タラら々日記 漢方の薬眞堂

何故か学生時代のあだ名はタラ。
薬剤師として、国際中医専門員として日々の暮らしの中での事を書いています。

2つ目の食欲不振

2022-01-27 | 最近の話題

脾胃湿熱です

 

原因は飲食の不摂生です

甘い物の食べ過ぎや揚げ物や脂身の多い肉など脂っこい物の食べ過ぎなどで胃腸の働きを悪くしてしまっておきます

またこういった食べ物は痰湿を生じやすいので化熱して湿熱になります

また湿熱の邪気によって脾胃が傷つく事もあります

例えば高温多湿の日本の梅雨から夏は湿熱の邪に気を付ける時期です

 

湿熱が中焦(横隔膜より下で臍より上)に停滞して脾胃の働きを阻害する為に食欲がなくなります

みぞおちの辺りに痞えて苦しい・気持ち悪い・吐き気がしたり吐いたり・脂っこい物が嫌になる・食べ物の臭いも嫌がるなどの症状がでます

また 湿は重くしつこい性質ですから身体や手足が重怠くなどの全身症状も伴う事もあります

また便が軟便や泥状便ですっきり出ないなどの症状もあります

 

治療方法は湿熱を除く事が中心です

漢方薬を服用しながら食の改善も必要です


1つ目の食欲不振

2022-01-26 | 最近の話題

ストレスで気分が落ち込んで食べたくない     

気持ちが弱ってて食べれない

など精神面が関係して胃の働きが悪くなって食欲不振が起きる事を肝気犯胃とか肝胃不和などと言います

げっぷやしゃっくりなど胃気上逆の症状や胸や両脇の張る感じがでたりします

また落ち込み・イライラ・怒りっぽくなるなど精神面がともなったり、嫌な事があると症状が強まったりします

 

気の流れは肝の疏泄機能と関係しています

ストレスなどで疏泄機能が失調すると精神の抑うつやイライラなどの症状や気が停滞する事により張るとか張って痛むなどの症状がでます

『胃は腐熟を主る』『胃は降濁を主る』といい胃のエネルギー的な動きは摂り込んだ食物をこなす事とこなした食物を下に送る方向に向かっています

その流れもうまくいかなくなり胃気は上逆してげっぷやしゃっくり 気持ち悪いなどの症状がでます

治す方法はまず第一に肝の疏泄機能を整え気滞を巡らし・脾胃をバックアップする必要があります

逍遥散のような疏肝・養血・健脾の方剤に理気薬をプラスしたり、症状にあわせて加えていきます


食欲がない(食欲不振)

2022-01-19 | 最近の話題

食欲がないといっても原因は色々です

疲れ過ぎで食べたくない

いやな出来事があったので食べたくない

食べ過ぎてもたれて食べたくない

胃やお腹が痛くて食べたくない

頭痛が酷い・熱が高いなど身体の不調で食べたくない

身体が弱っていて食べれない

また

食欲があるわけでないけど食事の時間だから食べるし食べれる人

食べるけどあまり入っていかない人

その後もたれる人ともたれない人

食欲はあるけど食べてみると食べれない人

食欲一つとっても人によって原因も状況も違います

もちろん漢方の弁証論治(病因病機を考えて症状を分析して治し方を決めるやり方)は違います

だから使う漢方薬も違います

もちろん食欲不振以外の症状もあると思いますが食欲がないという1つの事柄だけでも色々考えられるという事です

中医症状鑑別診断学では7つに分類しています

人の身体は複雑ですね


食欲は大事です

2022-01-10 | 最近の話題

食欲に困っている人も多いと思いますが、実はとても重要なものです

私達の気血は食物から作られる部分が大きいからです

ですから中医学では(脾は気血生化の源)と言います

つまり脾胃の働きによって気血が作られるという事です

病気や老化など身体が弱りきってしまった時『胃気があれば則ち生きる』といいます

胃気は胃のエネルギですーから食欲と関係が深いです

言い方をかえれば食欲は生きる力・食欲は生命力といえます

 

気血は身体を構成する基礎をなす物質です

だから免疫力といわれるものも気血の充実があってこそです

 

この気血が不足した時に病邪が入り込みます

食欲がないは病気の入り口かもしれません

何故食欲がないのか?

五臓六腑は大丈夫か?

