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世界の10大リスク by  イアンブレマー

2019年01月14日 | ニュース・コメント

 今シーズン最初のスキーで、群馬県の丸沼高原スキー場に行ってきました。ここはゴンドラのふもとでも1,400mあり、終点は2,000mちょうど。とても高度が高いので、シーズン初めでも逆に終わりでも雪質はバッチリです。2,000mからの景色は素晴らしく、遠くに谷川岳、浅間山、すぐ近くに武尊岳(ほたか)が望め、それも展望台にある「天空の足湯」につかりながら眺められるのです。春になり雪が解けてから日光白根山に登る人たちはこのゴンドラの終点から登り始めます。

  スキー場で驚いたことがありました。それは海外からのスキー客が一人もいなかったことです。私が毎年行く八方尾根、野沢温泉、ニセコはいずれも日本人と同じくらい海外からのスキーヤーが大勢いて、特にニセコは私がオーストラリアの植民地だと冗談で言うくらい、英語が公用語化し不動産を買いまくり、数億円もする超高級マンションがどんどん建設されているほどです。なのに東京からさほど遠くない群馬には誰一人いないのです。

 SNSで評判になっていない?それは根本原因ではなく、結果だと思います。私の推定した理由は3点、

 1.スキー場にゲレンデ外滑走できる場所がない

  八方、野沢、ニセコはゲレンデ外の新雪をすべることができます。

2.レストラン・バーなどナイトライフを楽しめる街がない

  八方、野沢、ニセコはいずれもスキー場から徒歩圏内にレストラン・バーやクラブがあります。

3.地元にプロモーションをする気力がない

   1、2はロケーション問題があって改善の余地が少ないのですが、3はやる気の問題です。

 一昨日のNHKで大分県の杵築市(きつき)に海外旅行客が大勢訪れているというニュースが流れていました。大分には別府や湯布院など日本でも指折りの温泉観光地があるのですが、みなさんもあまりご存じないと思われる杵築市は独自のやり方でプロモーションをしているというのです。市内にある江戸時代の城下町・武家屋敷の街並みを、着物を着て歩くのがうけているそうです。そのため着物のレンタル屋さんをオープンし、城をバックに写真を撮ってSNSにアップする。プロモーションの専門家も招き、アドバイスを受け成功したのだそうです。

  では群馬の丸沼高原はどうすべきか。ヒントは山頂で偶然出会い、我々の写真を撮ってくれた81歳のスキーヤーにありました。彼は相模大野に住み、なんと毎週ここにきているとのこと。新宿からスキーバスに乗り日帰りなのですが、往復のバス代とリフト代込みで5,400円しかしないので、毎週来れるそうです。だったら東京からの日帰り雪見温泉ツアー、スキー体験のオプション付きも5,400円ポッキリで可能なはず。雪山にゴンドラで登れば2,000mの展望台の足湯から大パノラマを望めます。インスタ映え間違いなし。アジアからの旅行客に雪見ツアーはとてもうけています。長野県の八方尾根や野沢温泉スキー場でも、スキー客に交じってゴンドラに乗る観光客が大勢います。彼らは雪に触れ、雪山をバックに写真を撮って満足しています。ならば長野まで行かなくとも、群馬で十分に可能なはずです。

  その上、海外からの旅行者が好む温泉がたくさんあります。我々もスキーの帰りには日帰り温泉によることが多いのですが、ここには大きな露天風呂をもつ白根温泉薬師の湯というのがあって、男女それぞれお風呂屋さんの湯舟よりはるかに大きな露天風呂が2つづつあって、とてもリラックスできます。ガンバレ、群馬県片品村!

  

 さて、年初の恒例となりましたが、イアン・ブレマー氏率いるユーラシアグループが今年の「世界の10大リスク」を発表しましたのでチェックしておきましょう。概要と項目を8日の朝日新聞のオンライン・ニュースから引用します。

 引用

 ユーラシアグループが2019年の「世界の10大リスク」を発表した。米国で民主主義が揺らいでいることや、欧州でのポピュリズム(大衆迎合)政治の広がり、同盟関係の弱体化など世界中の地政学的事象のほとんどが「悪い方向に向かっている」と指摘。この状況を「悪い種(予兆)」と名付けて1位に挙げた。2位は対立が深まる「米中関係」とした。

