後、繰り上がりがあるとはいえ、当初区がめざしていた待機児童ゼロの目標は残念ながら達成できそうにありません。ところが区長の基本方針説明では今年4月1日の待機児童ゼロという目標が達成できそうにないことには一言も触れられず、そもそも今年度当初、区の計画では認可保育園9所643名分を整備することになっていたにもかかわらず6所474名分にとどまったことに対する総括もありませんでした。区長は、今年度の整備目標が達成できなかったこと、待機児童ゼロが達成できなかったことについて、その原因も含めどう総括しているのか、今年4月1日の待機児童数を国の基準による待機児童数と、認可保育園を希望しているのに入れない本来の待機児童数、それぞれ何名になると見込んでいるのかもあわせてお答えください。

 

 保育園入園希望者に良く見られている「東京保活」というサイトに23区の認可保育園入園決定率ランキング2017年度版が掲載されていますが、1位は豊島区で90.8%、新宿区は8位69%でした。東京新聞の報道によると、「豊島区は、昨年達成した『待機児童ゼロ』維持のため、私立認可保育所10園定員600人を増やすなどの待機児童対策18事業に計23億272万円を投じる」そうです。新宿区もそれなりに頑張っているとは思います。しかし、消滅可能性都市と指摘された豊島区の必死さに比べたら区長の所信でも危機感は乏しく、本気度が問われているのではないでしょうか。

 

 来年の4月に向けては、今年5月上落合に開設予定の1所の他に7所455名分を整備する予算が計上されていますが、そのうち6所が賃貸物件を活用した私立認可保育所とされています。しかし、今年度末に閉園し同時に新規の認可保育園として整備する予定だった保育ルーム早稲田は、賃貸物件が見つからず休園中の戸塚第一幼稚園舎の一部を改修して保育ルームのまま移転せざるを得ませんでした。このような経過から見ても賃貸物件では保育園の整備は進まないということがはっきりしたのではないでしょうか。

 

 他区の事例として、北区が学校跡地を活用した区立認可保育園を整備したことは以前も紹介しましたが、目黒区では昨年4月の待機児童数が前年より倍増したため、2021年までに3,581名の定員増を目標に待機児童対策を打ち出し、実現が見込める国公有地、区有施設については具体的な検討を始めるとしています。新宿区内にも旧児童相談センター及び一時保護所の跡施設など都有地や、戸山1丁目国家公務員宿舎跡地などの国有地があります。改めて公有地・施設を洗い出し、あらゆる可能性について検討を行い、少なくとも来年4月1日で区の言う待機児童数をゼロにし、第1次実行計画期間内にいわゆる隠れ待機児童を含む認可保育園の待機児童ゼロを実現すべきではないでしょうか。また、保育ルーム早稲田は区立公園等に仮設の保育園を作って移転し、戸塚第一幼稚園舎を建て替えることが現実的だと思います。戸塚第一幼稚園舎を活用するには建築基準法などの課題がある事は承知していますが、あらゆる方策を具体的に検討すべきではないでしょうか。区長は今後の保育園整備計画をどのようにして進めていかれるのかお答えください。

 

 次に、子育て支援策の充実についてです。

 

  昨年、文教子ども家庭委員会が視察した兵庫県明石市では、弁護士でもある市長が直接説明をされたそうですが、市長のイニシアチブで子育て支援の充実が図られてきた結果、人口と税収のV字回復につながったとのことでした。視察の目的はひとり親家庭に対する支援など子どもの貧困対策についてでしたが、しかし市長の話で強調されたのはどの子も大事にするという考えからあらゆる施策は基本的に所得制限を設けず、市民の中で対立を生まないようにしたことが子育て世代に評価され人口も増えたのだと聞きました。

 

 現在、国でも教育の無償化が議論されていますが、とりわけ小中学校の教育における保護者負担の軽減は区が責任を持って進めなければならないと思います。就学援助の前倒し支給については23区の中でも新宿区は早い時期に決断をしていただき、その点では区教育委員会に敬意を表するものですが、個別の施策では先進的な事例を参考にさらに前へ進める必要があると思います。

 

