荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

白洲次郎の巻。

2015年11月15日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を




『虚像で構成されて世に与えられている歴史に対して、実像を組み立てるのが歴史家である』和歌森太郎(ニッポンの歴史学者・1915~1977)

歴史上の人物を尊敬するってぇのは、若いヤツなら微笑ましい。

聖徳太子・織田信長・坂本龍馬・リンカーン・エジソン・ジョブズ…。

ところが、いい歳ブっこいたオトナが『伊達政宗を尊敬してるんだ』なんて言ってんのを見ますと、かなりイタい。

とは言え、好きな歴史上の人物がいるってのは、それなりに人生を豊かにしてくれるのも確かです。

いっとき白洲次郎が好きでした。

彼は文章を残していないので、いろんなヒトが勝手に書いた、いわゆる【白洲次郎本】ばかり読んでおります。

全部で4~5冊は読んだかな。

先日もムックを買っちゃいましたし。


しかしながら様々な白洲次郎本を読むにつれ、ある違和感がムックムクと大きくなって来たのです。

それを代弁してくれたのが、僕の敬愛する芸人・ビートたけしでした。

確か【SAPIO】と言う雑誌でしたが、ビートたけしが古今東西の有名人を評するって企画にて。

小泉純一郎やイチロー、田中角栄、黒澤明なんぞは、かなりの文字を使って評しておりました。

果たして、白洲次郎の名前も。

しかし、彼に対するコメントはたった一行。

『ただの金持ちだろ』

そう。そうなんだよ。オレが持った違和感は。

白洲次郎は金持ちで無ければ、ああいった人生は決して送る事は出来なかった…。

そう思うと急速に白洲次郎への憧憬は無くなりました。

2009年、NHKで放映された『ドラマスペシャル・白洲次郎』も嫌悪のトリガーに。

なぜかってぇと、僕は伊勢谷友介が大嫌いだから。






まぁ、白洲次郎が何かを語っていたわけでも無いから、好きだの嫌いだのガタガタ言われるのは彼としても迷惑千万なお話ではありますな。

周りが勝手に彼を神輿に担いじゃったって感もかなり強い。

良くも悪くもマスゴミが創り上げた人物、と認識するのがオトナってもんでしょう。

実際は優位な立場を利用し、徴兵を逃れた卑怯者でもあったわけですから。

『マッカーサーを怒鳴りつけた』などという与太を信じている様なバカにゃ分からねぇとは思いますけど。

『ある日白洲さんが家に見えて、“辰巳さん、俺、招集されちゃったよ”と言われるんです。(中略)白洲さんの時は早速に招集主任に連絡を取りました。白洲次郎という人を説明し、そんな人を招集するなんてけしからんじゃないかと言いました。それで召集取り消しになったんです』辰巳栄一(ニッポンの陸軍軍人・1895~1988)


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