ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

大黒亭 @名古屋市熱田区・伝馬町

2016年06月20日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

何かで店先の写真を見て、その佇まいに目が釘付けになった熱田神宮横の洋食屋「大黒亭」。何とか行ける機会はないかと思っていたが、やっと訪問することが出来た。こちらの創業は大正8年(1919)だとか。せっかくなのでと熱田さんにお参りした後に店を目指す。地図で見るとちょうど熱田神宮南のへこんだところに店がある。店先に立つと、戦前、あるいは戦後すぐぐらいまでに開業した洋食屋特有の何とも言えない雰囲気。「西洋料理」と書かれた看板に心躍る。引戸を開けて中に入るとなかなかの客入り。土間のテーブル席に着いて年季の入った壁の「お献立」に目を通す。品数は基本の洋食といった感じで多くない。”おすすめ”と書いてあった「上カツ」と「ハヤシライス」とで欲張ってみた。老夫婦でやっていらっしゃるが時分どきとあって忙しそうなので、立って厨房に声を掛けて注文を通した。

女将さんが水と三角紙ナプキンとフォーク、スプーン、ナイフを運んで下さる。小上がりには新入社員を連れたと思しきサラリーマンの姿も。渋い店に連れてくるなァ(笑)。あとから入ってくるのは通い慣れたサラリーマンや、タクシーの運転手らしき1人客が多かった。しばらくして両皿共に登場。まずはトンカツ。ナイフがあるので包丁は入っていない。つけ合わせはキャベツの千切りとポテサラ。あらかじめかけられたソースはデミグラス・ソース。一緒に並んだハヤシライスの色からすると元は同じソースのよう。これが酸味少なめでマイルドな口当たり。サクサクのカツとの調和は見事。旨い。そしてハヤシライス。少しとろみがあり、大振りに切った玉ねぎの食感が良く、もりもりと食べ進む。2品は多いかなと思ったが、やさしい味付けなのでお代わりも出来るくらいすんなりと胃袋に収まった。次は「メンチボール」か何かを単品を取って「黒ビール」か「清酒」で一杯やりたいなァ。(勘定は¥1,150)

この後の記事はこちら (2)(3)(4

 


 

↓ 食後に歩いて訪問した「魚半別邸」(大正13年・1924・建造)。洋館は住居。タイル壁に厳めしい鉄製の折り畳み雨戸。錆が落ちて見た目は良くないが、何かに使われているのかな?

 

↓ (写真下右)隣接する日本家屋が旧「料亭魚半」の建物で昭和初期の建築(昭和3年・1928・建造)。こちらは塀も新調されて「宮の駅交流サロン」他として整備、利用されている。中にも入れるらしいが、この日は休み。自転車も借りれるらしいから、今度借りて近辺を走ってみようか。

 

 


 

大黒亭

愛知県名古屋市熱田区神宮2-1-16

 

( 熱田 あつた 熱田神宮 神宮前 伝馬町 てんまちょう 洋食 西洋料理 だいこくてい 戦前 トンテキ カレーライス ハンバーグ 近代建築 料亭魚半 宮の駅交流サロン)

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Yellow Magic Orchestra / Yellow Magic Orchestra

2016年06月19日 | テクノ・デジタル・ダンス

Yellow Magic Orchestra / Yellow Magic Orchestra (1979)

イエロー・マジック・オーケストラ(Yellow Magic Orchestra, YMO)のデビュー・アルバム。と言っても最初(1978年)に発売されたもの(写真下)をアメリカでリミックスしている通称「US版」。アメリカで発表するに当たって曲を省いたり、ヴォーカル(吉田美奈子)を足したりしている。自分は次作(もちろんアナログ盤)を先に買って、その後にファースト(US版)を購入。その頃に流通しているものはこちらだったので日本版と米国版の違いは(当時)全く認識しておらず、随分後になってから内容の違いを知り「え?そうなの」と日本版のCDを買った覚えがある。オリエンタル趣味と最新コンピュータ音楽(当時)を分かり易くイメージしていて、ジャケットはシュールな日本版オリジナル(写真下)より断然こちらのUS版の方がいいと思う。

