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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】503 先端経営学は「実証性」重視

2020-08-10 07:39:55 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】503 先端経営学は「実証性」重視

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

 

■      今日のおすすめ

 

 『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(著者:入山章栄 英治出版)

 

■      アメリカの経営学者はドラッカーを読まない(はじめに)

 今日の紹介本は、いきなり「経営学の最先端を行くアメリカの経営学者は、『経営学の父』と言われているドラッカーの本を読まない」という所から入って来ます。  著者は、現在の世界の経営学はアメリカがリードしている事実は否めないとして、敢えて「アメリカの経営学(者)」と「世界の最先端経営学(者)」とを同義で使っています。因みに、世界最大の経営学会「アカデミー・オブ・マネジメント」の2012年の年次総会に世界85カ国から9,369人の経営学者が出席しました。国別の出席者数は、アメリカが50%、日本は0.4%、アジアは7%、英・仏・独、合わせて14%とアメリカが中心である事、日本が極端に少ない事がわかります。更に、世界のトップクラスの経営学の学術誌(「アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル」「ジャーナル・オブマネジメント・スタディーズ」等)に掲載される論文の約80%は統計分析を用いた論文という事です。

 この事実をどのように捉えたら良いのでしょう。著者は、まず、経営学を「実証性」と「規範性」に分けています。今の経営学の主流は「実証性経営学」です。ドラッカー理論は「何が組織にとって望ましいか」という「規範性経営理論」と捉えます。

 もう一つの分け方は、「演繹的」と「帰納的」の分け方です。日本の経営学理論はケーススタデイに基づく「帰納的理論」が圧倒的に多いと言われています。しかし、世界の主流は、「一般・普遍的理論」から統計分析などにより「個別的結論」を導き出す「演繹的理論」です。

 このような経営学の先端的状況を知り、どちらかと言えば、「規範性理論」「帰納的理論」に親しんでいた私が、この紹介本から何を得たか、その一部をご紹介しましょう。

 

■      新たな知のフロンティア

【ポーターの「競争戦略」が生まれ変わる】

 「ファイブ・フォース」「バリュー・チェーン」などで代表されるマイケル・ポーターの「競争戦略論」の基本コンセプトは「持続的競争優位」と言えます。

 アメリカの経営学者、ウィギンズとルエフリの二人は「持続的競争優位が本当に存在するか」という疑問に大規模なデータと統計分析手法を用いて挑戦しました。二人は、1972年から1997年までの全米40産業の6,772社の投資利益率などの時系列データを用いて、「10年以上続けて同じ業界のライバルより高い業績を残した場合」を「持続的競争優位」を持っているとみなしました。そしてその様な企業はどのくらいあるか分析しました。

 結論として以下の3つの発見をしました。

① 「持続的競争優位」を実現している企業は、全体のわずか2~5%にすぎなない。

② 近年になればなるほど、「競争優位」を実現できる期間が短くなっている。「持続的競争優位」を実現する事はどんどん難しくなってきている。

③ 他方で、いったん競争優位を失ってから、その後再び競争優位を獲得する企業の数が増加している。一時的な優位を鎖のように繋いで、結果として長期的な高い業績を得ている。

この研究結果を踏まえてダヴェニは「ハイパー・コンペティション下では、積極

的競争行動をとった企業のほうが高い業績を上げられる」との論文を発表し、「業績の向上につながる積極的競争行動は何か」という新たな「コンペティティブ・ダイナミクス」という研究テーマの流れを作りました。

 私たちはこのような、先端の経営学の研究を踏まえ、既存の考えをどう生まれ変わらせたら良いのでしょう。ポーターの「競争戦略論」を「守りの戦略」と位置づけ、高業績を維持するには、それに加え「攻めの戦略(コンペティティブ・ダイナミクス)」を併せて考え、その上で戦略的ポジショニングを考えるべきと変って行きます。 

【シュンペーターのイノベーション理論が生まれ変わる】

 シュンペーターのイノベーション理論は、簡単に言ってしまえば、「イノベーションの五つの構成素材、影響要素を、新たに組み合わせ、新たな創造をすること」と言っても良いでしょう。

 「新たな組み合わせとは」を求める研究がされました。カティーラとアフージャが世界のロボットメーカー124社のデータを用い、各企業の「知識の範囲」を計算しました。新たな特性を付加した製品を生み出す頻度をイノベーションの成果の代理指標とし、「知の範囲」との関係を分析しました。この結果「知の範囲」は幅が広いほど良い結果が出るが、しかし、極端に幅が広がるとかえってマイナスの効果が出るとの研究結果を出しました。

 サンプソンは、世界34カ国の情報通信装置産業437社の特許引用データを用いて、研究開発の提携をしている企業同士の「組み合わせによる知の範囲の指数」を計算しました。アライアンス企業のイノベーションの成果と「知の範囲」との関係を調べ、「ほどほどの知の広がり」が良い成果に繋がるとの結論を得ました。

 これらの研究結果を踏まえ、著者は次の結論を出しています。

① イノベーションの本質の一つは、知と知との組み合わせから新しい知を生み出す事であり、そのためには企業は知の幅を、ほどほどに広げる必要がある。

② 新たな知を求める「知の探索」に加え、既存の知を深める「知の深化」が共に必要である。

③ 業績が良いときの、イノベーションの停滞(コンピテンシー・トラップ)を避けるために、企業は組織的に「知の探索」と「知の深化」のバランスを保ちながら、「コンピテンシートラップ」を避ける戦略を進めることが重要である。

