写真説明:散歩の途中に河内長野消防署北出張所があります。この炎天下、ビルの壁を登る訓練をやっています。ご苦労様です。
メガホンをとる、とは。
映画が世に出たとき、活動写真と呼ばれていました。撮影現場で、映像のみ撮影されて、芝居のセリフや音声は収録できません。
映像のみの活動写真のことをサイレントと呼ばれていました。このサイレントという言葉は、音声のついたトーキー映画の出現に対する過渡的な言葉だったのでしょうか…。
無声映画(活動写真)時代の監督は、ディレクターチェァーにメガホンを持って座って、カメラ前の俳優さんに動きをつけている写真があります。
「悪漢から逃れるアクションをちょうだい…」
と監督はメガホンで俳優さんに叫びます。
「アレー、助けて…」
とスポークン・タイトル(字幕)が入ります。
昔は台本というのがなかったので監督さんがメガホンで活動写真の筋立てを叫んでいたのでしょう…。
やがて、活動写真も音声が加わって、トーキー映画となります。
撮影現場でも静かにしないと具合が悪くなります。
セットもサウンドステージと呼ばれて防音が施された静かなスタジオになります。
監督とメガホンは関係がなくなりますが、
メガホンをとるとは、その監督がその映画制作を引き受けるという意味になりました。
… … …
クランク・インとは、
クランク・インとは企画した映画の撮影に入ること。クランク・アップは、映画の最後のカットを撮り終わること。すなわち、映画を撮り終えることです。
ここでクランクとは、カメラが出現したとき、フィルムを送るのに、カメラマンは右手で、カメラの横についているクランクを回さなくては活動写真は写りません。
最初は、カメラが三脚の上に固定されていたが、カメラを左右(パン)、上下(チルト)に動かすようになり、カメラマンはカメラを動かすことで手一杯です。
カメラからフレキシブルジョイントで、カメラ助手が手持ちのクランクを回すようになります。
NCミッチェルの仲間のスタンダードミッチェルカメラにアダプターを取り付けて、それにフレキシブルジョイントで手回しハンドル(クランク)が付いたカメラをカメラ倉庫で見たことがあります。
クランクを回す早さは、常に一定で回さなくてはなりません。画面の速度は、サイレントで一秒間に十六コマです。
火事場のシーンで火を眺めて興奮してクランクを早く回すと、再生画面はスローになり、クランクを遅く回すと、画面はチャカチャカと早送りになります。
トーキー映画になってからは、カメラは電動モーターで駆動しますから、フィルムは二十四コマの定スピードになります。
もう、カメラにクランクはありません。
しかし、クランクを回すことは映画を写すという意味から、クランク・インと云い、クランク・アップで出来上がりということに使われるようになりました。
続く…