 同社は米国際政治学者のイアン・ブレマー氏が社長を務め、毎年初めに、その年の世界政治や経済に深刻な影響を及ぼしそうな事象を予測している。

 19年は国際経済が好調で「比較的いい年になる」と分析。一方、ただちに起こる可能性は低いものの、深刻な危機に発展しかねないリスクは、1998年の同社立ち上げ以来で最悪の水準に達しているとした。ブレマー氏は発表会見で「大規模テロや金融危機などの危機に各国が結束する状況ではなくなった」と話した。

 1位の「悪い種」の一つに挙げた同盟関係の弱体化については、「アジアでは米欧ほど影響はなく、日米同盟は強固」と指摘。その上で「韓国における米軍のプレゼンス縮小を望むといったトランプ米大統領の同盟への懐疑的な姿勢が、中国やロシアなどを利する」とした。

 2位の「米中関係」については「たとえ通商摩擦を解決しても、相互信頼は崩れた」「構造的な競争関係は技術、経済、安全保障分野に広がった」と分析。「双方とも武力衝突は望まなくても、南シナ海などでの偶発的事件が全面的な外交危機になる可能性は高まっている」と予測した。

2019年 世界の10大リスク

(米コンサル会社ユーラシアグループの報告書から)

1 ★悪い種  米欧政治の混迷、同盟関係の弱体化など

2 ★米国と中国  技術、経済、安全保障をめぐる摩擦が激化

3 サイバー攻撃  抑止力が利かない問題も露呈へ

4 欧州のポピュリズ  欧州連合の弱体化も

5 ★米国の内政  トランプ大統領不正追及で混乱

6 技術革新、冬の時代  安保上の懸念などで国際協力が停滞

7 ★国際協調に背を向ける指導者たち  トルコ、ブラジルなど

8  メキシコ  左派の新政権の経済政策に懸念

9  ウクライナ  ロシアとの外交・軍事的な緊張

10  ナイジェリア  大統領選挙(2月)の結果次第で混乱も

 

引用終わり

  ★は私が勝手にトランプ関連として付けた印で、要注意と思っているものです。私は昨年の10大リスクにトランプ関連がほとんどなかったことを「おかしい」と指摘しました。そして実際は昨年も毎日のように世界はトランプに振り回され、年末年始もアメリカ政府の閉鎖やシリア問題などトランプに振り回されていいます。そのためか今年はブレマー氏の掲げた10のうち4つがトランプ関連リスクになっています。項目7にはアメリカが表題にありませんが、国際協調に背を向ける指導者たち」の親分格は間違いなくトランプなので★を付けてあげました。

  去年との違いを見るために下記に去年のリスクを掲げます。私がつけた★は一つでそれもイラン関係だけでした。今年との違いが際立ちます。 

1位  「真空」を愛する中国
2位  偶発的なアクシデント
3位  テクノロジー分野での世界的「冷戦」
4位  メキシコ
5位  ★アメリカ・イランの関係
6位  組織・機関の衰退
7位  保護主義2.0
8位  イギリス
9位  南部アジアにおけるアイデンティティ政治
10位 アフリカの安全保障

   以上が今年と去年のブレマー氏の10大リスクの比較ですがトランプリスクのオンパレードで、私はむしろ安心しました(笑)。

  昨年末には世界の株式市場に激震が走りました。原因は1.世界景気のスローダウン見通し、2.米中関係悪化、3.FRBによる引き締めと言われていて、私もその見方に賛成です。安倍政権同様、トランプ政権も株式市場の動向が政権の人気を左右する構造のため、相場の下落とともに特にトランプは無茶をしかねません。アメリカ政府機関の一部閉鎖は22日間に及び、80万人の公務員が休職あるいは無給で勤務という異常事態が継続しています。民主党とトランプのチキンレースは果たしてクラッシュに至るのか見ものです。

  ブレマー氏のリスクアセスメントは地政学上のリスクに限定されているため、経済や金融市場のリスクはあげられていません。しかし今年は地政学上の10大リスクに加えて、経済的リスクにも十分に注意が必要だと思います。

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正月風景

2019年01月07日 | エッセイ

  みなさん、明けましておめでとうございます。

   みなさんのお正月はいかがでしたか。私はお伝えしていたように遠くには行かずに、主夫をしていました。それでも運動のためにサイクリングで毎日1時間程度は走るようにしていました。

