ざっくばらんなさんぽみち

お茶農家としての生活、プライベート、趣味(?)のバイクやカメラをおりまぜた、とってもざっくばらんなブログであります。

紅茶の作り方(keemon流)

2009年06月10日 22時23分39秒 | 紅茶作り
僕が、紅茶を作り始めて1年が経ちました。そんな中で感じたのは、単純な機械を使って作る紅茶は“ハンドメイド”=“手作り”なイメージです。“緑茶の製造”=“神経質な職人の仕事”の印象ですが・・・紅茶は、“ホームメイド”でも美味しく出来そうです。
同じツバキ科の植物が、色や味を変え、世界中のあちこちで飲まれる不思議が感じられそうです。

あくまで、僕、keemon流ではありますが簡単に、紅茶の作り方を説明します。僕は、機械を使って作りますが、手作業での製造も考えてみました。

〈紅茶の作り方〉(keemon流)
1:摘採(てきさい)→2:萎凋(いちょう)→3:揉捻(じゅうねん)→4:発酵(はっこう)→5:乾燥(かんそう) 


1:摘採(てきさい)
茶の木から、茶の芽を摘みましょう。柔らかすぎず、硬すぎず、適度に成熟した芽を摘みとる。

2:萎凋(いちょう)
茶葉を萎れさせる工程。摘みとった茶葉をハンモックのような萎凋棚を用いて薄く広げて、半日~20時間ほど、ときおり掻き混ぜながら、生葉の水分を60パーセント位まで減らすという工程です。目安は、葉が萎れて艶がなくなり、茎に細い筋が入り、葉を手で握って手を開いても反発しなくなるくらい。この工程は時間が掛かる為、揉む前日、摘みとりと萎凋を始めます。基本は、25℃前後の室温の中、日陰干しの状況が好ましいようです。僕は、緑茶製造に使う生葉コンテナを使います。

※手作りの場合は、広い室内に広げたゴザの上や、梅干ざるの上に薄く広げて行うと良いと思います。


3:揉捻(じゅうねん)
葉の表面の酸化酵素とポリフェノール成分(カテキン類)を細胞を揉み潰すことで接触させて酸化発酵を起こす工程になります。

緑茶製造の揉捻機を使うことで出来ます。圧力をだんだんに増やし、ときおり圧力をはずし、玉を解きます。

※手での製造の場合は、芽の具合にもよりますが、手のをすり合わせで撚り込むように揉む、体重をかけゴザや洗濯板のようなものの上で揉んでください。
葉にもよりますが、機械でも手でも40分くらいかけて行います。青臭い香りがし始め、だんだんと強烈な芳香がしてきます。とにかく細胞を潰すイメージで行い、やりすぎて形状が粉っぽくならないよう気をつけてください。
注】萎凋が充分でないと、葉の汁が出てくることがあります。

4:発酵(はっこう)
25℃~30℃で湿度も高い環境で酸化発酵させます。むわっとするところにおいておくと発酵するので、これから暑い季節は、常温でも発酵が起こります。
涼しい季節は、暖房や加湿器で工夫しながら行うのも良いと思います。

2時間くらい発酵させ、十円玉のような色になったら乾燥工程に移ります。

余談ですが・・・僕は、そろそろ簡単に自作で発酵させる棚を作ろうかと思っています(笑)。

5:乾燥(かんそう) 
乾燥の工程では、100℃前後の熱風や鍋肌で行います。あせらず、ゆっくりと乾かしながら、気長な作業になります。ここで、しっかりと乾燥させ、熱を入れないとないと発酵が止まらず、出来上がった紅茶の味が抜けてしまいます。

僕は、製茶機械の透気式乾燥機というものを使っています。

手でやる場合は、油っけのない、フライパンやホットプレート(温度は保温)、鍋などで、気長に弱火乾燥させれば出来ます。ヘラや軍手などを用いて、やけどに気をつけてください。焦がさないように、パリパリと乾燥したら出来上がりです


手で作ると、体を使いますし、感想では熱源も近いので、汗も出ます。とっても疲れます。時々、休憩してながら、水分補給をしてください。


〈あまりの話〉
●紅茶作りに向くのは、渋い葉っぱ。必ずしも、紅茶品種だけが向くわけでなく、
緑茶品種でも良いと思います。

●春の1番茶より、暑い季節のお茶の芽のほうが紅茶に向きます。同じ品種でも、春の芽と夏の芽で揉むと違いが出ると思います。

●僕の場合、紅茶は、よく乾燥させ、緑茶の工場で使う大海というクラフト紙の中にビニールが張られているものに入れて常温の中に置いています。空気と触れることで熟成してきます。緑茶の場合、赤くなって美味しくなくなってしまいます。
手作りの場合でも、紅茶なら、緑茶のような密閉性のある袋&不活性ガスを入れて密閉保存する必要がないのです。茶筒にいれて置くことでOKだと思います。

