ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

To The Outside Of Everything : A Story Of UK Post Punk 1977-1981 / Various Artists

2018年05月23日 | パンク・ニューウェーヴ

 

To The Outside Of Everything : A Story Of UK Post Punk 1977-1981 / Various Artists (2017)

昨年発売されブックマークしておいたUK・ポスト・パンクのコンピレーション盤5枚組セット。すぐには買わず、そのうち手に入ればとカートに入れそのままにしていた。ある日amazonのカートを覗くとこのボックス・セットの価格が急落。値段を見ると…なんと¥598! 目を疑ったが、送料を入れても野口英世1枚(!)と、迷う理由が無くあわててポチッとした。その後すぐに価格が元の6,000円弱に跳ね上がったので金額の設定ミスか何かだろうか。こんなことがあるんだねェ。下世話だが1枚当たり200円の叩き売り価格。めでたい。

値段で興奮してしまったが内容もスゴイのひと言。副題通りイギリスのポスト・パンクの合計111曲。PIL(Public Image Ltd.)やザ・フォール(The Fall)、ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)、ギャング・オブ・フォー(Gang Of Four)、キリング・ジョーク(Killing Joke)などの有名どころから、初めて名前を聞くマイナーなアーティストまでてんこ盛り。自分は若かりし頃にこの辺りのアーティストをよく聴いた方だと思っていたが、数えてみたら自分の全く聴いたことが無いアーティストが約6割もあった。冊子タイプになっていて、写真入りの詳細なライナーノーツがあり、CDはページの間に収納するようになっている(←ちょっと鬱陶しい)。発売は自身もポスト・パンクのアーティストを扱ってきたインディーズ・レーベルのCherry Red Recordsから。

さすがにこのヴォリュームと音楽性から、長時間通して聴くことは出来ないが(疲れるので…)、レコードを持っておらず名前だけしか知らないアーティストの曲が次々と聴けるのは嬉しい。まだまだパンク然とした曲から、完全に自分達だけの世界を作り出してしまっている個性あふれる曲まで様々。選曲もヒット曲はあえて外してあるような感じで(そもそもこれらのアーティストにヒット曲があるかどうかは別として)、”ポスト・パンク”のイメージ通りのアバンギャルドな面を感じさせる曲が多い。さすが本国の編集といったところ。日本編集だと識者でもこうはいかない。日本盤が出ているのかどうかは知らないのだがびっしりと書かれたライナーノーツがすんなりと読めないのだけが残念。

<Disc 1>

01 Young Savage - Ultravox!
02 Shot By Both Sides - Magazine
03 I Am the Fly - Wire
04 East Sheen - 'O' Level
05 United - Throbbing Gristle
06 T.V.O.D. - The Normal
07 Puppet Life - Punishment of Luxury
08 Bombers - Tubeway Army
09 Repetition - The Fall
10 Private Plane - Thomas Leer
11 China's Eternal - The Tights
12 Wax Dolls - Fischer-Z
13 Skank Bloc Bologna - Scritti Politti
14 Damaged Goods (LP Version) - Gang of Four
15 Summertime Blues - The Flying Lizards
16 Suicide a Go Go - Big in Japan
17 Steady Eddie Steady - Fashion
18 Hearts in Exile -The Homosexuals
19 This Is Your Life - Glaxo Babies
20 Sleeping Gas (Zoo 7" Version) - The Teardrop Explodes
21 Needles and Pills - The Passions
22 Fairytale in the Supermarket - The Raincoats