  正月のよいところは車が少ないことです。普段からサイクリングロードを走っているのですが、そこに行きつくまでの1‐2㎞はどうしても車の通る道を走ります。それが正月は車がほとんどいない道となるので、実に爽快です。一番驚いたのは、うちから出てすぐに環状8号を横切るのですが、車がスカスカで、いっそ普段走れない環八を走ってみようかと思うくらいでした。

   幸い東京は年末から年始までほぼ毎日晴れていましたので、多摩川の堤を走ると左手前方に富士山がずっと見えています。うちはマンションの11階のため西側の廊下から富士山が見えるのですが、手前の丹沢の峰々が邪魔をしていて7合目から上くらいしか見えません。都心からの富士山はだいたいそのくらいしか見えないのです。ところが多摩川沿いを田園都市線の二子玉川から小田急線を通り越し、10㎞ほど先の京王線の鉄橋まで行くと、富士山の景色が大きく変わります。白い富士の右側だけですが、腰のあたり、5合目より下くらいまで見えるのです。ということはさらに10kmほど行くと両方の腰が見えるかもしれません。

   そしてうちからは富士山よりはるか遠方の南アルプスの雪山も見えます。かつて空気があまりきれいでなかった時代は、年末年始だけが唯一見える期間だったのですが、今は空気がきれいなので冬になるといつでも南アルプスを見ることができるようになりました。でもそれ以上北にある中央アルプスなどは、多摩や秩父の山々が邪魔をして見ることができません。

   一方東側の都心サイドは高層ビル群がよく見えます。以前は新宿だけだったのが、丸の内や品川、そして南の方には横浜のランドマークとその手前に最近注目の武蔵小杉のビル群が目を引くようになりました。武蔵小杉ほとんどが高層マンションのため人口が急激に増え、武蔵小杉駅から電車に乗るのは最悪のアクセスと言われています。駅ビルにすぐには入れず、毎朝改札を通過するまでに10分から15分もかかるという信じられない事態に陥っています。いったいどうするのか、どうしようもないのか、注目の的です。

   今年の年末年始、うちの近所で目立ったのは玉川高島屋の混雑です。駐車場渋滞があるかないかで、外から見ても混雑しているか否かがすぐわかります。正月2日からみなさん食事にきていて混雑していました。もうおせちに飽きたのでしょうか。

  年末、それもおおみそかの夕方に、おせちの安売りがあったら買おうと15分ほど歩いて行ったのですが、とんだ見込み違いでした。地下の食料品売り場は買い物客であふれかえり、売り場には近づけないし、廊下も混雑していてまともに歩けないのです。正月物を扱っているお店は待ち行列ができていて、どの店も「最後尾」と書いたプラカードを掲げたガードマンが整理にあたっていました。

   この購買意欲、たいしたもんだと思いました。というのもデパ地下ですから結構どの店も名前を知っている高級な店が多く、安売りなど全くしていないのに大混雑なのです。

   世田谷区の人口は90万人ちょうどで、区とはいえかなりの大都市といってよいほどの規模です。でも東京の西のはじにあって区別の所得ランキングでは港区の1115万円の半分、545万円しかありませんのでリッチな地区とは言えません。ただ玉川高島屋とその隣の東急の作ったライズ・ショッピングセンターは西のはじとはいえ、東急田園都市線沿線からの客を呼び込めるロケーションがよいのでしょう。東急グループの沿線開発力が大成功しているのだと思います。

   今年も元旦に近所の神社と父と母のお墓のあるお寺のお参りをしました。そこでもう一つ驚いたことがあります。東京都内でお墓を持つのは本当に難しいのですが、うちの場合は父親がかなり早くから手当てをしていたため近所の寺に持つことができました。その寺が新機軸を打ち出していました。

   公園式の樹木葬ではなく、10平米くらいのスペースに芝生を張り、石造りの彫刻のモニュメントが新しく建てられていました。共同の墓碑です。最近までそこにあった江利チエミを記念するテネシーワルツの碑は数メートル動いていました。

   モニュメントのすぐ横の壁に埋葬者の墓碑銘が刻まれています。一斉に募集をしたらしく、すでに数十名の名前が刻まれていました。今後も多分数百名単位の名前を刻むことが可能と思われます。とても賢いやりかたですよね。寺に永代供養料を払えば、いつも寺が清掃してくれるため、清潔に保たれます。お墓参りもお花だけ持っていけば済みます。いかにも東京のお寺らしい新風景でした。

  今週は初スキーに丸沼高原まで出かけますので、記事のアップは来週になります。

  ではみなさん、今年もよろしくお願いいたします。

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今年も一年、ありがとうございました!

