ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

吉例顔見世 「義経千本桜」「二人椀久」「野晒悟助」 @名古屋市・御園座

2018年10月13日 | 歌舞伎

吉例顔見世 「義経千本桜」「二人椀久」「野晒悟助」 (10月11日・御園座)

平日に何とか休みをひねり出して名古屋の御園座にて昼の部の歌舞伎観劇。今回の御園座は”顔見世”(昔は役者が座毎に1年契約だったので、この時期に新役者をお披露目することを指す)として、”まねき上げ”(役者名を書いた札を掲げる・写真下左)や、大須商店街での”お練り”もあったようだ。弁当はいつも「スギモト」ばかりだったので、この日はわざわざ松坂屋で名古屋の老舗仕出し「八百彦本店」のものを買い込み2階席へ。客の入りはいまひとつで、1階は分らないが2階は3分の1くらいしか埋まっていない。平日の昼間だから仕方がないがちょっと寂しい。なかなかいい配役だと思うんだけどなァ…。新しい会場ではあるが、やはりS席2万円超、C席でも6千円っていのはちょっと高いような気が。観客の裾野を拡げる為に少なくとも歌舞伎座並みの値段にして欲しいものだ。

 

演目の最初は大定番「義経千本桜」の「鳥居前」。ついこの前、愛之助で「道行初音旅」「川連法眼館」を観たが、その前段となるお話。兄の彦三郎は男らしい顔立ち、弟の亀蔵は高貴な顔立ち、という昨年襲名を果たした兄弟の雰囲気の違った演技も見もの。静御前は尾上右近。早見藤太を演じる橘太郎のコミカルな演技で会場が暖まる。松緑は目をつぶっていても松緑と分かる口跡。この日の忠信の化粧も彼の豪快なイメージとぴったりという感じで映えていた。 

次は時蔵、梅枝の親子で演ずる舞踊「二人椀久」。幽玄な舞台や照明のもとでの何とも幻想的な踊り。旦那と太夫の関係だが、これを親子で踊るってどういう感覚なんだろう。歌舞伎役者ってそういう所は超越しちゃってるんだろうなァ。時々シンクロする振付にゾクッとする。

自分の席のすぐ近くに”大向う”(「〇✕屋!」とかの声を掛ける人達)の方が座った。ちゃんと大向う用のパス(木戸御免)があるんだね、初めて見た。大向うには所属する会があると聞いたことがあるが名古屋にもあるのかな。土地の人ではないようだったが、平日昼間に休みを取って遠征するってどんな仕事をしている人達なんだろう? そんな世界に興味津々。

そして最後は人情ものの「野晒悟助」。話は関西が舞台だが、喋り言葉は江戸言葉。御年76歳の菊五郎が2人の女性に求婚されるイキの良い若いのというかっこいい役柄。歌舞伎では当たり前だけれどさすがに年齢的なギャップが大きいかなと最初は案じたが、なんの芝居が進んでいくと、その力強い口跡と台詞回しのかっこよさからすぐに馴染んで気にならなくなった。さすが菊五郎。にしても梅枝と右近というどちらも昇り調子の美形女形2人を従えるとは贅沢(笑)。ここでも橘太郎のとぼけた演技が楽しい。最後の立ち回りも派手で見応えあり。楽しい見世物だった。夜の部も行きたくなっちゃったなァ。

 

一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

鳥居前

佐藤忠信実は源九郎狐  松緑
源義経                坂東亀蔵
静御前                尾上右近
早見藤太              橘太郎
武蔵坊弁慶            彦三郎


二、二人椀久(ににんわんきゅう)

椀屋久兵衛     時蔵
松山太夫       梅枝


河竹黙阿弥 作
酔菩提悟道野晒

三、野晒悟助(のざらしごすけ)

野晒悟助         菊五郎
提婆仁三郎       左團次
六字南無右衛門   團蔵
忠蔵             権十郎
小田井           梅枝
お賤             尾上右近
お牧             橘太郎
詫助             秀調
後家香晒         魁春
浮世戸平         梅玉

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