この結論を実践している企業が、1月20日のBSジャパン「ガイヤの夜明け」で

紹介された、文具メーカーの「キングジム」です。日本全体の特許から、自社の得意分野と組み合わせる事が出来る特許を選び、その特許を保有する企業との連携で、次々と新たな製品を開発し、新商品を生み出しています。なかでも素晴らしい製品と思ったのは、マグネットも画鋲も要らない掲示板です。

【新たな知見「ホフステッド指数」と「コグート・シン指数」】

 ヘールト・ホフステッドはアメリカIBM社の40カ国、11万人の従業員に行動様式と価値観に対するアンケート調査を行い、様々な国の文化・国民性を定量的に測定し指数化しました。コグートとシンは、この「ホフステッド指数」を使って、それぞれの国の文化的・国民的距離を定量化し「コグート・シン指数」を計算しました。この結果「ホフステッド指数」や「コグート・シン指数」による『国民性分析』は意外な結果を示し、日本人と価値観や行動様式が最も近い国はハンガリー(1番目)とポーランド(2番目)。日本と同じアジアの国である韓国(39番目)や中国(47番目)は、意外にも欧州のドイツ(7番目)やフランス(28番目)よりも離れています。コグートとシンは、米国系506企業のデータを使い、海外進出形態(買収、合弁)の実態とこの指数とが密接な関係にあることを分析、証明しました。世界の経営学者の間では常識的な指数ですが、私は初めて出会った指数です。詳細は紹介本をお読み下さい。

 経営学は進歩していますね。遅れないようにと警告を与えられました。

 

■      既知の経営理論がいきいきとして来る(むすび)

 ご紹介させていただいたように、現在の最先端の経営理論を知る事で、既知の理論がその有用性を増すことがご理解頂けたと思います。また今まで知らなかった新たな経営理論も有効に使うことが出来ます。その意味で、最先端の経営理論に興味を持っておく事は大切と思います。

 著者は、私達が学術誌を読むのはなかなか困難と言います。最先端の経営学をビジネス実務への応用論文として掲載する「ハーバード・ビジネス・レビュー」や「一橋ビジネスレビュー」が有用と言います。

 私も、これらの本に、今までとは違った視点で向き合えると楽しみです。新たな知のフロンティア、新たな有用な経営理論を求めていきたいと思います。

 

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】028 徳島をゲノム編集産業発祥地に、と意気込む徳島大発VB 8221-A808

2020-08-08 05:46:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】028 徳島をゲノム編集産業発祥地に、と意気込む徳島大発VB 8221-A808

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 徳島をゲノム編集産業発祥地に、と意気込む徳島大発VB 8221-A808


 「ゲノム編集は革新的な技術だが、その割にはプレーヤーが多くない。

 国内で専業会社は4、5社程度なのでは…」。

 こう話すのはセツロテック(徳島市)の竹澤慎一郎社長。

 そのうちの1社である同社は専業としては唯一、受託サービスを手掛け実績を上げている。

 「創薬で走って、畜産を伸ばす」(竹澤社長)と二つのターゲットを定め、経営理念に掲げる『ゲノム編集産業革命で人々の暮らしを豊かに』の実現に向け突き進んでいる。


 同社は、現在、会長職に就く研究者の竹本龍也徳島大学教授と竹澤社長らが2017年2月に設立した。

 竹本教授は遺伝子改変(ゲノム編集)マウスを簡便に効率的に作製できる手法を開発し、その実用化のため徳島大発ベンチャーとして同社を立ち上げた。

 一方、竹澤社長はポスドク(博士研究員)として遺伝子制御機構の解析などに取り組んだのち、投資会社に勤め、さらに医療関連のメディア会社を東京で起業し、経営者としての腕を磨く。

 ある時、「友人から徳島にすごい技術があると聞かされた」のがきっかけとなり転身し、今日に至る。


 創業から1年。製薬会社や大学に研究開発用として、それぞれのニーズに沿った改変マウスを提供するなど、すでに、実績を積んでいる。

 GEEP法やVIKING法という、いずれも徳島大の知財となるゲノム編集手法の為せる業で、『徳島をゲノム編集産業の発祥地に』と、地域産業への貢献をビジョンの一つとする同社の有言実行の第一歩ともなっている。

 同社ではマウスのほか、改変ラットの注文に応じ、改変ブタは開発準備中としている。


 ゲノム編集は2012年に「クリスパー・キャス9」と呼ばれる画期的技術が発表されたのを機に研究開発に弾みがつくが、事業化となるとまだまだのよう。

 竹澤社長によると、国内の専業他社は積極的な営業活動をしていない研究開発型であり、事業のワン・オブ・ゼムとして受託サービスを手掛けるバイオ企業が何社かある程度だという。そこで「ゲノム編集に特化している我々は、難しいゲノム編集への対応や競争的な価格対応が可能で、アドバンテージが出せるはず」(竹澤社長)と、専業の強みを発揮し、未開の市場を切り開いていく。


 創薬を支援するための改変マウスの提供から、畜産や農業へ。

 同社では、豊かな暮らしに欠かせない食の充実のためのゲノム編集にも照準を合わせている。

 ただ、「先立つものは…」で、少なからず資金が必要なため、竹澤社長自らが資金調達や支援者獲得に奔走している。

 その一環として、あまたのベンチャーコンテストに参加し、最優秀賞を相次ぎ受賞してきた。

「多くの投資家と出会え、出会いのすべてが有効だった」と語る竹澤社長は「この1年はあっという間。

 とにかく動き回れば何かが生まれると行動した」と述懐する。創業2年目のこれからも、パワーアップした改変マウスのように高速で走り回りそうだ。

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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■【話材】 きょうのおすすめ 今日は何の日かを話題にすると注目を浴びる 二兎を追うブログ