<Disc2>

01 The Dignity of Labour Pt. 1 - Human League
02 Lost in Room - Alternative T.V
03 The Pictures on My Wall - Echo and The Bunnymen
04 Death Disco - Pil
05 Eine Symphonie Des Grauens - The Monochrome Set
06 Courts or Wars - Second Layer
07 Ideologically Unsound - Poison Girls
08 Typical Girls - The Slits
09 Soldier Soldier - Spizzenergi
10 You - Au Pairs
11 Transmission - Joy Division
12 Back to Nature -Fad Gadget
13 16 Hours - The Passage
14 We Are All Prostitutes - The Pop Group
15 Spirit of Youth - The Last Gang
16 This Week - The Adicts
17 Turn to Red - Killing Joke
18 Second Still - Modern Eon
19 We Love You - The Psychedelic Furs
20 White Mice - Mo-Dettes
21 Emile Zola - The Deep Freeze Mice
22 From The Cradle to The Grave - Crispy Ambulance
23 Sketch for Summer - The Durutti Column

<Disc 3>

01 Let's Build a Car - Swell Maps
02 Warm - Family Fodder
03 Cartrouble - Adam and The Ants
04 Brigade - Clock Dva
05 Warm Girls -Girls at Our Best!
06 Ice Age - The Membranes
07 Boots for Dancing - Boots for Dancing
08 Lullaby Cheat - Ludus
09 Swans on Glass - Modern English
10 Squares and Triangles - Thompson Twins
11 Mary Millington - The Disco Zombies
12 Fire - Occult Chemistry
13 Final Achievement -In Camera
14 Girls Don't Count - Section 25
15 Hard Objects - Art Objects
16 Radio Drill Time - Josef K
17 Controversial Subject - The The
18 My Mother Was a Friend of An Enemy of The People - Blurt
19 The Affectionate Punch - The Associates
20 There Goes Concorde Again - and The Native Hipsters

<Disc 4>

01 The Friend Catcher - The Birthday Party
02 Precinct - The Cravats
03 It's So Difficult - Dislocation Dance
04 Do Different Dances - SPÖÖN Fazer
05 B. - Colin Newman
06 Disney Boys - Blue Orchids
07 Cabbage - Mass
08 Get Up and Use Me - Fire Engines
09 Anonymity - Dance Chapter
10 Overspreading Art Genius - Blancmange
11 We Are All Animals - The Diagram Bros
12 A Still Reflex - Repetition
13 Ceremony - New Order
14 Hungry, So Angry - Medium Medium
15 50 Years of Comparative Wealth - Steve Diggle
16 Another Reason - Five or Six
17 Clock - the Danse Society
18 Sometimes I Wish - The Laughing Apple
19 Raindance - The Past Seven Days
20 Invisibility - Eyeless in Gaza
21 Idiot Strength - The Nightingales
22 Nothing - My Captains

<Disc 5>

01 Rebel Without a Brain - Theatre of Hate
02 I Am the Bishop - Notsensibles
03 Central Proposition - New Asia
04 Life in Reverse - Marine
05 Watching the Hydroplanes - Tunnel Vision
06 Fading - Jah Wobble
07 Snakes and Ladders - TV21
08 Happy Feeling - The Sinatra's
09 Tribes - Soul
10 Storage Case - The Drowning Craze
11 Imagination - Sad Lovers and Giants
12 Hu - Dif Juz
13 Animals - Spider King
14 Vegas - Nico
15 I Don't Want to Live with Monkeys - The Higsons
16 I'd Like to Shoot You Down - Apb
17 Nothing - René Halkett David Jay
18 Stretch (7" Version) - Maximum Joy
19 Afterwards - Artery
20 Last Words (7" Version) - 23 Skidoo
21 Everybody Thinks Everybody Else Is Dead Bad - The Skodas
22 Heart Disease - Biting Tongues
23 4 Countries - The Reflections
24 Radio Prague - This Heat

amazonにて購入(¥998)

  • CD (2017/12/8)
  • Disc : 5
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label : Cherry Red
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旅人の木 @岐阜県岐阜市