考えて対処しましょう


未病

2020-10-12 | 最近の話題
もう10年以上前お客様にこの本を頂きました

神奈川県の黒岩知事が末期がんのお父様の事をかかれたものです

店頭でこのちらしをお持ちになってご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが日本中医薬研究会の中医薬の記念シンポジウムに先立ち黒岩知事の講演がありました
父親の末期がんの際に中医学の先生に未病など中医学の病気の見方、考え方を聞きにそれでやってみようと家に連れて帰ったこと
毎日長芋を蒸して食べること
食べるときはなんとか起こして食卓でたべるようにする事などなど
先生に言われたことを実践するうち初めは一口やっとだったのがどんどん食欲がでてきた事など話されました
感染症は健康と病気の境がはっきりしているが他の病気は境がはっきりせずグラデーションになっている
そこが未病と感じているとのお話でした
そこが漢方が一番使ってほしいところだと思います

入間川の花

2020-09-28 | 最近の話題

入間川沿いに彼岸花が咲いていました
古くは彼岸花の鱗茎の部分をむくみや乳腺炎の湿布につかったそうです


日本料理のこころ

2020-01-21 | 最近の話題

今朝のあさイチは和洋中の3人のシェフによる豆腐を使った料理でした

日本料理の篠原シェフは『ひろうずのお椀』でした

すり鉢でしっかりすり混ぜた豆腐に銀杏・ゆり根・鯛のおさしみ・きくらげなど混ぜて丸くして揚げました

秋から冬は揚げ色がしっかりつくまで揚げると温かみのある感じになり、春から夏は薄めに色がつく程度に揚げるとさわやかな感じになる

日本料理はそういう決まり事が沢山あります

ホーホー

濃く黒っぽいは冬・腎・沈など陰を想像し、薄く爽やかな色は春・軽い・浮上など陽を想像させます

日本料理は四季があって、自然に呼応ている

とっても素敵・・・などと考えていました

 


蠟梅

2020-01-08 | 最近の話題

新年あけましておめでとうございます

ブログを怠けていたらもう宝登山に行ってから1年ちかく経ってしまいました

蠟梅は漢方にも使われています

有名な水虫の薬の華陀膏に蠟梅油がはいっています

中薬の本には腊梅花(さいばいか)ロウバイ科ロウバイとなっていて日本の蠟梅と同じもののようです

蠟梅油は腊梅花を落花生油かごま油に2週間浸け込んだ油となっています

中医学的には涼血清熱解毒・理気活血生肌ということで紅くはれた皮膚炎によさそうな感じです

華陀膏は抗真菌薬が使われているわけではありませんが、サリチル酸が角質を軟化するのと香料としての蠟梅油がタッグを組んでいる漢方の塗り薬でファンが沢山います

耐性菌の心配のない華陀膏をお試しください


宝登山の臘梅

2019-02-04 | 最近の話題

昨日は豆まきしましたか?

今日は立春です。

冬至に陰陽転化して陽が生まれます。

陰陽図を見るとその時点ではほとんどが陰で陽は点の状態です。

それが厚みを増してきて実際に陽気がでてくる時期・春になるわけです。

寒さは厳しいですが、日差しに春を感じる事ができます。

春は五行の木の季節で、五行では肝が同じグループです。

 

昨日は宝登山に登って蠟梅を見てきました。

 

 

まだ3~5部咲きくらいで、連休の頃が見ごろかも・・・

 

 

ロープウェイもあります。

肝木はのびのびが好きな臓です。

寒い日もまだまだありますが、時々の温かさを楽しむと肝を補う事になります。


板藍根

2018-10-19 | 最近の話題

ホソバタイセイ  小平薬用植物園

板藍根はホソバタイセイの根です。

 

 今から20年くらい前に板藍根を使った食品の板藍茶が発売されました。

日本では板藍根はあまり馴染みがありませんでした。

1999年、インフルエンザが大流行で中医臨床に『インフルエンザ治療で大健闘する北京中医病院』~東直門病院に1ヶ月で患者15万人が押しかける~という副題のついた記事が出ていました。

そこに書かれた防感合剤の処方中に板藍根が入れてありました。

その号に鍼灸の先生の投稿があって板藍根の事が書いてあります。

インフルエンザが猛威をふるっていた時期に北京に勉強に行っていたが、友人の中医師のアドバイスで板藍根でうがいし、板藍根を飲み続けて感染せずに済みそうだ—―ーと書いてありました。

 

秋は肺の季節です。板藍茶や板藍のど飴を活用してください。