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<読書感想文08016>今昔物語・宇治拾遺物語

2008-08-29 23:32:42 | 
要説 今昔物語・宇治拾遺物語,日栄社,1992.


多分高校生の時に購入した古文の参考書。
他に十訓抄,沙石集,古今著聞集,古本説話集の説話も収録されているお買い得の一冊。

芥川龍之介がこれらの説話集の話に想を得て見事な作品を生み出したことに憧れて,
高校当時は今昔物語を読みたいと願っていた。
しかし古文は動詞や助動詞などの活用形をしっかり覚えたわけでもなく,この本も長いこと打ち忘れられていたのだが,最近古文に目覚め,久々に手に取り,どうにか本文だけでも読み通すことができた。
品詞分解はできないけれども,中学高校と古典を習ってきたので,文章の大体の意味は理解できる。
ページの上段に本文,下段に口語訳が載せられているので,意味が良く取れない箇所でも口語訳を見てすぐに理解できる。
よく知らない単語も重要語句の解説が本文のすぐ後に示されているので,辞書を引く手間が要らない。
古文の試験を受けるわけでもないので,細かいところまでわからなくても話の筋さえわかればよい。
そういうわけで,本文をおおよそ理解しながら読み進めるのは全く容易なことであった。

こうした説話集は笑い話や怪奇譚など,面白い話が盛りだくさんなので読んでいて非常に楽しい。
是非岩波文庫などに出ている「今昔物語」を読破したいものだが,参考書とは異なり,最低限の注釈しか載っておらず,また口語訳は当然載っていないので,読み進めるのは困難かもしれない。「今昔物語」の「本朝世俗部」だけでもよいから,この高校参考書のような詳細な注と対訳がついた書籍を強く希望するものである。

なお,「今昔物語」から題材を得た谷崎潤一郎の「芦刈」という作品があることをこの本で初めて知った。「芦刈」も是非鑑賞してみたいものだ。

他にも,同社の漢文参考書「十八史略・史記」も確か持っていたような気がするのだが,こちらも是非読みたい。
僕は古き時代の簡潔な文体による人物伝が大好きなのである。
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