ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Legacy Of Fats Waller

2014年03月23日 | ブルーズ

Fats_waller

The Legacy Of Fats Waller (1990)

戦前のジャズ・ピアニストで、当時の映画にも出演しているファッツ・ウォーラー(Fats Waller)。「Blue Bird」というレーベルから出ている2枚組のアンソロジー盤。インストゥルメンタル曲、ヴォーカル曲などバラエティに富んだ選曲で1929年から1942年までの音源を収録している。この盤は一応BMGビクターから出た日本盤だが、詳しい曲目解説以外の情報はあまり出てこない。もちろん時代が時代だけに、収録曲はレコード盤起こしで、ノイズも入るし、音はあまり良くない。

ジャズに詳しい人には当たり前の事なんだろうけど、彼の演っているジャズ音楽は他のジャンル(ブルース、リズム&ブルース、ゴスペル)などとの音楽的垣根が低く、ジャンル分けが難しく、あまり意味のないことのようにも感じる。以前は自分がこの頃の音楽に影響を受けているとの認識は無かったが、最近になって「あ、そうか!」と気付いた。そう、自分は小学生の頃に夕方、繰り返しテレビ放送された「トムとジェリー」を見続けていたのだ。それこそ何回も何回も再放送を繰り返していたので、音楽も体に沁み込んだ。そこに流れていたご機嫌な音楽は当時の大衆流行音楽、それもちょっと「黒い」方面の音楽が多かった(そのため「トムとジェリー」はその暴力描写と流行音楽で、当時からアメリカでもあまり子供に勧められない低俗なものとされていた節がある)。クラシックはもちろんの事、ジャズ、デキシーランド・ジャズ、ブルース、R&B、ゴスペル、ブギウギなど、まさにこのアルバムに収録されているようなご機嫌な音楽が散りばめられていた。あまり好きだったので息子が小さい頃にDVDの全集を購入して、息子も一緒に、いまだにそれを繰り返し見ている(笑)。←ただし自分が好むのは「ハンナ&バーベラ」制作時期のストーリーに限る。

ファッツ・ウォーラーは名前だけ聞いた事があったが、この盤に収められている楽曲は、コロコロと転がるピアノで、どれもご機嫌だ。スイングするもの、しっとり聴かせるもの、いろいろなスタイルで弾いているが、タッチは意外と繊細。過去にファッツが出演した映画の場面をYou Tubeで少しだけ見たが、その愛嬌ある容姿と歌声と相まって、見ているこちらも楽しくなってくる。道化を演じていたのが彼の本意ではなかったとしても、音楽の楽しさは変わらない。。この盤を聴いても「ファッツ=太っちょ」と呼ばれた巨漢の指がピアノの鍵盤の上を踊っている姿が目に浮かぶよう。まさに「トムとジェリーの音楽」が好きな自分のような人間にはうってつけ。

中古店で購入(¥50)

  • CD (1990/9/21)
  • Disc: 2
  • Label: BMGビクター

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    2 コメント

    コメント日が  古い順  |   新しい順
    ハリー様 こんばんは (GAOHEWGII)
    2014-03-23 23:20:58
    ハリー様 こんばんは

    40年代のジャズは、まだまだるつぼの音楽なのだと思います。
    こういうのを聴きながら、向こうの人たちは食事をしたり
    お酒を飲んだりしたのですねー。

    そんな音楽を50円で・・・大変お上手です。
    返信する
    GAOHEWGII様、こんにちは。 (ハリー)
    2014-03-24 16:04:46
    GAOHEWGII様、こんにちは。

    >こういうのを聴きながら

    この頃の映画で見る黒人のクラブとかは雰囲気ありますね。
    本当は怖いところだったんでしょうけれど。
    返信する

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