2020-08-07 11:16:50 | 【話材】 話したくなる情報源

■【話材】 きょうのおすすめ 今日は何の日かを話題にすると注目を浴びる

 

■ 二兎を追うブログ 

 

 経営コンサルタントのプロや準備中の人、経営者・管理職やビジネスパーソンにも読んでいただける、二兎を追うブログで、毎日複数回つぶやいています。

 

 半世紀近い経営コンサルタント歴から、いろいろなカテゴリーのテーマでお届けしています。

 

 その中でも、とりわけお薦めのブログを本日、下記のようにご紹介します。

 

 

■ 【今日は何の日】は、その日の記念日を毎日発信しています

 

 一年365日、毎日が何かの日です。

 季節を表す日もあります。

 地方地方の伝統的な行事やお祭りなどもあります。

 誰かの誕生日かも知れません。

 歴史上の出来事もあります。

 

 ビジネスパーソンにとりましても、コンサルタントなど専門業・士業の先生方におかれましても、博識であることは、その日のファーストインプレッションが良く、好感度を上げることができます。

 たとえば、視聴率がトップクラスの「笑点」という番組では、人気落語家であります円楽さんは、その日の挨拶に【今日は何の日】をツマにしてお話を始めます。

 私も、話材に困ったときには、自分のブログから、【今日は何の日】を取り上げて話すようにしています。

 

 話し下手の人でも、話材がありますと意外と話せるもので、次第にご自身に自信を持てるようになります。

 自信を持てるようになりますと、言動にゆとりが出てきて、人間を大きく見せる効果があります。

 その結果、ビジネスや人間関係がスムーズにはかどって行くでしょう。

 

 【今日は何の日】は、毎日、早朝に発信しています。

 時々他の時間に改訂版を出したりします。

 

 わたくしのブログは、毎日、複数のテーマでお届けしていますので、いつコンタクトをしても、同じブログを見せられるのではなく、新たな発見をしていただけます。

 

 どうぞ、末永く、ご愛顧下さるようお願いします。 <m(__)m>

 

■【今日は何の日】の楽しみ方

 

 複数のブログ・スタンドから発信していますので、多少異なりますが、早朝6時前後にリリースしています。

 下記のブログでは、月別にカテゴリーを作成しています。

   通年   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/b980872ee9528cb93272bed4dbeb5281

   6月   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/503d60083ae7ee255e966f0698440b0b

   7月   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/f1fe9c7714f49fd6f18fc46cb144b7df

   8月   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/8db384a099f26f016828bbb394609bd3

 

   【 注 】 他の月につきましては、順次掲載してまいります。

        ブログ左欄の月別カテゴリーで選択して下さると幸いです。

 

 

 お好きなブログスタンドからどうぞ

 

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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】502 新・戦争論(著者:池上 彰 他)

2020-08-07 05:46:00 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】502 新・戦争論(著者:池上 彰 他)

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■    今日のおすすめ

 『新・戦争論』(著者:池上 彰 佐藤 優 文春新書)

 

■        世界情勢を民族と宗教で見つめ直す(はじめに)

 2015年の年明けの世界情勢は、テロ事件で始まりました。1月初めのフランスのパリでのテロ事件、1月下旬から2月1日にかけての「イスラム国」による日本人二人の殺害事件で2015年が始まりました。不安感が沸いてくると同時に、不透明感に襲われました。この不透明感を少しでも払拭できればと、今回もPEST(P:政治、E:経済、S:社会、T:技術)に関る本をご紹介する事にしました。

 紹介本「新・戦争論」は、私たち日本人がどちらかというと不得意な民族、宗教の視点から、世界情勢を分析しています。2015年初めに起きた二つのテロ事件を想定して書かれた本ではありませんが、年初に抱いた不透明感を払拭してくれる本です。

 

■        初めて知った世界情勢のメタ要因

 「イスラム国」の話に入る前に、その他の国の内紛等の民族・宗教のメタをご紹介します。

【ウクライナ問題】

 2014年7月17日に、ウクライナ東部ドネツク州上空でマレーシア航空記が墜落した事件は記憶に新しい事件です。このウクライナの内紛は民族と宗教の視点から紛争の要因を見つけることが出来ます。ウクライナ西部と南部・東部は、民族・宗教・歴史上それぞれ異なった道を歩んできました。そこに紛争のメタがあるのです。詳しくは紹介本をお読み下さい。

【スコットランド独立運動】

 2014年9月18日にスコットランドで独立の可否を問う住民投票がありました。結果は僅かの差で独立反対派が過半数を超え、イギリスが分裂を回避できた事は、記憶に新しい事です。この問題の根底にも宗教問題があります。スコットランドは「スコットランド教会」即ち宗教改革の流れを汲むカルヴァン派等です。一方イングランドは西暦1536年に、当時のヘンリーⅧがカトリックと縁を切り出来た「英国国教会」即ち聖公会です。かつて清教徒革命(1638-1660)で戦った宗派同士なのです。 

 