2018年05月22日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市の柳ヶ瀬商店街に近い金ピカの鳥居で有名な「金神社(こがね神社)」。脇にある建物(金神社会館)の地下に新しく出来たカフェ「旅人の木」へ。以前は麺類食堂だった場所。とても洒落た外観になった。オッサン1人では心許無いが、恐る恐る地下へ。予想通りコンクリート壁や梁、ブロックが見えっ放しの洒落た内装。カウンター席と、壁際にテーブル席が並んでいた。空間が広く取ってあるので席数は少ない。もちろんこんな店なので客は女性同士の客とカップル客がほとんど。カウンターに空きがあったので座らせてもらったが、自分のあとにも度々女性客が入ってきていた。店員は男性1人女性1人(ご夫婦?)。自家焙煎だというコーヒーはいくつかの産地の豆も用意されていたが、たぶん基本のブレンドだろう「こがねブレンド」と「ぷちプリン」を注文してみた。

1杯づつ丁寧に淹れていく主人の所作を観察。コーヒー1杯でも(だからこそ?)スペシャリティー・コーヒーの淹れ方は千差万別でそれぞれ個性が出るので面白い。いつ頃からか全国的にスペシャリティー・コーヒーを扱う店が百花繚乱。雑誌等での特集も多く、日本人ってこんなにコーヒーに拘っていたかと驚くような状況だ。ここの主人は計量した豆を「富士珈機」(たぶん)のミルを使って挽き、ペーパードリップで淹れる。蒸らしの工程で蓋をする丁寧さ。細く長く湯を注ぎ足していき、完成。マグカップと言って差し支えない多めの量のカップにクッキーを付けてサーヴされた。「体に優しいすっきりとした味わい」が信条なのだとか。

「こがねブレンド」は酸味がほどほどにあって好きな味わい。色濃いめだがすっきりとしていてバランスも取れている。個性が出まくっている一杯で冒険したい気がないこともないが、まとまりのあるブレンドで安心。「ぷちプリン」は甘さ控えめなプリンに苦味もある濃いカラメルソースがかかっている。人気があるようで自分の後に注文した人はすでに売り切れていた(スマヌ)。最近こういう大人味の手作りプリンでコーヒーを飲むのが好きだ(←オッサンのどうでもいい情報)。豆も通販で扱っているようだけれど、店でも買えるのかな。(勘定は¥600)

 

 


 

 


 

cafe 旅人の木

岐阜県岐阜市金町5-3-4 金神社会館 B1F

 

( 岐阜 ぎふ こがね神社 たびびとのき カフェ 喫茶 珈琲 コーヒー ケーキ 自家焙煎 スペシャルティーコーヒー コーヒー豆 )

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満月 (2) @岐阜県瑞浪市 (※閉店)

2018年05月22日 | 岐阜県(東濃)

東濃地方に点在するカツ丼の”亜種”を探しに行った前回訪問時に、気になるメニューを発見していた岐阜県瑞浪市の「満月」に早くも再訪。気になるメニューとはあの「ミヤビヤ」。カウンターの上に掛けられた小さな木札の品書きに「ミヤベヤ・ポーク炒め・満月焼き」の文字があった。「ミヤビヤ(一部での呼称は”ミヤベヤ”)」とは名古屋の「勝利亭」、武豊町の「享楽亭」、岐阜市の「あじろ亭」、三重県津市の「中津軒」など、100年を超す歴史を持つ限られた東海地方の洋食屋に残るメニュー。なぜか他には広まっておらず、新しい店で採用されることもほとんどない不思議なメニューだ。店は遠いがそれを見つけたからには食べてみなくては気が収まらない(笑)。

バイクで到着し店に入るとこの日は大勢の客で賑わっていて残念ながらカウンター席には座れず、小上りの席に。こちらはいわゆるメニューは置いてなく、壁に貼り出した品書きとラミネートされたランチメニューがあるのみ。お茶を運んできてくれた女将さんに「ミヤベヤ下さい。」と言うと「とんチャップ?」と訊き返される。カウンター上に”ミヤベヤ”とあったが…と尋ねると壁に貼り出した品書きの「とんチャップ」というのがそのミヤベヤに当たるようだ…。若干頭の中が「?」となりつつもそれを単品でお願いする。女将さんは厨房の主人には「ミヤベヤ」と注文を通していた…。

