ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

若松園 @愛知県豊橋市

2017年10月07日 | 愛知県(三河・老舗)

東海道吉田宿・豊橋でも歴史ある和菓子屋へ寄ってみようと思い、訪ねたのは街道沿いの本陣跡近くにある「若松園」。創業は明治27年(1894)だが、町史には江戸末期に「若松屋」という屋号で既にあったと明記されているのだとか。昭和初期に昭和天皇に菓子を献上したという由緒ある店だ。店先に店の菓子に関する記事が貼り出してあったのでチラッと読んでみたところ、「ゆたかおこし」という菓子が名物だそう。それと井上靖の自伝小説「しろばんば」の中にこの店にかつてあった喫茶部で食べた「黄色のゼリーの菓子」が美味かったという記述があるのだとか。その「黄色いゼリー」が復刻されて売られているとのことなので早速店に入ってみた。

老舗らしく落ち着いた雰囲気の店内にはガラスショーケースの中に様々な菓子が並んでいた。ちょうど「ゆたかおこし」が試食出来るようになっていたのでひとついただいてみた。落雁に餡を挟んだような感じの味。こういうのどこかで食べたことあったなァ。ただこの日は外がかなり蒸し暑く、こういう菓子を食べたいと思うような陽気ではなかったので次の機会にして、店先で目に付いた「黄色いゼリー」を嫁の分も合わせて購入した。持ち帰ったゼリーは冷蔵庫に入れておき、後日いただく。夏みかんが使ってあるというゼリーは袋を開けて器に盛ると自然に崩れるくらいの柔らかさ。中に夏みかんの実が入っていて(日向夏とのこと)いかにも涼しげ。口に含むと甘酸っぱく、つるんと喉を通っていった。戦災でレシピを失ったらしいので、戦前に喫茶部で提供していたものと同じではないだろうが、夏らしい美味しいデザートだった。(勘定は¥378/個)

 


 

↓ 「豊橋ハリストス正教会・聖使徒福音者馬太聖堂」(大正2年・1913・建造)。国の重要文化財に指定されている。曇天なのが惜しい。中を覗いてみたかったがこの日は閉まっていた。

 

 

 

 


 

 

御菓子司 若松園

愛知県豊橋市札木町87

 

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