このCDはもちろんアナログ盤の買い直しで、アルファでなくソニーから発売されたもの。当時はもっとフュージョンっぽいイメージがあったが、今聴くとさほどでもない。リード・ギターの入ったライヴの音像と記憶が重なってしまっていたのだろう。思い切りオリエンタル・テイストを加えていることで”尖っている部分”が際立ち、やはり40年近く経った今でも充分に聴くに堪える素晴らしいアルバム。細野氏がイメージした「マーティン・デニーの<ファイアー・クラッカー>を、シンセサイザーを使用したエレクトリック・チャンキー・ディスコとしてアレンジ」という有名な初期コンセプトがなるほどとても分かり易い。ただ田舎の小学生はそんなコンセプトの事などつゆ知らず(もちろん説明されても分からなかっただろうが…)、聴いたことのない音の斬新さに圧倒され、口をポカンと開けて、今これを聴いている自分は「一番ススんでいる」と錯覚したのだった(←小学生の戯言ですが・笑)。

ブックオフにて購入(¥280)

  • CD (2003/1/22)
  • Disc : 1
  • Format: Limited Edition
  • Label : ソニー・ミュージックダイレクト
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中華そば 葵 (2) @岐阜県可児市

2016年06月18日 | 岐阜県(中濃)

仕事で夜に可児市に居たので、夜しか営業していないこちらに再訪。可児市役所の目の前にある「中華そば 葵」。夜ともなると庁舎は暗いので、こちらの灯りだけ煌々と光っている。近くに車を停め暖簾をくぐる。こちらと言えばやっぱりチャーシュー。持ち帰りも出来る人気のチャーシューだが、いつもと同じようにカウンター上のバットの中に山と積まれている。カウンターに座って何を食べようかと考えるも、麺類でピタッとハマるものを思いつかず、ご飯ものに方針変更。そこでもしやと思い、チャーハンを注文。サイドには餃子をつけてもらう。店の中は呑んでいる人、家族で食事に来ている人など様々。主人と会話しているところを見るとやはり常連客が多い様子。

カツッ、カツッと北京鍋を振る音を聞きながら待っていると先に餃子が運ばれた。餃子は薄皮で餡にキャベツの甘みがしっかり感じられるもの。片面はしっかりめに焼かれているものの、カリッとしたタイプではない典型的な街場中華の味。そしてお待ちかねのチャーハンと小さい椀に入ったスープが登場。思った通りチャーハンの中にはチャーシューが沢山。端の部分だがそれが旨い。他には蒲鉾を刻んだものがたっぷり。チャーシューの旨味がしっかり味わえて、米粒の油のまとい加減も申し分なく、旨かった。今度はチャーシューをお土産に買って帰ろうかな。(勘定は¥900)

前回の記事はこちら

中華そば 葵

岐阜県可児市広見1-51

( 可児市 可児 かに 中華そば あおい 中華そば葵 ラーメン葵 中華そばあおい チャーシュー 焼豚 持ち帰り 可児市役所 )

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浅田屋 @名古屋市北区・上飯田 (※閉店)

2016年06月17日 | 名古屋(東区・北区)

ある日曜の昼、名古屋市北区、上飯田の駅を北上した三階橋辺りにある麺類食堂「浅田屋」へ。初めて訪れたが、小さいながらもサンプルの入ったショーケースもあり、まさに麺類食堂という風情の店先。暖簾をくぐって中へ。年輩のご夫婦でやっていらっしゃる。調理は主人、給仕は女将さん。サラリーマンと思しき先客が2名。テレビではこういう店での視聴率が異常に高い「NHKのど自慢」。店内に小さい手洗いがあるのは労働者の為の昭和食堂の証。テーブル席に腰かけ、額に入った品書きと壁に貼られた品書きを眺める。煮込み系のうどん定食が目立っていたが、だんだん暑くもなってきたことだし…。結局いつものように最初に食べてみる事が多いカツ丼を注文。自分の場合、こういう食堂では名物的な品が見当たらない場合はカツ丼、洋食があればオムライスというのがパターン。もちろん好物だからという単純な理由。