 1月26日付都政新報で「給食無償化へ動きじわり/全国で導入例相次ぐ/「給食」を優先課題に」という見出しで「都議会の多くの会派が来年度の予算要求や昨年の都議選の公約に給食無償化を盛り込んでおり、きっかけ次第では状況が一変する可能性も秘めている。」と報道しました。学校給食無償化については私たちも要求してきましたが、昨年度学校給食費を無償化したのは63市町村、さらに今年度20市町村で無償化が始まり、合わせて83市町村に広がっています。昨年、文部科学省は初めて「学校給食費無償化調査」を実施しました。国も自治体が行う学校給食費無償化等に対し一定の補助を検討するのではないかと期待されていますが、無償化を実施する自治体が増えれば増えるほど国の背中を押すことになり、そうした点からも新宿区が一歩踏み出すことが重要です。

 

 葛飾区では現在、学校給食費等への経済的支援として就学援助は新宿区と同様、生活保護基準の1.2倍を認定基準額としていますが、これに上乗せする形で生活保護基準の1.3倍を費目認定と言って学校給食費や修学旅行費など費目を限定して補助を行っています。5年前に始まった生活保護基準の引き下げ分をカバーすることができるとして1.3倍の費目認定の制度ができたとのことです。さらに、就学援助の対象とならないご家庭には多子世帯の学校給食費補助制度があり、中学生以下のお子さんが3人以上いる世帯を対象に3人目以降のお子さんの給食費を全額補助しています。また、食材費高騰の影響で給食費が値上げとならないよう、すべての食材等を対象に給食費の補助を2009年度から実施しておりそれ以降給食費は据え置かれています。こうした2重3重に網をかける制度で葛飾区では、学校給食費について約3分の1が公費負担、つまり無償化となっており保護者から大変喜ばれているそうです。

 

 また、品川区も所得制限はあるものの1980年から多子家庭給食費補助を実施しており、葛飾区同様、中学生以下のお子さんが3人以上いる世帯を対象に3人目以降のお子さんの給食費を全額補助しています。

 

 新宿区でも食材費高騰に対応して牛乳を現物支給する形で補助を行った時期がありましたが、2010年度に補助をとりやめ給食費が値上げされました。しかし、今また食材費の高騰や生活保護基準の更なる引き下げも予定されており、給食費に対する補助がますます必要とされています。また、国は5年前から3年連続で実施した生活保護基準の切り下げをまた行おうとしていますが、就学援助の基準を切り下げ前の生活保護基準を堅持するとともに、基準を1.2倍から1.3倍に拡大し、多子世帯への給食費の補助を行ってはいかがでしょうか。お答えください。

 

 

 

 次に、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、および介護保険について質問します。

 

 第1に、国民健康保険料についてです。

 

 2月16日に23区区長会が開かれ、新宿区は翌17日土曜日に国民健康保険運営協議会に諮り、昨日19日に国民健康保険条例改正案が追加提出されました。2月9日付都政新報によれば、23区は統一保険料方式を維持し国の激変緩和措置期間にあわせて法定外繰入の解消を目指すが、千代田区は統一方式から離脱して中低所得層は値下げの方針で、一般財源からの繰入はほぼ横ばいと報じています。江戸川区はそれとは逆の意味で統一方式から離脱し一般財源投入を前倒しで無くしていく方向と報じられました。中野区も統一方式離脱で値上げしない方針と聞いています。区長は、この3区の動きについてはどのようにお考えでしょうか。また、都道府県化によって保険料が大幅に上がることをどのように受け止め、区としてどのような対応が必要だとお考えなのかお答えください。

 

 区政の基本方針説明で区長は、行政サービスの財源として国保料と区民税の高い収納率確保に努めると述べました。しかし、国保は社会保障制度の一環であり、あれこれの行政サービスと同列に置き国保料を単に財源として捉えるべきではないと思います。むしろ都道府県化することにより区の一般財源からの繰入を大幅に減らし、そのために国保料が大幅値上げとなり区民生活に大打撃を与えることに区長は言及すべきではないでしょうか。そうでなければ単に区民生活に無関心というだけでなく、国保制度大改革が区政に及ぼす影響や、今後の保険料の推移についての説明責任回避だと思いますが、区長の認識を伺います。高い保険料を賦課し、払えなければ短期保険証や資格証明書を発行し、さらに差押・執行までして強制的に徴収するのに、被保険者が保険料決定に意見を述べる機会もないのは民主主義とはいえないと思いますが、この決定方法についても認識を伺います。

 