2018年12月31日 | お知らせ

 今年も一年、私のブログを熱心にご覧いただき、誠にありがとうございました。みなさんからの励ましのコメントを糧に、来年も頑張ります。

みなさんにとって今年はどんな年でしたか。

 私自身は12月18日に69歳になりましたが、年齢と向かい合いながら、というよりも年齢に必死にあらがいながら(笑)、頭も体も充実した一年でした。

 いつもの年末年始のようにキャットシッターをしている家内の一番忙しい時期のため主夫をしています。朝昼晩と食事を用意し食器洗いをし、うちの猫たち2匹の世話をし、掃除洗濯をするのがルーティン・ワークです。

 食事の用意と言っても、たいしたものは作れないので簡単なものばかりですが、たまには家内のリクエストを聞いてクックパッドで簡単レシピを探してトライすることがあります。食事で大事にしていることは何でも食べることとバランスです。普段から毎朝グリーン・スムージーを作るのが日課で、緑の野菜の他にトマトや果物など少なくとも6種類をジューサーにかけてジュースを作ります。一人分350mlを二人分とかなりの量です。

 年齢にあらがうには運動も大切で、夏冬関係なくコンスタントに運動しています。毎日30分のストレッチと、ウォーキングか自転車で1時間ほど運動します。加えてゴルフの練習を週2・3回。ただし体を傷めないよう、一回にせいぜい50球―70球くらいしか打ちません。自転車は多摩川沿い、野川沿い、仙川沿いのサイクリングロードが主ですが、そこに行くまでに多摩川・野川・仙川などの河岸段丘を往復で4回は上るので、足腰と心肺機能の強化に役立ちます。そのせいかゴルフやスキーで疲れを感じることはあまりありません。そして秋の健康診断の結果とともに送られてくる「あなたの健康年齢」は実年齢より10歳年下でした。ウレシー!

 頭の体操はこのブログがメインで、同様なことをサイバーサロンに投稿しています。それに加えてこの1年はお伝えしているように、新たな著書の執筆に挑んでいます。それについてはまた書きますね。

 一方世の中に目を移しますと、今年は世界でも日本でも繰り返される大災害の目立つ年でした。そのたびにとても心が痛みました。年末年始にいつも思うのは、天候も相場も年を経るごとに変動が激しくなり、50年に一度の災害は毎月あるものと覚悟する必要がありそうですね。

 「異常気象」が異常でなく当たり前になっているのと同様、ボラティリティの高い相場の変動は異常ではなく、普通のこととして考えましょう。それに加えて昨今は政治も同じで、この1年だけでも大きな人災ともいえる政治災害が起きています。しかも政治災害も年を追うごとに激しさを増しています。

 トランプ災害は毎日なので言うに及ばず(笑)。

 欧州では選挙があるたびに極右といえるようなポピュリスト政党が躍進しています。ドイツではAfD、ドイツのための選択肢で、もちろん反移民が旗印です。同様に大きなポピュリズム運動はイタリアでも起こり、五つ星運動と同盟という極右ポピュリスト政党が連立内閣を作るところまで至りました。同盟は元北部同盟という地域政党でしたが、躍進して全国区となり、単に同盟と名を変えました。その他にもオーストリア、ポーランド、スウェーデンなどでも同様の動きが出ています。もっともポピュリズムは右翼の専売特許ではなく、左翼にもその動きが出ているのが特徴です。

 政治家は災害が起こったら救済や復興を仕事にするはずですが、ポピュリスト政権はむしろ自分たちが災害を起こしているように見えます。トランプの公約と政策の実行ぶりを見るとそれがよくわかります。「自国第一主義と反グローバリズム、反移民」の3点セットが世界ポピュリスト連盟の合言葉で、国際協調体制などはすべてぶち壊す対象にします。お互いに自国第一であれば、協調などあるはずがない。愚かなもの同士が余計な摩擦を起こし、物理的衝突もいとはないというリスクも感じます。こうした嵐はきっと来年も吹きまくるでしょう。