しばらくしてカツ丼登場。カツ丼は玉子でとじた一般的な「カツ煮」タイプ。シャキシャキとした歯触りの玉ねぎがたっぷりで、つゆは気持ち濃いめの味付けかな。しっかりめに揚げられたカツは厚さこそ普通なものの、下味の塩胡椒が強めでちょっと洋風にも感じられる味わい。そのミスマッチな加減が何だか面白い。しっかりつゆを吸った衣の甘み(旨味)とご飯は言うまでもなくバッチリで、あっと言う間に胃の中へ。かつ丼を考えた人って偉いなァ(早稲田の「三朝庵」説が有力※未訪)。次は定食かな。夏場は何がメインになっているだろう。(勘定は¥720)

※残念ながら閉店されたそうです(令和2年7月現在)

この後の記事はこちら

 

↓ すぐ近くにある「羊神社」へ。地名か何かだと思っていたら本当に羊が祭ってある。しかも近辺の辻町という町名はこの羊神社が由来で、「火辻町」→「辻町」となったのだそうだ。面白い。(※行政上は「つじちょう」だが「つじまち」と呼ばれることが多いようだ)

 

↓ 狛犬の間にも「羊」。

 

浅田屋

愛知県名古屋市北区新堀町7−6

 

( 北区 上飯田 かみいいだ つじちょう つじまち 三階橋 あさだや 麺類食堂 大衆食堂 和洋食 きしめん ラーメン ひつじ神社 閉店 廃業 )

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Information / Eliot Sumner

2016年06月16日 | オルタナティヴ・ロック

Information / Eliot Sumner (2016)

買った順番でレヴューしているとなかなか新譜にまで追いつかないので、今年の3月に購入したこれを先に。エリオット・サムナー(Eliot Sumner)のアルバム「Information」。26歳の英国人女性で、以前はココ(Coco)と名乗ってバンド活動していた。彼女、実はあのスティング(Sting)の娘。以前から話には聞いていたが音楽を聴いたことはなく、それと知らずに今年の初めに発売されたこのアルバムが、若い女性とは思えない陰鬱な容姿と、シンプルで暗い雰囲気のアルバム・ジャケともども気になっていた。後からココ=彼女だと知り、サンプルを聴いてビックリ。声が…スティングだ! 顎の辺りの骨格が父親そっくりなのでそうなるのかもしれないが、長音の発声の仕方や少しかすれたような特徴ある声質を見事に受け継いでいる。もうこれだけで充分な才能だが、それでもまだ買う気までは起こらなかった。ただその後もずっと心に引っ掛かり続けている。自分の場合、これって「GO」のサイン。いつも見させてもらっているブログで紹介されていたこともあって、結局amazonでポチっとしてみた。

もう「最近の若いの」、しかも小娘に音楽的に惹かれることは無いだろうと思っていたが、なんの。ダークな曲調と彼女の声、シンセも駆使したその音楽性は、何年経っても80年代ニュー・ウェーヴの影響を受け続けている自分にとってはドンピシャで、琴線に触れまくり。一聴して男性とも女性ともとれる中性的なその声は抗いようのない不思議な魅力があり、スティングの娘だという事を差し置いても耳から離れず、クセになる味わい。音楽的な感触としてはジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)やキュアー(The Cure)を彷彿とさせるようなダークなエレクトリック・ポップな雰囲気。そのまんまだったら古臭い音楽だが、1、2周まわってなんだか新しく聴こえるのもいい。PVなんかを見るとプロダクション的にもしっかり作り込んであるようで、レコード会社の力の入れようもかなりのもの(なぜかチャート的にはすでに完敗のようだが…)。ヒップホップ以降の音楽には”リズム”はあっても”メロディー”が希薄な事が多く、なかなか心の深い所まで侵入してこないが、彼女の曲はしっかりと心に残る。なぜだ。なぜこれが売れないのか…(やっぱり自分が古いのかな…苦笑)。

amazonにて購入(¥1,326)

  • CD (2016/1/22)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : polydor

( Coco, I Blame Coco, Sting, The Police )

 

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くるみ @岐阜県岐阜市

2016年06月15日 | 岐阜県(岐阜)