しばらくして「ミヤベヤ(とんチャップ)」が運ばれる。浅い平皿を使う他の老舗と違ってやや深めの楕円の皿に盛られた「ミヤベヤ」は、厚めのロース肉を切って玉ねぎと炒めて玉子が落としてある。ケチャップ的な味付けで玉子はほぼ生卵なので、ポークチャップの生卵落としといった感じ。オーブンで調理した形跡はないのでフライパンで炒めただけだろうか。肉は軟らかく旨いが、イメージしていた「ミヤベヤ」とは違ってもっとシンプルにした感じ。どうしてこうなって「ミヤベヤ」とひっそり名付けていたのか興味深い。名前からいくと岐阜市の「あじろ亭」と同じなのだが…(他は”ミヤビヤ”と呼ぶ)。ただこの日の厨房はかなり忙しそうで尋ねることは出来なかった。

定食にはしなかったのでもちろんこれではお腹は満たされない。(なかなかこちらまで来られないので)最初から2品頼もうと思っていたもう1品は「ボルガライス」。これまた福井県武生市(現・越前市)の洋食屋などに見られたオムライス+トンカツ+デミソースという特殊なメニュー(発祥諸説あり)。それが何故ここに…。運ばれた「ボルガライス」は大きな平皿に盛られていて、平たい形のオムライスの上にカツがのせられ、サラッとしたタイプのデミグラスソースがかけられ、さらにクリームがたらされている。オムライスは玉子でクルッと包まれてはおらず、のせられている感じ。中はポークケチャップライスで、カツはしっかりめに揚げられていた。デミソースはマイルドな味付け。この組み合わせだもの旨いに決まっているが、中がケチャップ味なのでデミソースとはちょっとちぐはぐな感じもする。ライスはケチャップ味じゃない方がまとまりが良くなるかも。別皿で添えられた和風ドレッシングのかかったサラダも平らげお腹いっぱいに(←当たり前だ)。主人の出自など、話は聞けなかったがなかなか面白い店だ。(勘定は¥2,000)

以前の記事はこちら

 


 

 ↓ 引き続き土岐市駄知町を自転車で散策。屋根だけ見ると和風な建物だが前面にタイルが貼られている下見板張りの珍しい住宅(建築詳細不明)。現在は新聞販売店のようだが、なぜか縦長の2階窓はベニヤ板でずっと塞がれている。

 

↓ 腰壁が豆タイル(モザイクタイル)で造られている建物(建築詳細不明)。一番下だけライトブルーっていう配色が素敵。

 

↓ 自転車で走っていたらたまたま見つけた「駄知旧車館」。ちょうど月に1度程度しかない開館日だった幸運。同町に本社を置く「中根モータース」が日本の旧車を完全フルレストアして展示している。全て走れる状態だとか。すでに貴重になりつつある80年代の車もレストア展示している。昔の日本車って個性的で本当にカッコイイ。

 

 

↓ 親父が乗っていたクジラ・クラウン(ハードトップ 2000 SL) 発見。懐かしい。独特の匂いにやられて何度車酔いして吐いたことか(笑)。知らなかったが当時としてはデザインが奇抜過ぎてクラウン史上最大の失敗作と言われているのだとか。

 


 

四季美食丼 満月

岐阜県瑞浪市和合町1-94

 

( 瑞浪 みずなみ 土岐 とき まんげつ カツ丼 野内 のうち カツ丼亜種 ミヤビヤ ミヤベヤ 東濃地方 洋食 老舗洋食店 近代建築 旧車 旧車ギャラリー 閉店 廃業 )

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大黒屋本店 (2) @名古屋市中区・錦

2018年05月21日 | 名古屋(中区 老舗)

