ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

酒井亭 @岐阜県大垣市

2018年11月11日 | 岐阜県(西濃・老舗)

ずっと前から一度入ってみたいと思っていた大垣市の蕎麦屋「酒井亭」。こちら日曜休み、昼営業のみの店とのことでなかなか機会が無かった。ある祝日に店が開いていると知って何年か越しのやっとの訪問。古体な店構えで雰囲気がある。創業は昭和28年(1953)と思ったより古くないが先代が京都で修業し、しばらくは京都で店を開いていたのだとか。暖簾をくぐって中に入ると思ったよりこじんまりとした店内はテーブル席と小さな小上がり席のみ。ただ人気店なので給仕の女性は3~4人も立ち働いている。この日もほぼ満席の盛況だ。一番奥の小上がり席に案内された。銘の入った湯呑みが置かれたが、達磨大師がざるそばのせいろを重ねた風流な図柄。品書きを眺めて、そうだ、車じゃなかったと「御酒」と「板わさ」をお願いした。給仕の女性が猪口を選ばせてくれる。

酒はぬるめに燗をつけてもらった。「板わさ」はピンク色の縁の蒲鉾。さすがに東京の老舗蕎麦屋で出るような小田原の蒲鉾という訳にはいかないが、その辺のスーパーで売っているようなものよりは歯応えがある(気がする)。醤油は”さしみ醤油”。このあたりでさしみ醤油というと大抵たまり醤油がスタンダード。正直自分は家ではほとんど刺身にたまり醤油は使わないが、たまにはいい。ゆっくりと蒲鉾をつまみつつ酒をやる。いい気分だなァ。

もちろんこちらの名物「にしんそば」を頼まない訳にはいかない。後から運ばれた「にしんそば」はにしんの姿が見えなかったので間違えられたかなと思ったらつゆの中に沈んでいた。にしんの加減は自分で調節したいので沈めて欲しくない…。まずは甘辛く味付けされたにしんをそばの上に避難させ、つまみとしていただく。思ったよりも甘さは控えめ。いいタイミングで酒を呑み干し、そばに移行する。刻みネギは別添え。つゆがにしんの甘味で侵食されないうちにつゆもいただく。京都由来だというすっきりとしたタイプ(って京都で蕎麦を喰ったことはないが)。その頃にはにしんが軟らかくなってきてつゆと馴染み始めた。味の強いにしんの棒煮だと蕎麦と合わないとずっと思ってきたが、こうやって馴染んでくるとなかなかいいものだ。手繰り終わった後にはつゆも多めにいただき、勘定してもらった。(勘定は¥1,800程)

 

 


 

↓ 高屋町の水路沿いにあった「旧・平和パーマ」(建築詳細不明)。よく見ると大きい広間のある和風建築が基になっている。2階が広そうなのでお座敷があった建物のような気がするが…。

 


 

蕎麦舗 酒井亭

岐阜県大垣市御殿町1-52

 

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コメント
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