 お話を「イスラム国」に向けましょう。

【「イスラム国」と中東問題】

 「イスラム国」を含めた中東の問題の根底には、イスラム教の宗派対立があります。大きくはスンニ派(85%)とシーア派(15%)に分かれますが、事は簡単ではありません。スンニ派は4つの法学派に分かれます。その中でイスラム原理主義(ムハマンドの理想的時代に戻そうと言う思想)がハンバリー派。その中でも急進的なのがワッハーブ派です。中東の大国サウジアラビアの国教がこのワッハーブ派なのです。ワッハーブ派の最も過激なグループがアルカイダであり「イスラム国」なのです。  「イスラム国」が余りに特殊で過激なるが故に、アルカイダからも破門されてしまったのです。

 一方シーア派は、五代目イマーム派、七代目イマーム派、九代目イマーム派、十二代目イマーム派がありますが(イマームは「最高指導者」の意)、最大宗派の十二代目イマーム派を抑えておけば十分です。十二代目イマーム派を国教とするのがイランであり、イラクのマリキ政権も十二代目イマーム派に属します。ここでイラクのマリキ政権をイランが支え、アメリカが支えるという奇妙な状況が出てくる訳です。

 さて、2014年6月29日に国家樹立の宣言をした「イスラム国」が発足するまでの経緯は複雑です。まずシリア問題に端を発します。シリアでは少数派(シーア派のアラウィ派=実際はイスラム教の中の被差別宗派。輪廻転生などを教理とするイスラム教の異端とされる。)のアサド政権が、多数派を占めるスンニ派の住民を抑圧・弾圧をしました。この結果、スンニ派住民と殺人は嫌だという政府軍人が「自由シリア軍」を作って内戦状態になりました。その「自由シリア軍」を圧倒し、大きな勢力となったのが、イラクの多数派のスンニ派から成る「シャーム・イスラム国」です。この「シャーム・イスラム国」がイラクからシリアに移動し勢力を拡大し、「イスラム国」を名乗り、更には、勢力範囲をシリアからイラク北部(スンニ派住民地域)に拡大してきたのです。イラクではマリキ政権によって不利な立場にあるスンニ派住民の支持を得て、一時はイラク政府軍が総崩れになる寸前まで行ったのです。この「シャーム・イスラム国」の発生の遠因をたどると、「アメリカのイラク戦争開始(2003年3月)とイラク駐留米軍の撤退(2011年12月)によるイラクの治安と経済の混乱である」と日本経済新聞(平成27年2月3日朝刊)は報じています。

 詳細は紹介本を読んでいただくとして、中東はイスラエルと国交を樹立しているヨルダン・エジプト、サウジアラビアを中心とする湾岸協力会議加盟国(GCC=サウジ・アラブ首長国連合・バーレーン・オマーン・カタール)、イラン、イラク、シリア、トルコ、アルメニア、アゼルバイジャン、レバノン、その他「アラブの春」以降政権が出来たリビア・アルジェリア、アラビア半島で唯一GCCに加盟していないイエメン等が複雑に絡み合っています。当面は中東情勢の背景にあるメタを理解し、情勢の推移を正確に理解する事が大切と思われます。

 

■        世界情勢を改めて解き明かす(むすび)

 紹介本「新・戦争論」の内容を一部ではありますがご紹介しました。この紹介本により、今まで気付いていない事柄を知る事が出来ると思います。それぞれの国または地域で、どのような事態の発生が予想されるかを構造的に理解できるのではないでしょうか。また国と国との力関係がどのように変化する可能性があるかも理解できるのではないでしょうか。

 グローバル化の時代、私達は世界情勢と無縁ではビジネスを進めることができない時代になっています。その様な時代の世界情勢を読むために、民族・宗教の視点という新たな視点を加える事の重要性を、紹介本は示してくれます。言い換えれば、私達が、『民族、宗教に関する「メタ(meta)」』を身につけることが大切です。(「メタ」とは、表面的に見えるもの或は一般的情報の裏にある真実、つまり背後にある、判断の根拠に出来る事実情報をいいます。)

 この『民族、宗教に関する「メタ(meta)」』を生かしながら、都度起こる事態に対応して、不確実性な世界情勢を解き明かして行きたいと思っています。

 

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

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 経営コンサルタントを目指す人の60%が見るというサイトです。経営コンサルタント歴35年の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

 

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■【心 de 経営】 経営四字熟語012 ■ 画竜点睛(がりょうてんせい) 気配り、思いやり、心づかい

2020-08-06 05:46:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

■【心 de 経営】 経営四字熟語012 ■ 画竜点睛(がりょうてんせい) 気配り、思いやり、心づかい

本

■ 示唆の多い経営四字熟語

 四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
 読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。

 

■ 画竜点睛(がりょうてんせい) 気配り、思いやり、心づかい


 臥竜は、「がりょう」とだけではなく「がりゅう」とも読みます。間違えやすいのは「睛(せい)」というを「晴(はれ)」としてしまうことです。「睛」という字のへんだけではなく、作りも青ではなく、作りの下の部分が月ではないのです。

 「睛」とは瞳のことで、中国のある高僧が寺の壁に竜の絵を描いて、最後に残されたのが瞳でした。

 選挙にはつきものの、縁起物のだるまも、目を入れたものとそうでないもの、目の入れ方により印象が大変異なります。その高僧は、心を込めて瞳を入れたところ、竜が天に向かって飛んでいったというのです。

 すなわち、画竜点睛とは、ものごとの最も重要な部分であり、大切なところのことです。これをなす事が、ものごとを完成させることであり、最後の仕上げをすることに繋がるのです。