午後遅い時間に錦を歩いていて、休憩がてら「大黒屋本店」へ。繁華街のど真ん中にある和菓子の老舗。創業はなんと安政元(1854)年。老舗とはいっても店内は小さな菓子の売場と落ち着いた喫茶店といった感じの内装。店に入ると外れた時間とあって先客はおらず、腰を下ろして品書きを眺める。”氷”はもう出ていたが、まだまだ食べたいとは思わないくらいの陽気。ショーケースの中の生菓子を選んでいただくことも出来るが、結局給仕の女性に「抹茶」をお願いした。店内は少し薄暗く、静かにクラシックが流れ居心地の良い空間。歩き疲れたので落ち着いたこの空間が有り難い。

しばらくして扇形の盆にのって「抹茶」が運ばれた。大黒屋の代名詞「落雁」がひとつ付いている。コリッとひとかじりして「抹茶」をいただく。良い香りとしっかりとした苦み。「ふーっ。」と一息。普通だと誰も客が居ないとかえって落ち着かないものだが、時間的なのかいつもそうなのか、あまり給仕の方が近くにいらっしゃらないのでゆっくりと出来た。外は快晴で忙しそうに歩く人や、飲食店に納品をする業者の車がひっきりなしに停まる。そんな様子をボケーと見ながら贅沢な時間を過ごした。もうすぐ冷たいものを求める客でひっきりなしの季節になるだろう。(勘定は¥570)

以前の記事はこちら

 


 

↓ 広小路通の「三井住友銀行名古屋支店(旧・三井銀行名古屋支店)」(昭和10年・1935・建造)。イオニア式オーダーが並ぶ建物の背は高くないが周りのビルを従える威厳がある。

 

 

 


 

大黒屋本店

愛知県名古屋市中区錦3-19-7

 

( 名古屋 なごや 錦 にしき 栄 さかえ 大黒屋 だいこくや だいこくやほんてん 和菓子 上生菓子 落雁 らくがん 干菓子 近代建築 銀行建築 )

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岩嶋屋 @三重県四日市市

2018年05月20日 | 三重県(老舗)

四日市駅前で自転車を借りて付近を散策。かつては賑わった商店街の名残だろうか所々にアーケードが残る通りに出た。その中に雰囲気ある和菓子屋があったので寄ってみた。「岩嶋屋」(創業天保8年・1837)。現在は5代目だとか。店は大きい道路にも面した交差点にあり、壁面に大きく「うすかわ饅頭」と出ているので名物は一目瞭然。店内にその「うすかわ饅頭」が並んでいた。”酒素(さかもと)”と”黒糖”の2つのタイプがあるようだ。創業時から受け継がれている酒素なんだそうだ。箱では買って帰られないので、いつものごとく少数でも買うことが出来るか訊いてみる。もちろんOKだったので紙袋に入れてもらう。

家に帰ってからいただいてみた。口に近づけるとほんのり酒の香りがして、生地の上部からほとんど餡が見えているくらいの薄皮。ざらめと氷砂糖が加えてあるという小豆のつぶ餡はたっぷりで、あまりつぶを感じないくらい滑らか。旨かった。店では見落としていた好物の最中があるそうだから次に機会があったらまた寄ってみようか。(勘定は¥145/個)

 


 

↓ 近くの通りには看板建築の商店の名残がいくつか散見出来た(どれも建築詳細不明)。何屋だったんだろう。この辺りには探せばもっとこういう建物が残っていそうだ。

 

 

 


 

 

岩嶋屋

三重県四日市市新々町3-7

 

( 三重 みえ 四日市 よっかいち いわしまや 薄皮まんじゅう 和菓子 近代建築 看板建築 ) 

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DANCING 古事記 / 山下洋輔トリオ

2018年05月19日 | ジャズ

DANCING 古事記 / 山下洋輔トリオ (1969)

一晩だけ復活した山下洋輔トリオを見に行った時に、森山威男のライヴでは恒例の観客との”じゃんけん大会”で商品に挙がっていたライヴ・アナログ盤「DANCING古事記」(写真下・本人も持っていないのだとか)。