時々店の前を通って気になっていた岐阜の柳ヶ瀬商店街にあるお好み焼の「くるみ」。岐阜高島屋の北側にある。ちょっと前まで閑散としていた柳ヶ瀬にだんだん人が戻ってきていて、休日にイベントがある時などは商店街に結構な人出があったりする。若い人達が中心になって小さいながらも色んな店を出していたり、イベントを企画して変化が訪れているようだ(再開発計画も)。結構、結構。そんな中、のんびりとした空気が流れているこの店の前。暖簾をくぐって店に入る。カウンター6席とテーブル席が2つのこじんまりとした店内。ご夫婦(たぶん)がやっていらっしゃって、主人は奥様のようだ。石油ストーブの上にはおでんの鍋も置かれている。カウンターの上には焼き魚ののった皿が並んでいて、定食用に自分で選ぶようだ。どて煮なんかもあり、酒の値付けも安い。呑みたいが、車で来ているのでグッと我慢。お好み焼(肉玉子)を注文した。

値段が安いので軽く食べられるサイズかと思っていたが、しっかりとした大きさのお好み焼が皿に盛られて出てきた。この地方では標準の二つ折り。表面に塗られたサラッとしたソースとわずかな鰹節粉がかけられているのみ。キャベツの甘みがしっかりと感じられる生地で、肉もちゃんと入っている。下手にマヨネーズとかをのせないのが嬉しい。旨かった。赤ちゃん連れの客や女性ひとり客も入ってきた。うん、いいよねこのお店。ちゃんと椅子に座ってお皿で食べてこの値段。屋台よりも安い。次は呑んじゃおうかな。(勘定は¥350)

この後の記事はこちら (2)(3)(4

 


 

↓ 岐阜公園に隣接する料亭「萬松館」(建築詳細不明)。かつては旅館として明治、大正、昭和の三代に渡り天皇が宿泊した。3000坪もの庭園がある。数寄屋造りの建物を拝みたかったが、この日は結婚披露宴が行われていたので門と玄関先だけ覗いて遠慮した。

 


 

味自慢 くるみ 

岐阜県岐阜市柳ヶ瀬通2-10

( 柳ヶ瀬 柳ケ瀬 やながせ 味自慢くるみ お好み焼き おこのみ焼 焼そば 焼きそば やきそば 鉄板焼 定食 近代建築 岐阜公園 ばんしょうかん )

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純米酒専門 八咫 名古屋栄店 @名古屋市中区・栄

2016年06月14日 | 名古屋(中区)

栄で呑み歩き、途中で寄ったのは賑やかな4丁目(女子大小路)の商業ビルにある「純米酒専門 八咫(やた)」。こちら栄店の他に伏見店、それに今では東京にも3店舗もあるそうだ。店は通りに面したビルの1階にあり、ガラス張りで通りからも丸見えなので、知ってる人が来たらすぐにバレちゃうかも。立ち呑みというよりはスタンディング・バーといった洒落た雰囲気。店はとても狭いのですぐに一杯になってしまう。こちら60分2,000円でお代わり自由にも出来るが、呑み歩きの途中だったし、疲れて長い事立っているのが嫌だったので、店長(といっても1人しかいない)に単品(100ml)で呑むことを伝える。特に日本酒の銘柄を書き連ねたものはなさそうなので、ざっと冷蔵庫を覗いて適当に選んだのは「るみ子の酒」(三重)。昔読んだ漫画「夏子の酒」の作者がラベルを描いている酒だ。以前に神田の店で呑んだかな。酒の味の傾向で相談し、酒肴のメニューからは「鳥ささみのスモーク」を選んだ。

といっても、もうしこたま呑んだ後に来ているので繊細な味までは感じることが出来ない。それにしっかりめに冷やされた日本酒は、その特徴が立ち上がりにくいので、「あー、美味しい」くらいしか感想が出てこない。一杯の量は少ないので、ワイングラスに入れられた日本酒の香りを立たせるためになるべくゆっくり楽しみながらグラスを傾ける。お代わりは「一本義」(福井)だったか(←もう怪しい)。自分はどんな店でも早喰い、早呑みなので、ゆっくりしていたつもりでも、あっという間に空にしてしまった。もうこれ以上は止めとこ。次は(出来るかどうか知らないが)燗してもらって呑んでみたいナ。(勘定は¥1,500)