 しかし私は悲観ばかりではないと思っています。その理由はグローバリゼーションの進展です。えっ、と思われる方が多いともいます。反グローバリズムという言葉にはグローバリゼーションが諸悪の根源であるというニュアンスが含まれています。しかしグローバリゼーションはだれかが唱えたグローバリズムでスタートしたのではなく、自然発生的に世界を発展させ、発展の果実が国から個人に及ぶことで人類は豊かに暮らせるようになりました。

 今は反目しあっているアメリカと中国も、実はすでに自分の発展の前提に相手の経済成長が組み込まれているため、表面は反目しあっても第3次大戦に進むことなどありえません。経済のグローバルな結びつきが、平和を保つ礎になっているため、悲観する必要は全くないと言い切れるのです。

 まともな国でポピュリストが長く政権を担当することなどありえません。何故なら彼らは国をぶち壊すことはできても、建設ができないからです。来年の今頃までには何人ものポピュリストの敗戦を見ることができると私は思っています。

 ということでみなさん、来年に向けてもっと楽観して明るい未来を見ようではありませんか。

 ではよいお年を!

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なんで今さら商業捕鯨なのか

2018年12月30日 | ニュース・コメント

  なんで今さら商業捕鯨なのか、非常に疑問を感じ私の意見を書いてみました。実はこの原稿は数日前に書いていて、ブログにはアップせずにと思っていたのですが、同感だ、おもしろいと言ってくださった方がいらしたので、ブログにもアップすることにしました。

 この日本政府の決定に、世界も非難ごうごうです。まず産経ニュースを引用します。

シンガポール=吉村英輝】日本の国際捕鯨委員会(IWC)脱退表明を受け、反捕鯨国オーストラリアのペイン外相とプライス環境相は連名で26日、「非常に失望した」との報道声明を発表した。

 声明は、IWCがクジラ保護における国際協調の「極めて重要な役割を果たしている」と指摘。豪州は「(IWCへの)日本の復帰を要請する」とした。また、日本がIWCにオブザーバー参加することで「捕鯨に関し日本と関わっていく手段を得られるだろう」との認識も示した。

 一方、ニュージーランドのピーターズ副首相兼外相も声明で、IWC脱退をめぐり日本の河野太郎外相と協議したと説明。その上で「捕鯨は時代遅れで不必要な行為だ」と批判し、日本へIWC復帰を求めた。」

  私には日本の一方的IWC脱退は、温室効果ガスの規制で合意したパリ協定から一方的に脱退したトランプ並みの行為に思えます。トランプは世界規模で合意している科学的根拠を、「そんなものはウソだ」と大見えを切りました。世界は今回の脱退をそれと同じような行為とみなしているのです。

  私の最初の反応は、「恥ずかしい!」です。

  科学的根拠に対する様々な議論があることは承知の上ですが、私は日本が世界的な環境保護や種の多様性保護という大きな流れに反する行為と見られるのがとても恥ずかしいのです。

  みなさんもよくご存知のように、日本のイルカ漁は世界が最も野蛮な行為だとみています。なんでイルカを湾内に追い込み、殺して食べる必要があるのか、今回の世界の見方はそれと同列なのです。

  日本の言い分が正しいか正しくないかなどは議論百出だと思います。「欧米人だって牛や豚を殺して食べているではないか」という反論も聞こえます。しかしイルカやクジラの殺戮は彼らのセンスから見ると、野蛮さの象徴なのです。私はそうこまでの感情論ではなく、「捕鯨は時代遅れで不必要な行為だ」というニュージーランド外相の意見と同じです。

  私はあえてクジラを食べにはいきません。クジラは日本の食文化だなどとは絶対に思いません。目の前にマグロとクジラが並んでいたら、マグロを選びます。クジラを食べなくても何の痛痒も感じませんが、マグロが食べられなくなったら嘆きます。

  だからと言って過激な環境保護団体シーシェパードの危険な行為は非難します。その最大の資金源であるアパレルメーカー・パタゴニアの服は買わないという無言の抗議もしています。