残念ながらじゃんけんは負けたが(近くに座っていて”あとだし”をした男がゲットしていた…涙)、その存在や発売の経緯を知ってどうしても音を聴きたくなった。CD化はされているのだが時期によって発売元が違っているよう。某オークション・サイトを覗いていたらライナー(正確には立松和平執筆の小説)無しの不完全盤があったので、音だけで構わないと購入してみた。

原盤は麿赤兒による自主制作。1969年7月、学生運動でバリケード封鎖された早稲田大学構内での演奏。同日の演奏は田原総一朗がドキュメンタリーの形で収録、放送している(←ちなみに実際は演出があったそう)。学生運動というともうはるか昔の歴史上の話に聞こえるかもしれないが、自分の通っていた学校では在学中の80年代後半でも左翼運動家が校門をバリケードで封鎖して授業が中止になったり、校門の外の道路上に私服警官が毎日ウロウロしているというなかなか面白い学校だったのでとても身近に感じる(笑)。

収録曲は3曲と少なく、しかもそのうち冒頭は当時の学生運動家のアジテーションなので実質2曲、30分強。アジっている最中に入るドラムの音に緊迫感が漂う。山下の強い鍵盤打撃から始まり、森山威男がリズムを刻んで合流し、後からフリーキーな中村誠一のサックスが加わって煽り立てていく。自分はこういうフリージャズの世界をほとんど知らないし、山下洋輔だって音楽家というよりは文筆家としての方が馴染みがあるくらいなので、正直いつも聴きたい音楽ではないが、その迫力と熱量はスゴイ。現場では心配していた妨害や暴動は起こらず(田原総一朗は期待していたらしい・笑)、運動家も聴き入っていたらしいが、この激しい演奏をあの時代に狭い講堂の中で音圧を感じながら聴くとどんなインパクトを受けるんだろう。味わってみたかったナ。

オークションにて購入(¥1,030)

  • CD (1995/3/11)
  • Disc : 1
  • Label : 貞錬結社
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中屋パン  @名古屋市千種区・今池 (2)

2018年05月19日 | 名古屋(千種区・守山区 老舗)

今池の老舗パン屋、昭和11年(1936)創業の「中屋パン」へ。相変わらずの人気で、どんな時間帯でもひっきりなしに客が出入りしている。自分もそうだが他の客もウインドーから中をのぞき、陳列棚にパンがある程度並んでいるか確認してから店内へ入っていく人が多い。トレイを手に取って自分でチョイスする店だから、あまり選択肢が無い時に入るとバツが悪いもんね。この日は名物の「あんドーナツ」ではなくシンプルなパンを買ってみようと中へ。いつも「あんドーナツ」と惣菜パンしか目に入らないが、意外とシンプルなハード系パンも揃っている。

購入したのは「カイザーフランス」と「むすびパン」。「カイザー~」は小型のフランスパン。「むすびパン」とは菓子パンで使う生地だけを焼いたパンだそう。ふわっとした軟らかさでほんのりと甘さがあって、それだけでもなかなかいける。最近いわゆる菓子パンって食べていないので、次は自家製クリームの入った「クリームドーナツ」かメロンパンならぬ「レモンパン」を買ってみようかな。(勘定は¥90/個)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3

 


 

↓ 地下鉄今池駅に直結する「新今池ビル飲食店街」。映画館(今池劇場)もあったビルの飲食店街だが、どういう理由か分からないがほとんどの店舗が撤退し、繁華街にある地下街とは思えぬ寂れよう。

 

 


 

中屋パン

愛知県名古屋市千種区今池1-9-16

 

( 名古屋 なごや 今池 いまいけ なかやパン あんドーナツ 餡ドーナツ アンドーナツ 老舗 パン屋 ベーカリー 廃墟 地下街 今池地下街 )

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丸万 (2) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2018年05月18日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