純米酒専門 八咫 (やた)

愛知県名古屋市中区栄4-4-4

( 栄 さかえ 女子大小路 八咫 やた 純米酒 日本酒 立ち飲み 立飲み 酒バー 燗酒 スタンディング ワイングラス )

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Curtis Live! / Curtis Mayfield

2016年06月13日 | ソウル・ファンク・R&B

Curtis Live! / Curtis Mayfield (1971)

インプレッションズ(The Impressions)を離れたカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)の「Curtis/Live!」。ファーストに次いでリリースされたライヴ・アルバム。昔からずっと買ってみようかと思って見送っていた盤だ。こちらは2000年になってから米ライノ(Rhino)によりリリースされたリマスター盤。オリジナルは2枚組だったらしいが、そこに2曲追加されている。レパートリーはインプレッションズ時代のもの、ファースト・ソロのもの、このアルバムが初出のもの、で構成されていて、プロデュースはご当人、ミックスはジミヘン(Jimi Hendrix)、ツェッペリン(Led Zeppelin)、キッス(Kiss)などでお馴染みのエディー・クレイマー(Eddie Kramer)が担当している。カーティスのアルバムで仕事をしていたとは全然知らなかった。

ニュー・ソウルを象徴するかのような、やや暗く都会的なサウンドのソウル・ミュージック。もちろん根底に流れるのはゴスペル音楽。多用されるワウワウとカッティング・ギター、ブンブン鳴るベースとコンガの音色が特徴的なドラムスが作り出すグルーヴが、カーティスのファルセットと共にだんだんと熱が上がっていき、聴いていて引き込まれる好盤だ(でもボーナス・トラックは蛇足かな)。もっと早く聴くべきだったなァ。演奏をするバック・ミュージシャンの手腕も見事。

とはいえ実は自分、若い頃に映画「ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)」にハマったので、ソウル・ミュージックは比較若い頃から好きだったが、カーティスを聴くようになったのはかなり遅い。随分前に同じくライノから発売されていたベスト盤を購入していたが、最初はあの独特のファルセットがどうにも苦手で、ボブ・マーリー(Bob Marley)や、ロッド・スチュアート(Rod Stewart)ら有名アーティストがこぞってカヴァーしたインプレッションズ時代の名曲「People Get Ready」も、それこそカヴァー・ヴァージョンの方が好きだったくらい。カルト映画としての評価も高かった「Superfly」も、表題曲らはコンピ盤などでよく聴いていたが、アルバムを通して聴いたのはまだ最近だ。それが甘い声で歌われる曲に、イメージとは違う政治的なメッセージが込められていると知ってから興味が湧き、時間をかけてだんだん好きになっていったのだ。音の感触も、なぜ70年代初頭のソウル・ミュージックはこんなに艶やかというかリアルな音像なんだろうといつも不思議になる。レコーディング機材なのか、テープなのか、はたまたプロデューサー、ミキサーの手腕なのか…。現在のデジタル時代にはないマジックがそこにある。

オークションにて購入(¥557)

  • CD (2000/8/15)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Original recording remastered, Import, Live
  • Label : Rhino / Wea

 

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杉原酒造 (冨久屋) @岐阜県岐阜市

2016年06月12日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

「日本一小さい酒蔵」を自称する揖斐郡大野町にある「杉原酒造」。明治25年(1892)創業で、従業員はたった2人だとか。こちらの酒「射美(いび)」をお店で呑んだことがあり、とても気に入ったので買いに行こうとドライヴがてら直接酒蔵までやって来た。幹線道路から入ったところにある見るからにのんびりした酒造。敷地内に入って見ることはできないが、向かいに小売部「冨久屋(ふくや)」がある。ちょっとくたびれた建物で、ずらっと並んだ自動販売機の間から店に入ると、中には酒だけでなく、調理場らしき場所もあり、近隣の、今で言うコンビニ的な存在だったのかもしれない。雑多な店内では酒造に関わるグッズなども販売され、奥の棚や冷蔵庫には1升瓶の他、色々な資料が並んでいる。ただレジで訊いてみると「射美」は限定出荷されているもののみで、こちらでも買えないとの事。岐阜県内では3軒卸しているところがあるが、そこでも売り切れだとか。また冷蔵庫に入っている限定酒もすでに予約済みのものばかりで、こちらで買えるものは現在2種類程しかなく、基本の普通酒「千代の花」も今は無いのだそう。仕方がないので「揖斐川・純米」の4合瓶を購入。