 先年、私の弟のような従弟が早逝してしまいました。通夜や葬儀の準備に追われている中で、香典の準備を始めました。

 不祝儀袋の表書きというのは多くの人が苦手としますが、この袋には試し書き用紙というのが入っていました。試し書き用紙のセンターが切り取られた状態で、そこに名前を書くとまっすぐに書けるようになっています。左側にはマス目がありますので、それをスケールにすると字の大きさも決めやすくなっています。

 不祝儀袋といっても、御霊前とか御仏前など、いろいろな用途に使えるように短冊状な用紙を入れ替えるだけで用途別に変更することができるものがります。そのままですと短冊が斜めにずれてしまいますが、短冊の裏のフィルムを取りますと、糊がついていて、それで固定することができます。

 お金を入れて水引に袋を差し込みますと、水引のひもがぷらぷらしがちです。水引の裏にやはりフィルムがあり、糊がついていました。それで水引を固定できるのです。

 これぞ、あっぱれ「日本人の心遣い!!!」

 ところが、貼り付けたはずの短冊がずり落ちてしまいました。糊が弱すぎるのです。

 画竜点睛を欠くとは、この様なことを指すのでしょうね。

 

■ バックナンバー

 これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef

 

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◆【きょうのおすすめ】 ユーチューブで学ぶ「“真”のプロコンサルタント成功法」

2020-08-05 13:23:43 | 【話材】 話したくなる情報源

【きょうのおすすめ】 ユーチューブで学ぶ「“真”のプロコンサルタント成功法」

お節介焼き経営コンサルタント」が、経営やコンサルティングに関する情報だけではなく、日常生活に役に立つような情報、旅行や写真などの会話を潤滑にするために情報などもお届けしています。

 それらの中から、直ぐにお役に立つような、選りすぐりの情報を中心にご紹介して参ります。

 「ユーチューブで学ぶコンサルタント成功法」を映像で、経営コンサルタント40年余の経験から、わかりやすく解説しています。

 経営環境の先行きが見にくい時代です。このような時に、従来の延長線上で経営をしていては、大きな成果は望めません。
 「生兵法は怪我のもと」という諺があります。自分達だけで知恵を絞るだけでは、企業の変革に繋がるような発想にはなかなか繋がらないでしょう。
 
 このような時代に、外部ブレインを活用できる経営者の発想が求められます。
 
 この様な時代こそ、「“真”のプロコンサルタント」が求められます。
 
 “真”のプロコンサルタントをめざし、成功するためのツボを、ユーチューブで感じ取ることができます。
 
 「コンサルタントのためのコンサルタントとして、営コンサルタント歴40年余の経験から、わかりやすくお話しています。
 
 単なる「知識や情報」としてお届けするのではなく、【心 de 経営】という考え方を感じ取って頂くことが目的です。
 
 知識や情報という視点で、このビデオを見ますと、「そんなことは知っている」という感想を持たれる方が多いかと思います。
 
 私が、40年余の経営コンサルティング経験から何をうったえたいのか、それを感じ取って頂くことが、単なるプロコンサルタントになるのではなく、“真”のプロコンサルタントとして成功に繋がると信じています。
 
 
日本経営士協会を知る 
 GLCN001-01  【心 de 経営】 を実践に活かす 6分  
 GLCN010-00  日本経営士協会の理念 8分  
 GLCN010-01  日本経営士協会の行動規範「共業・共用・共育 8分  
プロコンサルタントの思考法
 GLCN010-15  “真”のプロの思考法「目的と手段 8分  
 GLCN-330-01  共通目標・共通認識・共通行動で全社一丸のベクトル合わせ 7 分  
 GLCN310-01  共用智の蓄積で企業の基礎力強化「蓄積は力なり」 7 分  
管理会計再入門
 GLCN101-15  管理会計再入門序章Ⅰ スムーズな導入と更なる活用 10分  
 
 
 

【お節介焼き情報】 バックナンバー

 

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■【経営士ブログ】2-6 日本経営士協会 企業経営経験者の入会・資格取得法

2020-08-05 09:33:20 | 【専門業】 日本経営士協会をもっと知る

【経営士ブログ】2-6 日本経営士協会 企業経営経験者の入会・資格取得法

 


 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。
 プロのコンサルタント集団であるとともに、プロのコンサルタントを育成する団体でもあります。
 経営やコンサルティングに関する情報はもちろんのこと、その他のジャンルについてもお届けします。
 経営やコンサルティングの参考にされたり、話材の一つとしてお使いくださったりしてくださると幸いです。

 

 

企業経営経験者の入会・資格取得法

 ときどき「社長をやっているけど、自分でもコンサルティングに興味があるのですが入会できますか?」というようなご質問を受けます。もちろん、入会もできますし、所定の手順を踏むことにより資格取得も可能です。

 経営士・経営士補の資格取得をするには、5つの入口があります。

 企業経営者・管理職として永年ご苦労されている方や経営企画室・戦略企画室等で経営企画や戦略立案等に携わっていた方、証券アナリストなどの経験者には、一般的な入会とは異なる入会や資格取得の門戸が開かれています。