店の前を通った時に漂う出汁の香りにつられて「丸万」へ。この日柳ヶ瀬商店街では「サンデー・ビルヂング・マーケット(通称:サンビル)」が開催されていたので結構な人出。以前は弥生町の方まで店は出ていなかったが、出店者が増えたのか、この日はこちらの方まで店が並んでいた。今だって日によっては閑散として空き地も目立つ商店街だが、こうして若い人達が集まるのはとてもいい傾向じゃないだろうか。店に入ってもほぼ満席の盛況で衝立のある座席には座った人の頭が並んでいた。一番奥の席にだけひとつ空きがあったので着席。壁に掲げられた「懐古」「追取」の迫力ある文字が見える。この日は「チャーシュー麺」を注文。

しばらくして濃い色のスープの「チャーシュー麺」が運ばれる。旨そうな水面にはチャーシュー、細メンマ、ピンクの縁の蒲鉾、そして刻みネギ。チャーシューの切りは小さいが沢山のっている。噛み応えがあるタイプ。麺はかなりの細麺で縮れはあまりない。スープの色は濃くても角は立っておらず、あくまで優しい味わい。好きだなァ、ここのスープ。食べ終わった後に丼ぶりに残ったスープをついつい、もうひと口、もうひと口とレンゲですくってしまう。旨かった。次は「ワンタン麺」か、夏のみの「冷やし中華」を頼んでみようかな。(勘定は¥650)

※令和3年8月8日を以って閉店されました。

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

 


 

↓ 人出の集まるイベントの効果は素晴らしいが、そうは言ってもどんどん空き地化が進む商店街の内部。やはりこういう小路は消えていく運命に。 

 

 

 


 

 

和風中華そば 丸万

岐阜県岐阜市弥生町5

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 柳ヶ瀬商店街 まるまん マルマン ラーメン 中華そば 天ぷら中華 サンビル サンデービルディングマーケット 閉店 廃業 )

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陶勝軒 @岐阜県多治見市

2018年05月17日 | 岐阜県(東濃・老舗)

人気の「モザイクタイルミュージアム」のある多治見市笠原町で入った和菓子屋「陶勝軒」。建物は新しいが昭和4年(1929)創業というから90年もの歴史がある。現在3代目だとか。店に入ると色々な菓子が並んでいる。古くからあるようなシンプルな和菓子から、洋風のカラフルな菓子までいろいろ揃っている。こちらも「いちご大福」を売っているが粒がとても大きく旨そうだった。この日選んだのはこちらの定番菓子とお見受けした「あののう」という菓子と、嫁へのお土産にモザイクタイルを模したクッキー「食べられるモザイクタイル(タイルクッキー)」。「あののう」には栗きんとん餡と抹茶餡があったので両方を、クッキーの方は色によって味が違い、包みにどの味(色)が多く入っているか書いてあったので(たしか)”一番人気”とあった”みかん多め”を購入した。

帰ってからお茶を淹れいただく。「あののう」とは方言で「あのねー」といった意味。こっち(東濃)ではよく使う言葉なのかな。包みを開けると厚みのある丸型で、皮に”あののう”と文字が浮き出ている。しっとりとした皮にしっかりとした栗の風味。まさに栗きんとんが包まれているといった感じ。抹茶の方はけっこう強めな風味。甘味も強めで栗きんとん味と好対照だった。「食べられるモザイクタイル」はモダンな包みの中にカラフルなクッキーが入っていて色鮮やか。色だけでなくゴマ・抹茶・ココア・きな粉・苺・レモン・みかん・ブルーベリーの8種類と、全部違う味。並べると可愛らしい。少し硬めの食感で美味しくいただいた。(勘定は¥800程)

  

 


 

 ↓ 近くで見つけた平屋の建物(建築詳細不明)。モザイクタイルによる装飾など新しく手が入っていて中には作業場が見えたので、何か(工房?)に使われているようだが用途は不明。

 

 


 

御菓子司 陶勝軒

岐阜県多治見市笠原町2127-1

 

( 多治見 たじみ 笠原町 とうしょうけん 和菓子 モザイクタイル 豆タイル モザイクタイルミュージアム )

