Making Movies / Dire Straits (1980)
マーク・ノップラー(Mark Knopfler)率いるダイアー・ストレイツ(Dire Straits)の3枚目のオリジナル・アルバム。地元イギリスをはじめヨーロッパで大ヒットした作品。自分が彼らを聴き始めたのはこのすぐ後で、ちょうどこのアルバムのアウトテイクだった「Twisting By The Pool」が後にEPとして発売された頃から。なので発表当時、日本でどういう扱いを受けたかは全く知らないが、MTVでのヒット以前の彼らはどちらにせよメジャーな扱いだったとは思えないがどうだろう。
決して声を張り上げず、呟くように、囁くように歌うノップラーのヴォーカル・スタイルはデビュー当時から全く変わらないが、当時地元イギリスといえば、パンクこそ下火なれどニュー・ウェーヴの波が音楽界を席巻していた頃。シンセサイザーを扱うバンドが増え、誰もがポップに舵を切っていた(ダイアー・ストレイツも結果的には数年後にその波に乗るわけだが…)。このアルバムからはそういった影響は微塵も感じられず、泰然自若といった感じ。
アルバム冒頭のロックな曲も激熱にはならず、哀愁を帯びたギター・サウンドであくまでも彼ら流の大人しめのノリ。不思議なもので彼らに似た音楽性のバンドを探そうとしてもなかなか頭に思い浮かばない。なんでもノップラーがパティ・スミス(Patti Smith)の「Because The Night」(ブルース・スプリングスティーンとの共作)を聴いて、プロデューサーのジミー・アイオヴィン(Jimmy Iovine)に連絡をしてプロデュースをしてもらったのだとか。5曲もカットされたというシングル曲も耳に残る派手さは無いが、各曲の完成度が高く、聴き始めるとずっと流していたくなる不思議な魅力があるアルバム。
オークションにて購入(¥495)
- CD (1990/10/25)
- Disc : 1
- Format : Import
- Label : Warner Bros / Wea