 日本経営士協会は、経験・実力・実績を重視した審査方法を採用しています。

 永年の経験がある方々が、受験勉強を一から始めて資格取得をするのは、社会的損失と考えます。

 この方法は「特別推薦制度」と申し、審査や入会手順の方法が他の入会・昇格審査と異なります。

 原則として、当協会会員による推薦が必要ですが、必ずしも推薦者がいなくてもこの方法が適用されることもありますので、お問い合わせ下さい。

【 注 】
 特別推薦制度は、入会や資格取得をお約束するものではありません。


■ 企業経営の経験がある社長・取締役


 概ね20年以上の企業経営に携わってこられた方は、経営士・士補への特別推薦制度を利用することができます。

 原則として、経営士補への特別推薦となりますが、経験の度合い等により経営士への道が拓かれていますので、判断にお困りの場合にはご相談下さい。

  >> 入会前相談窓口
  >> 特別推薦制度利用の入会・資格取得


■ 管理職経験者


 企業の管理職の経験が長い人は、経営士・士補への特別推薦制度を利用することができます。

 原則として、大企業で課長以上の管理職経験が10年以上、中小企業ですと15年以上ですと経営士補への特別推薦が目安です。

 特定の部署で25年以上の経験がありますと、経営士への特別推薦となることもありますが、希なケースです。

 経験の度合い等により異なりますので、判断にお困りの場合にはご相談下さい。

  >> 入会前相談窓口
  >> 特別推薦制度利用の入会・資格取得


■ 経営企画室・経営戦略室・企業内コンサルタント等経験者


 企業内で経営戦略的な部署での経験が長い人は、経営士・士補への特別推薦制度を利用することができます。

 原則として、大企業の企業企画室等での経験が10年以上ですと経営士補への特別推薦が目安です。

 25年以上の経験がありますと、経営士への特別推薦となることもありますが、希なケースです。

 経験の度合い等により異なりますので、判断にお困りの場合にはご相談下さい。

  >> 入会前相談窓口
  >> 特別推薦制度利用の入会・資格取得


■ 証券アナリストや経理財務部門で企業分析等経験者


 永年証券アナリストや企業内で経営分析等を経験されている方には経営士・士補への特別推薦制度を利用することができます。

 原則として、その経験が経験が10年以上ですと経営士補への特別推薦が目安です。

 25年以上の経験がありますと、経営士への特別推薦となることもありますが、希なケースです。

 経験の度合い等により異なりますので、判断にお困りの場合にはご相談下さい。

  >> 入会前相談窓口
  >> 特別推薦制度利用の入会・資格取得

  

 経営コンサルタントの資格制度  .

 入会時の会員種の決め方  .

 入会・資格取得するには

 入会に必要な書類

 経営者・管理職等が入会・資格取得するには

 コンサルティング経験者の特例

 入会・資格取得の諸費用

 審査結果発表と承認後の手続

 入会手続き後の準備

 経営コンサルタントへの道

 



 経営者・管理職の皆様 コンサルタントの先生方
イメージ 16 日本最古の経営コンサルタント団体・日本経営士協会とは
 
イメージ 17 資格取得についてや入会の手続等
 
イメージ 18 コンサルタントへの依頼、講師捜しに関する情報
 
イメージ 19 コンサルタントとして成功するための各種情報
 
イメージ 20 経営や管理などに関する各種有益情報
 
イメージ 21 経営コンサルタントによるセミナー
 
イメージ 22 お問い合わせや入会・資格取得のお申し込み
 
イメージ 23 会員専用のID/パスワードが必要です
 
 
 

 

 

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■【話材】 話したくなってしまう情報源 ユーチューブで学ぶ「“真”のプロコンサルタント成功法」

2020-08-05 05:46:00 | 【話材】 話したくなる情報源

■【話材】 話したくなってしまう情報源 ユーチューブで学ぶ「“真”のプロコンサルタント成功法」

お節介焼き経営コンサルタント」が、経営やコンサルティングに関する情報だけではなく、日常生活に役に立つような情報、旅行や写真などの会話を潤滑にするために情報などもお届けしています。

 それらの中から、直ぐにお役に立つような、選りすぐりの情報を中心にご紹介して参ります。

 「ユーチューブで学ぶコンサルタント成功法」を映像で、経営コンサルタント40年余の経験から、わかりやすく解説しています。

 経営環境の先行きが見にくい時代です。このような時に、従来の延長線上で経営をしていては、大きな成果は望めません。
 「生兵法は怪我のもと」という諺があります。自分達だけで知恵を絞るだけでは、企業の変革に繋がるような発想にはなかなか繋がらないでしょう。
 
 このような時代に、外部ブレインを活用できる経営者の発想が求められます。
 
 この様な時代こそ、「“真”のプロコンサルタント」が求められます。
 
 “真”のプロコンサルタントをめざし、成功するためのツボを、ユーチューブで感じ取ることができます。
 
 「コンサルタントのためのコンサルタントとして、営コンサルタント歴40年余の経験から、わかりやすくお話しています。
 
 単なる「知識や情報」としてお届けするのではなく、【心 de 経営】という考え方を感じ取って頂くことが目的です。
 
 知識や情報という視点で、このビデオを見ますと、「そんなことは知っている」という感想を持たれる方が多いかと思います。
 
 私が、40年余の経営コンサルティング経験から何をうったえたいのか、それを感じ取って頂くことが、単なるプロコンサルタントになるのではなく、“真”のプロコンサルタントとして成功に繋がると信じています。
 