家に帰って呑んでみた。まず、冷や(常温)で口を潤す。いまの主流の辛口ではなく、ふわりと優しい口当たり。どちらかというと往年の日本酒的な甘さを感じる酒。ラベルには冷やしてと書いてあるが、確かに燗でいただくと少し鈍い(キレが良くないの意)感じがするので、冷やして呑んだ方が色々と料理に合わせやすいだろう。酒造自体が小さいので生産力に限界があるだろうが、評判の酒を買えなかったのは残念だなァ。どこかの店で出してもらうしかないか…。さて、何処の店ならあるかな?(勘定は¥1,300)

 

 

↑ すぐ近くにある「石原家住宅(石原工邸)」(明治40年・1907・建造)。修復の跡が粗いし、何の変哲もない建物に見えるが、これが近代建築史上は貴重な木造3階建ての天守閣風一般住宅。元々は明治末に笠松町に建ったばかりの料理屋を曳いたものだとか。写真右は門。

 

杉原酒造株式会社 冨久屋

岐阜県揖斐郡大野町下磯1

( 揖斐郡 いびぐん 大野町 おおのちょう 杉原酒造冨久屋酒店 冨久屋酒店 すぎはらしゅぞう ふくや ふくやさけてん 射美 いび いびがわ 近代建築 )

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サイトウインビス(サイトウハム) (3) @愛知県犬山市

2016年06月11日 | 愛知県(尾張)

犬山市にあるハム工場直売の店「サイトウハム」。そこの店頭に出店としてあるのが「サイトウインビス」。ドイツ系の無添加ハム、ソーセージを作っている工場なので、店頭でもドイツ・パンとソーセージの組み合わせで何品かの軽食が用意されている。この日は酒肴にするべく店内でスモークレバーを購入したついでに、どんな物なのかも知らず「ライ麦パンのフライシュケーゼサンド」とやらを注文した。しばらくベンチに座って待っているとサンドイッチが入った紙袋を渡してくれる。

帰ってから食べようと思っていたのだが、帰りの車の中でその匂いに負けて、行儀が悪いが包みを開けてしまう。信号待ちになったところでパクッと。ライ麦パンはシンプルで、塗ってあるのは辛子のみ。その丸いパンの間に四角い形をしたスパム風のソーセージが挟まっている。型に入れて焼くのだそうだ。ソースなどで味が付けてある訳ではないので、パンもソーセージもごくごくシンプルな味わい。値段は安くないが、どちらも香りが良く、素朴なパンの味としっかりとした肉の旨味が味わえる。ひと口だけと思っていたが踏切が開くのを待っている間につい全部食べてしまった。

帰ってから開けたスモークレバーは濃い色に染まっていて、燻された香りがレバーの臭みを和らげている。外側はプリッと、中はモチっとした食感。小さく切ってクラッカーなどと一緒に食べてもいいし、そのままでもいい。ビールやワインでももちろん合うが、殊のほかウイスキーのお供にぴったりだった。(勘定はサンドイッチ¥480、レバー¥540)

以前の記事はこちらこちら

この後の記事はこちら

 

↓ 犬山市東古券の建物(一般住宅)。以前はもっと傷んでいた気がするが、きれいにされていた。医院か何かの建物だったのだろうか、入口扉の取っ手などが時代を感じさせてかっこいい。

 

 

サイトウハム

愛知県犬山市松本町1-162

( 犬山 犬山市 いぬやま 無添加ハム 無添加ソーセージ ドイツハム ドイツソーセージ サイトウハム Saito Imbiss サイトウインビス 斎藤ハム ハム工場 工場直売 近代建築 )

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