台湾生活-日々のともしび-

台湾と日本を行き来する日本人の目から見た、日本や台湾の日常的できごとへの個人的感想

最悪の予兆─東アジアという火薬庫─

2004-10-18 11:40:10 | パンドラの箱
 神話では、パンドラの箱には希望や予知などが残っていたということは前に書いた。従って、人間には、未来に関わる災厄は来なかった。その代わり、聖書なら「黙示録」、多くの民族にも「予言詩」というような、未来を見通そうとする書物が必ず現れている。過去に関する神話的思考が年代記だとすると、未来に関する神話的言説は「予言」という形で書かれ、そうして自分の時代を見通そうとしたのだと言える。「予言」は、現代人が思 . . . 本文を読む

「食は中国にある」のか?

2004-09-21 11:30:13 | パンドラの箱
 2004年9月8日朝のNHKニュースで、広州特集を現場中継を交えて流していた。「食は広州にあり」というのだが、確かに、そのとおりだろう。台湾のニュースを見ていると、ときどきCCTV(中華人民共和国中央電子台)のロゴが入った画像で、「食は中国にあり」の実況をよく伝えてくれる。なるほど福岡一家四人虐殺死体遺棄事件のような事件を「外国に勉強に来ている」はずの留学生が頻繁に起こす国らしい、めずらしい食べ . . . 本文を読む

東アジアの変貌(1)─神話的思考から─

2004-09-06 16:31:25 | パンドラの箱
 個人的関係を国際関係の比喩に使うのは、非学問的だと思いながら、「神話」的言説で、最近の東アジア情勢を見たい誘惑にかられる。  『ある年代記』  ある村があった。この村では、昔から数家族が隣り合って住んでいる。二つの家族は強大で、力は強いが、家の経営や管理では多くの問題を抱えている。残りの家族は、二つに比べると、小さく、それぞれ独自の才能にめぐまれてはいるが、二つの大きな家族との関係に頭を悩ませ . . . 本文を読む

パンドラの説話について

2004-09-01 11:30:09 | パンドラの箱
 パンドラはギリシア神話に出てくる有名な説話の主人公である。  彼女の出生は典型的に神話的である。人間の傲慢を怒ったゼウスが、鍛冶の神ヘパイストスに命じ、粘土を水でこねて女神に劣らぬ美しい身体を持つを作らせた。そして、これに戦いの女神アテナが美しい衣装を、美の女神アフロディテが欲望をひきおこす優美さを、商人の神ヘルメスが恥知らずな心と不実な口を与えたと言われている。肉体、衣裳、立ち居振る舞い、心と . . . 本文を読む