 
日本経営士協会を知る 
 GLCN001-01  【心 de 経営】 を実践に活かす 6分  
 GLCN010-00  日本経営士協会の理念 8分  
 GLCN010-01  日本経営士協会の行動規範「共業・共用・共育 8分  
プロコンサルタントの思考法
 GLCN010-15  “真”のプロの思考法「目的と手段 8分  
 GLCN-330-01  共通目標・共通認識・共通行動で全社一丸のベクトル合わせ 7 分  
 GLCN310-01  共用智の蓄積で企業の基礎力強化「蓄積は力なり」 7 分  
管理会計再入門
 GLCN101-15  管理会計再入門序章Ⅰ スムーズな導入と更なる活用 10分  
 
 
 

【お節介焼き情報】 バックナンバー

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■【経営知識】 管理会計03-01-4 03 管理会計活用の末広がり8項4 「4項 目的意識の持続」

2020-08-04 10:46:40 | 【経営】 管理会計を活用する

■【経営知識】 管理会計03-01-4 03 管理会計活用の末広がり8項4 「4項 目的意識の持続」

 管理会計を学んだことのある人は多いと思います。

 ところが、理屈ばかりで、今ひとつ面白みがない「学問」であると感じた人も多いでしょう。

 ビジネスパーソンは、管理会計を学問と捉えるよりも「経営実務のための経営思想」と捉えてみてはいかがでしょうか?

 ますます、わからなくなった!?

 と、お感じの方は、ぜひ、当ブログを参考にしてみて下さい。

■ 03 管理会計活用の末広がり8項

 

 前章で、管理会計を正しく理解するために経営と管理会計との関係を中心にお話してきました。

 ここでは、どのような視点で管理会計の導入に取り組んだらよいのか、その基本姿勢を8項目としてご紹介します。

■03-01 管理会計活用の末広がり8項

 管理会計を活用し切れていない企業が結構あります。

 その主たる原因は、管理会計の特質に沿った利用のポイントを押さえ切れていないことにあります。

 なぜ、その様な重要なことが理解されないかというのは、その「ポイント」が、誰でも知っている”やさしすぎる”知識だからです。

 誰でも知っているので、軽視してしまっているからです。

 そのポイントを、管理会計活用の視点から8項に絞ってご紹介します。

【 注 】 予告なく変更となることもあります

 

◆03-01-4 「4項 目的意識の持続」

 進捗管理の仕組みを持続させ、効果を管理会計を活用することで、意識改革に繋げることができます。

 目的意識を持たせるためには、PDCAスパイラルを継続することです。

「計画」は、何であったか、をPDCAスパイラルが常に目的意識喚起に繋がります。

 管理会計思想というのは、その実行策としてPDCAが重要な役割を演じます。


 管理会計の仕組みを使い、それを継続することで、結果的に社員の意識が変化してゆきます。

 お題目のように唱えるだけで意識改革をしようとしても、なかなか変化に繋がりませんが、管理会計による「設備」を使い続けることにより、意識改革はおのずと行われます。

 管理会計による設備は、目的意識を持つことからスタートし、その目的達成のための手段は何かを考え、進捗管理を通して、結果に繋げることができるのです。

 

【 注 】
 一般的な「管理」とは異なる、「正調派管理」について、詳しくは「あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム・今井信行著)」をご参照ください。

出典: あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム 今井信行著) 

【 書籍紹介 】

 

 “真”の管理会計とは何かを初心に戻って見直してみましょう

 

 管理会計は、私たちに「気付きの機会」を与えてくれる魔法の力を持っています。たとえば、需要予測をして、売上計画を立案したり、営業部門の課題抽出に使ったりなど、管理会計は現場の実務にとても役立ちます。

 一方で、「管理会計は理屈っぽい」「実務とかけ離れている」などと敬遠されがちです。その背景には、管理会計関連書の多くがアカデミックな著者による執筆だからです。経営というのは、泥臭い部分が多いので、現場で苦労している経営者・管理職や担当者の求めているものとは異なるところが多いのです。

 筆者は、40余年もの長きにわたって経営コンサルタントとして現場に密着してきました。従来の管理会計がバランススコアカードとか損益分岐点分析とかという経営手法の横割り的な目次構成でしたが、本書は、そのメリットを活かし、かつ利用者が求めている縦割り的な利用法をマトリックスに組み合わせたコンセプトで書かれています。

 また、経営コンサルタント団体として最も歴史と伝統のある「日本経営士協会」による、日本を代表する会計学の権威者が培ってきたノウハウを継承して、昨今の経営現場に即する形に管理会計を焼き直しました。その結果、従来の管理会計とは「別物」といえるほど、現場に則した管理会計書になりました。

 本書は、「営業・マーケティング編」として記述されていますが、営業職だけではなく、ICTや経営企画などの現場でも役立つ管理会計のノウハウと、自分の仕事に生かす方法を解説した「きょうか書(教科書+強化書)」です。管理会計で「なにができるのか」「どのように取り組むべきなのか」を興味のある項目から調べましょう!