●日本で作る紅茶は、日本人や日本の水に合った優しい紅茶ができると思います・・・外国産の紅茶と同じもの=美味しい、ではなく手作りを楽しんでみてください。

●僕は、毎日飲める紅茶を意識して作っています・・・ですが、冒険をして、柔らかい芽を紅茶にして、発酵が不十分な状態で、緑色が残る紅茶を作ってみたい今日この頃です。

●緑茶品種の中でも“ヤブキタ”という品種は、全国に植えられた茶の木の90パーセントを占めるほど、緑茶品種として優秀な品種です。よく、この品種は紅茶にすると、青臭みが残るといわれます。確かに、作りたては、青臭みがありました。ですが、作ってから1年ほど経つと、味や香りが弱いものの、嫌味のない優しい紅茶になったと思います。

●作りたてから、熟成して味や香りが変わります。大切に、ゆっくりと飲みながら、味や香りの変化を楽しむのも面白いです。

●乾燥後の紅茶を、園芸用のフルイ網などで形状を分けたり、フルイ網の上に残った茶葉をフルイ網に押し付けゴシゴシと刻むと形状が揃い、見栄えが良くなります。


うーん・・・自分で読んで、文もわかりにくいし、写真もなくてわかり難いなあと思うんですが、すみません。
こういうことを通して、僕は、まだまだ未熟なことを痛感した次第です。
僕は、教える立場にはなれないでしょうが・・・いつかは紅茶作りを皆さんに体験してもらえるようなことをしたいkeemonでした。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
紅茶作り (姥桜)
2012-05-01 16:49:31
我が家ではミカン畑に自生しているお茶を毎年手作りしています。3年前紅茶を作ってみたいと思い今試行錯誤中です。こちらの紅茶作りとても参考になりました。夏の芽のほうがむいているとのこと、今年試してみます
紅茶づくりは楽しいですね! (keemon)
2012-05-02 07:29:38
はじめまして。コメントありがとうございます。紅茶の記事が参考になったら幸いです。
こんな芽が・・・美味しいお茶に・・・っていうところが紅茶は面白いです。上手く作ると、何年も茶筒等で持ちますし。ぜひ、試してください。
Unknown (Unknown)
2013-06-01 13:51:21
丁寧な説明、ありがたいです。
先日、友達のお宅で(友達のところも私のところも茶所です)手作り紅茶をごちそうになり、紅茶って自分で作れるんだ!!と、えらく感動して私も2回ほど作ってみました。
今日は茶っぱも乾いているので今回は在来で作ってみようと楽しみにしていたら、回りの茶畑で消毒をしていました。ガッカリして別の場所でいつもと同じヤブキタを摘みました。今、茎を取り除いてイチョウし始めたところです。揉むのが一番大変で、洗濯板を使いますが手のひらが真っ赤になり痛いのですが、でもお裾分けしてあげた友達がスゴく喜んでくれ素敵なカップに入れてくれた写真を見せてくれたのでまたまた張り切って作ろうとおもいます。
ありがとうございました♪
手作りが1番ですね! (keemon)
2013-06-04 06:24:56
このブログが参考になれば幸いです^_^
ヤブキタの紅茶できましたか?
緑茶を手で揉むのは時間も技術も要りますが、紅茶はなんとなく手軽にできますね。
手作りっていうのが1番いいですね!手を傷めた分だけ、きっとお友達も喜んでくれるはずですね^^
お優しいキーモンさんに感激 (山裾に咲く小さなスミレ)
2013-06-04 15:20:27
お優しいお声かけありがとうございます♪
あれからプロフィールなど見させていただきました。何やらお近くのようでビックリ!!
私大井川沿いの桜で有名な所に住んでおります。長男はオートバイ好きで次男はお茶が大好き♪長女も次女もおりますが…(*^.^*)
紅茶作りはほんとにワクワクしますね♪
叔母に少しだけ送ったら「緑茶ばかり飲んでいるから紅茶の味はよくわからないけど昔台湾に旅行した時に飲んだ最高級の高山茶と言うウーロン茶の味を思い出した」と感想を貰いました。ウーロン茶じゃないんだけどな~とか思いつつ、でも最高級の誉め言葉として頂いちゃいました。
でも萎凋が大事だとかおっしゃってる方もいましたがどうもそれがムラがあるようで…出来上がりの葉っぱが小さくならなくておっきな葉っぱがあったりとまだまだ研究の余地があります。でも秋まで楽しんで手揉み紅茶を作りたいと思います。時々質問させていただくかもしれませんのでよろしくm(__)m
