ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Madcap Laughs / Syd Barrett

2018年10月11日 | プログレッシヴ・ロック

The Madcap Laughs / Syd Barrett (1970)

シド・バレット(Syd Barrett)のファースト・アルバム。邦題は「帽子は笑う…不気味に」。バンドとしてのピンク・フロイド(Pink Floyd)と、その創始者であり初期リーダーであったシドとのその後の関係はとても特殊で、喧嘩別れした訳でもなく、音楽の方向性の違いが露呈したという訳でもなく、薬物中毒や精神疾患で離脱した後も、メンバーと新メンバーのデイヴィッド・ギルモア(David Gilmour)の協力を得てアルバムを制作した。それがこのアルバム。その音像はまさに”サイケデリック・ポップ”。フロイドのファースト「The Piper At The Gate Of Dawn」での彼の影響力を証明するかのように、それ直結の煌びやかで切ない音世界が展開されていく。

初めて聴いた時に思ったのは、デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)の初期はシドの影響がこれだけ強かったのかということ。自分はボウイの方を昔から聴いていたので、彼が初期のフロイドの曲をカヴァーしていたのはもちろん知っていたし、事あるごとにその影響を語っていたので事実としては知っていたが、ボウイのグラムロック期以前のアコースティック主体で奏でられる音楽が、まんま”シド(=初期フロイド)”に聴こえる。シンパシーがあったかどうかは知らないが、精神疾患というワードだけを切り取るとついボウイの肉親(兄)の事も想像してしまう…。

それはさておき、このCDにはボーナス・トラックも加えられているので、正規曲がどれほどオリジナルに忠実なミックスなのかは知らないが、録音ブースのマイクの音声が入ったり、歌い直しがあったりとデモっぽいサウンド。少しくらいのミス・トーンや歌の破たんはそのままに編集してある。それで未完成に聴こえるかというとそんな事は無く、完全にあの時代のサイケデリック音楽を体現するようなアルバムに仕上がっている。これもフロイドのファーストも、もっと早く聴くべきだったなァ。

オークションにて購入(¥614)

  • CD (2002/4/16)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : EMI Europe Generic

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