  周りがどうあれ自分のエゴを貫く、というのはかわいいトランプちゃんと同レベルの幼稚な行為だと思っています。そのトランプ、クリスマスの子供との電話が全米で非難ごうごうです。7歳の子供に「君は今でもサンタを信じるのか。ギリギリだろう」と言ったのです。子供の夢をぶち壊すという非難です。CNNだったかがその後その子に尋ねたところ、「何を言われているのかわからなかった。いまでもサンタを信じています」とのこと。私がもしその子の親だったら、「こんな大統領のようには、絶対になってはいけない」と言い聞かせるでしょう(キッパリ!)。


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トランプ恐怖支配の終焉

2018年12月26日 | トランプでアメリカは大丈夫か?

  株価の暴落が止まりませんね。それに対して一人ホワイトハウスでクリスマスを迎えたトランプが、絶え間なく吠え続けています。私の「吠えるな、トランプ!」の声は届いていないようです(笑)。自分のいかさまゴルフを棚に上げて、面白いことを言っています。24日クリスマスイブ、ロイターからの引用です。

 「トランプ大統領はツイッターで「米経済にとって唯一の問題はFRBだ。彼らは市場に対する感覚がない」とし、FRBを「腕力はあるが、パットのセンスが欠けていてスコアの上がらないゴルファーのようだ」と批判。貿易戦争や強いドル、壁を巡る政府機関閉鎖について理解していないと指摘した。」

   私からは今度は聞こえるような大声でこう返してあげます。

 「米経済にとって唯一の問題はおまえさん、トランプだ。おまえさんは市場に対する感覚がない。大統領が吠えたからって、株価を上げられるもんか!」

  さらに全ゴルファーのためにもう一言、「ゴルフでいんちきするトランプの言葉などに聞く耳を持つな」です(爆笑)。

   日米ともにあわてる政府関係者や金融系エコノミスト達のコメントはおしなべて、

 「株価は暴落しているが、実体経済の足元は堅調で問題はないため、心配する必要はない」ということを繰り返しています。しかしほんとうにそうでしょうか。私は疑問を感じています。株価は半年・1年先を見て動いているのに、足元の堅調さだけでは説得力に欠けます。

   そもそも実体経済の安定性ということがどこからきているかと言いますと、アメリカで言えば企業収益や消費の堅調さ、賃金の伸びなどですが、それらはトランプの減税と言うドーピングによると部分が大です。これ以上のドーピングは民主党の下院勝利により禁止令が出されました。一方で貿易戦争が中国経済にも影響し、それが世界経済の見通しを悪化させています。さらにアメリカ国内でもトランプに対する離反の動きがハーレーダビッドソンやGMなどのメーカーに拡がっています。

  こうしたことに対して評論家からは様々なコメントがありますが、私は個々の対市場コメントより大事な点を指摘します。それは、

 「恐怖による支配の終焉」です。

   「恐怖」とはニクソンを辞任に追い込んだジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏の著書の英語版タイトルで、トランプのやり口を恐怖による支配であると定義しています。私もその通りだと思います。外交政策はもちろん、国内政治、経済問題から金融市場まで、彼のツイッター攻撃による「恐怖」で震え上がっていたのがこの2年でした。

  しかしみんながそれに反抗し始めたのです。それが先に指摘した「恐怖による支配の終焉」なのです。

   マティス国防長官はトランプをあからさまに批判して自ら辞任。経済原則に則って行動するアメリカメーカーも離反。中国は最初から反抗し続け屈しない。議会も予算を巡り共和党すら離反。FRB議長も決然と対抗し、株式市場もトランプに「NO!」を突き付けました。

  そして日本ではあまり報道されていないのですが、司法においてとても大事な動きがありました。それは最高裁判事の離反です。12月22日のウォールストリート・ジャーナル日本語版から引用します。

「【ワシントン】メキシコ国境からの不法入国者による難民申請を禁止する米大統領令を一時差し止めた地裁の命令について、トランプ政権が差し止め解除を求めていた訴訟で、連邦最高裁判所は21日、政権の訴えを退けた。トランプ大統領の移民政策に対し、司法がまたも待ったを掛けた格好だ。」