山裾に咲く小さなスミレさんへ (keemon)
2013-06-05 07:57:28
そうなんです僕は牧之原なんですよ。大井川沿いの桜で有名なところ・・・トンネルとかあるところでは?
お子さんが多いんですね・・・僕も4人兄弟なんですが、賑やかそうですね!
紅茶の味ってなんなのかよくわからなくなります。僕の場合もともと、ティーパックがそれだったんですけど^^;
ウーロン茶と紅茶の中間といわれるお茶もありますし・・・ほんと、試行錯誤が楽しいです。手揉みの緑茶で作るとしたら初摘みの新芽でとなりますが、紅茶はそれに限りませんから春から秋にチャレンジできますね!
僕も研究中です(笑)頑張っていきましょう!
ピンポーン!(^^)! (山裾に咲く小さなスミレ)
2013-06-05 09:08:29
正解で~す♪
居間からは大井川と土手の桜、茶畑、天王山、野守の池などが見渡せる絶好のロケーションです(^o^)v
でも、何処の茶畑も同じなのかな…今、お茶農家の方々…深刈りって言うのかしら…かなり深く刈り込まれ遠くから見ると茶の木が茶色くなってますね。自然の緑が好きな私からするとちょっとつまんないです。それからこの時期にお茶を摘んでる人ってあんまり居ないじゃないですか!!何してんだろう!?って見られてるだろうなあって…
2回3回と挑戦しても段々美味しいのが出来るわけでもなく、ビギナーズラックってやつだったのかな~と少し時間をおいてみようと思っているところです。
子供は4人ですが、3人は成人しているのでフルメンバーになるのは大学生の次男が帰って来ているときだけですね~
わあわあ言ってた頃が懐かしいです。
紅茶作りについて質問ですが、出来上がりの葉っぱが大きいのですが、揉み方が足りないからですか?
手揉みだからそれは仕方ないのかな!?手作り感があって良いのかな!?
キーモンさんの説明にあった「園芸用フルイ」を使ってのやり方がイマイチ分からなくて…
いいとこですね! (keemon)
2013-06-06 07:03:13
川根いいとこですね!高いところにお住まいなんですね?温泉なんかもいいですね^^
深刈りや中切りという作業ですね・・・本当にマルハゲになり見るのもつまらないですし、やるのもしんどい・・・当方、周りが2番茶の収穫が始まっているんですが、僕は中切りをしています(汗)でも、勢いのある新芽を期待するには必要な作業なんですよね。
紅茶の製造ですが、僕の場合、手で摘みれる葉を使いますので、それなりにミルく、柔らかい芽になります。機械ですと、硬い葉でも揉み潰してしまいますが、人間の手ではなかなかそこまで出来ません。しっかりと細胞をムラなくいじめるイメージでやりましょう。少しミルい芽を使った方が良いかもしれませんね。
どうしても形状が大きい場合、パリパリに乾いた葉を、目の大きい園芸用の土フルイを使い、ふるってください。フルイの上に残った大きな部分をフルイの網に押し付けて切り刻んでください。
紅茶づくりは、楽しんでやるのが一番です。飽きてしまうとあれなので、時間を空けてみるのもいいと思います。
また、僕も手揉みの紅茶づくりをすることがありましたらブログに載せますね。
なるほど… (山裾に咲く小さなスミレ)
2013-06-06 15:46:59
う~ん…
園芸用フルイか~
安ければ買ってみます!!
わたしの場合、摘む葉の大きさから問題がありそうです。一芯二葉くらいまでですよね、この時期の茶葉だと…
三葉だと7、8センチくらいの大きさになってしまいますよねぇ
萎凋もじゅうねん(漢字がまだ覚えられません、ようやく萎凋は覚えました)難しいですね~
しばらく間を置いて在来の茶葉に掛かってしまったかもしれない消毒液が消えた頃また摘んでみようかな
キーモンさんの紅茶を飲んでみたくなりました。そのうち注文させていただきますね(^_^)
気長にいきましょう (keemon)
2013-06-07 01:02:53
ミル芽で一芯二葉くらいの芽でチャレンジしてみてください^_^
飽きずにやると信じられないようなお茶が出来るかもしれませんよ♪お茶は奥が深いですね。
僕の販売用の紅茶は機械で揉んだものですが・・・また、よろしかったら是非^_^

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