ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

That Black Snake MmmmmmOAN / Various Artists (ブルース&ソウル・レコーズ)

2015年04月16日 | 雑誌付録CD

That Black Snake MmmmmmOAN / Various Artists (ブルース&ソウル・レコーズ) (2007)

「ブルース&ソウル・レコーズ」誌の2007年10月号の付録CD。当時「Black Snake Moan」という映画が公開され、それにちなんでブルースの常套句である「Moan(うめく)」をキーワードに選ばれた14曲が収録されている。どれもクセの強い骨太のブルース。若かりしクラプトン(Eric Clapton)やキース(Keith Richards)を始めとするイギリスの白人ミュージシャンにはどうしても表現出来なかった「うめき」が聴ける。それでもただドス黒いだけじゃなく、「ブラック・スネーク」などの言葉をどういう意味に取るかで、卑猥さやユーモアが感じられたりするところが面白い。

この「ブルース&ソウル・レコーズ」誌は、「P-Vine Records」に代表されるブルース、ソウル関係の音源や書籍で群を抜く輝きを放つブルース・インターアクション社から隔月で発売されていて(※)、毎号オリジナルCDが付いてくる。こんなディープな内容の本が、アメリカから遠く離れ、文化も宗教も全く違う日本で発売されているのは驚きだし、付録のCDの内容も、さすがPヴァインと唸らされる充実の内容を誇っている。扱っているジャンルがジャンルだけに雑誌の情報量は多くないが、なかなか素晴しい雑誌だ。(※全然知らなかったが、現在は「スペースシャワー・ネットワーク」から発売されているとのこと)

現在ではなかなか想像し難いほど劣悪な環境だったろうアメリカの黒人奴隷社会から生まれた音楽、ブルース。プランテーション(農場)や教会から生まれ、歌い継がれていった苦しみの歴史と、それとは別に女性関係や薬関係の世俗を、ダブル・ミーニングを多用して歌った大衆歌としての一面がある。それが現在の黒人音楽にどれくらい影響力があるのかは知らないが、遠いアジアの国、日本では70年代から結構深い考察がされ、名編集盤と呼ばれるレコードや、詳しい書籍も発売されていたと聞いている(未所有)。自分は好きなロック・アーティストのルーツとして聴き遡っていくという聴き方をしてきたが、買ったレコードやCDはもう結構な数になっている。ただ、一部を除いて1人のアーティストの作品ばかりずっと聴いていると飽きてしまうので、この付録CDのような編集盤の方が好き。大物アーティストがたくさん収録されているところもいい(正直言うと、あまり自分がよく知らないブルース・アーティストを聴き続けるのは辛いので…)。 

01. THE SOUL OF JOHN BLACK - Moanin'
02. KATIE WEBSTER - Pussycat Moan
03. LIGHTNIN' HOPKINS - Moaning Blues
04. OTIS RUSH - Groaning The Blues
05. JOHN BRIM TRIO - Humming Blues
06. HOWLIN' WOLF - Moanin' At Midnight
07. FLOYD JONES - Big World
08. LITTLE WALTER & BABY FACE LEROY feat. MUDDY WATERS
                              - Rollin' And Tumblin' (Part 2)
09. SON HOUSE - Levee Camp Blues
10. ALLEN SHAW - Moanin' The Blues
11.CLARA SMITH - Texas Moanter Blues
12. TEXAS ALEXANDER - Levee Camp Moan Blues
13. VICTORIA SPIVEY - Black Snake Blues
14. BLIND LEMON JEFFERSON - That Black Snake Moan

 ブックオフにて購入(¥400)

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