   最高裁の判事の構成は少し前に1名のセクハラ疑惑の新判事をトランプが指名し、9人のうち5人を保守派で固めたはずでした。しかし今回の判決ではトランプにノーを突き付けました。FRBに次いでアメリカの司法もトランプ支配から独立し、きちんと機能していることを示しました。

 

  これでアメリカでは司法立法行政もトランプにノーを言える健全なる行動原理を有していることが証明され、私はとても安心しています。どうりでトランプが一人寂しくホワイトハウスで嘆くわけです。

  しかし安心はできません。それは、彼はサイコパスと診断されている人間ですので、ここから本領を発揮するからです。本領とはもちろん破れかぶれの暴走です。それによるトランプリスクは来年も継続します。それでもみんなが反抗するようになれば、彼の暴走に歯止めがかかります。


   年末恒例のユーラシアグループ代表イアン・ブレマー氏の2019年の「世界の地政学上の10大リスク」がどうなるか、今から楽しみにしましょう。18年の見通しで彼はトランプリスクを過小評価というより、リスクからほとんど消してしまったのですが、年央に私はそれをどうも誤りだと指摘しました。世界は今年の後半戦もトランプリスク一色でした。それでも彼の指摘する一つ一つの項目は頭に入れておく価値は十分にあります。


  さて、株式暴落の一方で原油価格と米国債金利の下落が止まりません。米国債投資を考えていたみなさんは、私がブログでお勧めした時期に、しっかりと投資されましたか?私は著書の出版以来はじめて、今年は2回買いシグナルを出しました。

   アメリカ金利が久々に3%を超えたのは今年の4月末、私の著書が出た11年8月以来、約7年ぶりのことでした。そこで私は今年4月24日に最初のお勧め記事を書いています。シリーズ「トランプでアメリカは大丈夫か」の7回目の記事で、サブタイトルは「米国債投資のチャンス到来」でした。10年物国債の金利は5月中旬に3.1%台までいき、いったんピークを迎えて反落し3%を下回りました。

  その後9月下旬にふたたび3%を上回り始め、10月8日に私は「米国債投資のお勧め」というタイトルで単独の記事を書いています。その時の10年物金利は3.23%でした。そして3%台は11月末まで2か月にわたり続きました。

  ところが11月23日にコメント欄で陽子さんの質問に対して、私は以下のように回答しウォーニングを出しました。引用します。

 陽子さんの質問

>アメリカの経済はまだまだ大丈夫!と思っていましたが、ここへ来てなんだか不穏な空気ですね。。。償還まで20年以上の長期債も思いきって前倒しで買っていこうと思います。

私の回答

さまざまな経済指標のなかでも、いわゆる将来を指し示す先行的な指標に陰りが見え始めているので、一方的に成長継続とはいかないと思います。

 ただ日本との決定的違いは、すでに何回も利上げをしているので、いざとなったら何回も利下げで景気を刺激できるところです。

 長期債への投資は最初の一歩は早めに、その後はじっくりと進めてください


  「最初の一歩は早めに、その後はじっくり」というのはもちろん、長期金利が今後低下しそうだという予想をたてて申し上げています。陽子さんは最近のコメント欄で米国債への投資比率が高くなっているとのことですから、大丈夫そうですね。

   では、もし10年物が3%台にあった時点で投資し損ねたという方はどうすべきか。

代替としては短期債への投資もありだと思います。アメリカ債券市場のクリスマス前の終値のイールドは以下のとおりでした。

  10年債;2.75% 5年債;2.58% 2年債;2.57%

   10年物金利は急落し、5年物と2年物は若干低下したうえにほとんど差がありません。これをどう見るかですが、金利の示唆することを素直に述べますと、以下のようになります。

 「短期が高いのはまだ利上げがありそうだということ。中・長期が短期と比べさほど高くないのは、中期的には利上げが停止され、その後も経済成長が鈍化し、物価も雇用も強くなりそうもないことを示唆している」ということです。ですので、中期・長期ものへの投資はペースを緩めるかいったん停止し、長期金利の上昇をもって再開するのがお勧めです。

   もちろん上記は瞬間風速だけを切り取って解説していますので、今後の実体経済の変動や先の見通しによっては変化の可能性があることを頭に留めておいてください。 

 (注)私の言う短期とは2年物、中期は5年物、長期は10年物以上のことです。

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