 

目次

 第1章 管理会計を正しく理解する

 第2章 需要予測で売上計画を立案

 第3章 社内データを活用した顧客戦略に管理会計を活かす

 第4章 商品戦略、地域戦略に管理会計を活かす

 第5章 市場戦略に管理会計を活かす

 第6章 温かい管理に管理会計を活かす

 第7章 温かいプロセス管理ができる営業設備

 第8章 管理会計で営業力を向上させる

 定価:1,800円(+税) A5判/ページ数 359ページ

■ 著者プロフィール

 アメリカで経営学、マーケティングを学び、日本の商社で事務機器、印刷機器の輸出入業務や新製品開発と市場導入などを担当。ニューヨーク駐在所長、アメリカ法人役員などを歴任後、経営コンサルタントとして独立。パソコン揺籃期から中堅・中小企業のパソコン活用の啓蒙、ICT活用による経営戦略の指導など、国内のみならずグローバルなコンサルティング活動を展開。現在、日本のコンサルタントの地位向上、若手育成に力を注ぎ、日本経営士協会会長他、各種の要職に携わってきました。

 ソフトバンク「営業管理職のためのパソコンノウハウ」、秀和システム「ロジカル・シンキングがよ~くわかる本」「クリティカル・シンキングがよ~くわかる本(秀和システム 今井信行著)」、アメリカ・マグローヒル社「アメリカにとって今が対日進出のチャンス」など、著書や論文・寄稿・講演など多数。

 
 ←クリック

 

 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。

 経営に関する相談・診断・指導・調査・企画・教育訓練および管理について、経営者をコンサルティングし支援する人やそれを目指す人を育成しています。

 日本経営士協会は、「プロ集団+コンサルタント育成」の集団で、1951年に産声をあげ、1953年に第一号「経営士・経営士補」を誕生させ、その活動を通して社会貢献をし続けています。(http://www.jmca.or.jp)

■ 本書のご購入

 本書は、紀伊國屋書店をはじめ、その他の書店等でご購入いただけます。

  ご購入

【 注 】

 1送付先5冊以上のまとめ買いされる場合には、特別なメリットで、前払いの上ご購入いただけます。誠に勝手ながら送付先が分散して、5冊未満の送付先がある場合には、お手数でもその分につきましては書店にてご購入されるか、上記料金適用で、送料を別途追加してお申し込み下さい。(特別なメリットまとめ買い締切:2018/12/20)

 なお、お申し込みは、メールにてコンタクトをお願いします。

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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】501 経営のプロ必読書『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』

2020-08-03 16:41:05 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】501 経営のプロ必読書『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■      今日のおすすめ

 

 『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』

   (早稲田大学ビジネススクール著:日経BP社)

■      実務と理論の融合から導かれる経営のポイント(はじめに)

 書名は「入門」と付いていますが、経営者、経営企画部門或いはコンサルタントといった経営のプロの皆様に、原点に返って、ぜひ読んで頂きたい本です。

 一般の経営書のような網羅性を避け、今現在、重要と思われる経営課題を重点的に取り上げ、新たな視点からの提案を示しており、示唆的です。

 単なる知識・理論ではなく、実例から知識・理論を使って的確な結論を導き出しています。まさに実務と理論の融合から導かれる経営のポイントが示されています。

■      読んで刺激される経営のコツが随所に書かれています

【競争力の源泉は「現場力」】

 一般的には競争力の源泉を、「戦略的事業領域の選択(Strategic Positioning戦略)」と「組織能力(Organizational Capability戦略)」のいずれに求めるかというところから戦略の検討を始めるのですが、本書ではどのような戦略を採ろうが、『戦略を実現するのは「現場力(オペレーション)」』と結論付け、「現場力」の強化を説きます。「現場力」強化のためには、『経営理念・ビジョン』『戦略』『オペレーション(現場力)』のピラミッドに加え、問題を発見し解決できる、『オペレーション(現場力)』『戦略』『経営理念・ビジョン』の逆ピラミッドが同時に必要と説きます。言葉では当たり前のことのように言われますが、なかなか経営として出来ていないのが現実です。当たり前でありながら実現できていない事柄を実現させる、実践的対応理論が随所に出てくるのが、この本の素晴らしです。詳しくはこの本書をお読みください。

【社内の顧客創造パワー「インターナル・マーケティング」】

 この書では、マーケティングを、社内の顧客創造活動のインターナル・マーケティングと一般的に使われる「エクスターナル・マーケティング」とに分け、本書では専ら、「インターナル・マーケティング」力の強化に焦点を当て、強化策を説きます。ある意味では、世の多くの経営の盲点を付いているともいえます。詳しくは本書をお読みください。

【グローバルマネジメントに於けるトランス化とメタ化】

 本書で「グローバルマネジメント」の一環として「トランスナショナル化」と「メタナショナル化」の双方が必要と説きます。「トランスナショナル化」は優れたグローバル企業であれば努力して行っている事柄です。本書ではそれに加え、これからの時代は「メタナショナル化」が必要と説きます。その国の文化、習慣、宗教等といった生活の背後にあるものを学び、そこから新しい「創造的」なものを生み出していくことが必要と説きます。この事は大変重要な示唆を示しています。今の日本の企業に欠けている部分ではと思います。詳しくは本書をお読みください。

【経営者の必要十分条件】

 日産やホンダの例を上げながら、「ゴーン氏の持っていた6つの能力」「経営者として不可欠な8つの能力」「次世代の人が経営能力をつけるための4つの実践(但し一番目の「ビジネススクールでコア技術をつける」は我田引水的です。他の方法も多くありますので読み流してください。)」などが書かれています。経営のプロの皆様、将来経営のプロを目指す方々、是非目を通して経営者の必要十分条件の能力は何かを頭の中に入れるチャンスです。

■      経営に関与するプロの皆様、原点に返り見直してみませんか(むすび)

 はじめのところでも書きましたが、書名は「入門」と書いてありますが、経営者をはじめとした経営のプロフェッショナルの皆様が、自らが関与する経営のチェックリストとして使える内容が随所に出てくる、レベルの高い本です。一読されて損のないお勧めの一冊です。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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 経営コンサルタントを目指す人の60%が見るというサイトです。経営コンサルタント歴35年の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

 

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