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來來憲 @三重県四日市市 (※閉店)

2018年05月16日 | 三重県

ゴールデンウィークといっても全然連休じゃない自分は仕事の合間を縫って出掛けるしかない。ある日思い切って近代建築狙いで四日市まで足を伸ばしてみた。近鉄に乗って名古屋から四日市へ。四日市に降り立つのは10年ぶりくらいか。その時は仕事だったので有名なラーメン屋に行ったくらいで終わってしまっていた。郊外にある近代建築をいくつか愛で、向かったのは”とんてき”で有名な「來來憲」。”本店主義”(笑)なので少し遠かったが小生町という所にある本店へ。経路にあった暖簾分け店「まつもとの来来憲」は行列が出来ているぐらいの人気だった。こちらは行列こそ無かったが、店に入るとほぼ満席の盛況。一般的な中華料理屋という風情。カウンターには空きがあったので座ってメニューを眺める。一応ラーメンとかもあるようだが、見渡す限り注文しているのは皆「とんてき」。自分も「大とんてき」の単品と瓶ビールを注文した。

いつから四日市がとんてき推しになったのか知らないが、一応こちらが始祖ということでいいのかな。元々は駅に近い場所にあり、長期休業ののち復活した店なのだとか。今では県内に同じ屋号で分店もいくつかあるようで、以前から有名だったこちらの「とんてき」を四日市の名物にと、最近になって官製で考えられたのだとのこと。でも市内の施設には”とんてきマップ”なるパンフレットが置いてあったのだが、なぜかこちらの店は載っていない不思議…。

しばらく待ってから「大とんてき」、それにビールが登場。どーんとデカいとんてきは”グローブ”と称されるような形に切れ目が入れてある。付け合わせは刻みキャベツとレモンのくし切り。たっぷりの黒いソースで絡められていてキャベツも浸って皿に溜まるほど。さっそく肉塊を持ち上げかぶりつく。厚みもしっかりあり、まさに豚のステーキ。ソースはウスターソースとケチャップを合わせたような味付け。これに豚の脂とニンニクが合わさってかなり濃く、定食だと大中小選べるご飯のサイズを多くの人が”大”で選ぶのがよく分かる味だ。もちろん旨い。くしくも実家で食べるステーキの味付けはこれと同様の組立なので、ちょっと懐かしさも。ビールでその濃い味を洗い流していく。かぶりついていると濃いソースのせいか、もう豚肉を食べているのか牛肉の赤身を食べているのかも分からなくなってくる(笑)。一応休日なので4かけ程入っていたニンニクも躊躇なく口の中へ。”喰らいつく”といった表現がピッタリの250gの「大とんてき」を楽しんだ。次は定食でご飯と一緒に食べてみます。(勘定は¥1,900)

※2019年を以って閉店されたそうです。

 

 


 

↓ 「四郷郷土資料館(旧・三重郡四郷村役場)」(大正10年・1921・建造)。四郷(よごう)村地元の名士が大金を寄付して建てられたという洋館。傷みは激しかったそうだが現在はとても綺麗に保存されている。塔屋はらせん階段になっているのだとか。残念ながら開いておらず中には入れなかったが見てみたいなァ。

 

 

 

↓ 郊外の室山町にある「旧・亀山製絲株式會社室山工場」(明治36年・1903・建造)。富岡製糸場をモデルにして造られているのだとか。残念ながら傷みがかなり激しく、崩落寸前。ここまで放置したからには再生保存させる計画は無いのだろう。裏の敷地は広大で、この木造工場もかなりの大きさだということが分かる。

 

 

 

 


 

來來憲 (来来憲本店)

三重県四日市市小生町229-186

 

( 三重 みえ よっかいち 来来憲 らいらいけん 來來憲本店 とんてき トンテキ 元祖 暖簾分け 支店 分店 近代建築 近代化遺産 産業遺産 製糸 製糸工場 伊藤傳七 )

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