 国民健康保険料の子どもの均等割についても伺います。昨年の第1回定例会でのわが会派の質問に対し区長は、子どもの均等割減免は国が制度を創設すべきで全国市長会も提言しているが、区単独では実施しないし東京都にも提案しない。多子世帯の減免は限られた世帯への一般財源投入になり公平性の観点から実施する考えはないと答弁されました。

 

 東京都内では、昭島市と東大和市がすでに多子世帯の負担軽減をしていますが、区長が国に期待して待っている間にも状況は変化し、新年度から清瀬市も実施するそうですし、埼玉県のふじみ野市や冨士見市も4月から第3子の全額免除を実施するとのことです。兵庫県赤穂市など西日本でも実施自治体が増えつつあります。区長も必要性は否定しないのなら、国の施策をリードする姿勢で実施に踏み切るべきではないでしょうか。また、限られた世帯に一般財源を投入することは公平ではないとおっしゃいますが、区の事業の多くは対象者が限定されています。子どもの貧困対策の必要が叫ばれている中、多子世帯への支援に異を唱える区民はいないのではないでしょうか。協会けんぽは子どもに均等割はかかりません。国保もせめて多子世帯だけでも無料化するよう区長の決断を求めますが、いかがですか。

 

 第2に、後期高齢者医療保険料についてです。

 

 東京都後期高齢者医療広域連合議会は1月31日、来年からの2年間の保険料について、余剰金180億円を活用して値上げ幅を圧縮したものの、平均1,635円、1.7%値上げする案を可決しました。また、都連合独自の4項目の特別対策等は継続しますが、政府の低所得者対策見直しはそのまま実施することも決めました。その結果、加入者の約3割に当たる年金収入211万円を超える場合は保険料が下がりますが、7割近くを占めるそれ以下は値上げになります。財政安定化基金の一部活用で値上げが抑えられたのに、それをしないで低所得者の値上げを決めたことは問題であり、今後はこの基金活用を広域連合に求めるべきと考えますが、いかがですか。

 

 第3に、介護保険についてです。

 

 第7期の基準介護保険料は月額6,200円と提案されました。介護給付準備基金15億円の活用で600円下げても、なお300円の値上げです。

 

 6,200円は、第1期保険料3,248円の1.9倍です。この18年間、高齢者の年金は増えるどころか減る一方で、増え続ける介護保険料が家計を圧迫しています。介護給付に占める1号被保険者の負担割合は第1期は17%でしたが、7期は23%です。今後団塊の世代が75才以上になり給付額が増大し、そのうえ負担割合が上がることを考えると、どこまで保険料が上がるのかと背筋が寒くなります。国は、軽度者は介護保険から外し、重度者にサービスをシフトして給付を抑制するとともに、利用者負担を増やすことで制度の維持を目論んでいます。それで制度は維持できたとしても、高齢者の生活は維持できません。新宿区は16段階に多段階化をして、低所得者の保険料負担を抑える努力をしてきましたが、それも限度があります。公費を50%以上に増やすこと、特に国が25%の負担割合を引き上げ、最低でも5%の調整分は25%と別枠にするよう国に要望すべきと考えますが、いかがですか。

 

 第一次実行計画で、国有地を活用して新たに薬王寺に特別養護老人ホーム、払方町に認知症高齢者グループホームを整備する計画が示されたことは歓迎します。今後第7期では、6期で計画倒れに終わったグループホームや小規模多機能型居宅介護等が確実に整備されるような特別の対策が必要です。また、基本的に要介護3以上の方しか申し込めなくなった特別養護老人ホームの待機者は昨年11月現在639名であり、第8期に向けて薬王寺以外にも特養を増やすよう今からの対策を求めますが、いかがですか。

 

 介護報酬が見直され、身体介護は少しプラスですが、生活介護はマイナスです。ある事業所が試算したら、トータルの収入はマイナスになってしまうそうで、あとは加算をとって乗り切るしかないと言っています。加算は否定しませんが、基本となる報酬がプラスにならなければ、事業所の経営もヘルパーの雇用継続もできません。区長からもそのことを国に意見を述べるべきです。そして、区内事業者の経営を危機に陥れてきたのが、新宿区の安すぎる総合事業の単価でした。新年度には見直すとの答弁でしたが、いつからどのように改善するのか、訪問介護の予防給付はどの程度まで回復する見込みなのか、事業者へ説明を行い理解が得られたのか、お答えください。

 

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