ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Lifehouse Elements / Pete Townshend

2015年02月21日 | クラシック・ロック

Lifehouse Elements / Pete Townshend (2000)

ザ・フー(The Who)のピート・タウンゼント(Pete Townshend)の壮大なる音楽構想「Lifehouse(ライフハウス)」。結局当初の構想通りには完成しなかった作品は、当時(71年)名盤「Who's Next」として発表される訳だが、その後もデモや未発表曲が別の作品となって発表され続け、とうとう2000年には集大成6枚組の限定CDボックスとして(たぶん)完結した。その作品の中から選りすぐられたのがこの「Lifehouse Elements」。フォーマットの違う音源や演奏の寄せ集めだけに、これを聴いて全て良し、という訳にはいかないが、もともとライフハウスのコンセプト全体よりも、個々に発表された数多くの作品が好きな自分にとっては、散々ブートレグ(海賊盤)で弄ばれ、今更正規盤6枚組を買おうとも思わず、これでエッセンスを感じ取る事が出来れば御の字。ただ、「ライフハウス」と聞くだけで、未だにどうしても気になってしまうのはファンの性か…。

バンド(The Who)で演奏させる前に、ほぼ完璧な自演デモを作ることで有名なピート。その作品群は「Scoop」などとしても発表されているが、このアルバムも全体の雰囲気はそんな感じ。もちろん最近のライヴ音源を加工したものなんかも挿入されている(ラップなんかが入ってイマイチだが)。鼻声のピートは、ロジャー(Roger Daltrey)の力強いヴォーカルとはタイプが違い、特に音数の少ないデモでは別の魅力がある。ティーンエイジャーの代弁者だった若かりし頃のピートの声は、頼りなげだけれど、強い人間、あるいはハンサムな人間には解り得ない弱みとかコンプレックスを表現するにはもってこいだったんじゃないか。これだけの才能がありながら、彼自身その容姿にはかなりコンプレックスを持っていたようだし。全く天才は違うよ…。シンプルな演奏が多いだけにアコースティック・ギターへのハードなアタックなんかが聞こえてくると、今更ながらピートのギタリストとしての非凡さをも感じとることも出来る。最初に関連作品が発表されてから長い年月が経っても、どうして?というくらいこのコンセプトに拘り続けるピート。結局後年のソロ作品でも「ライフハウス」のコンセプトは引きずっている訳だからスゴイ。自分はライフハウスのコンセプトなんてまるで理解していないけれど、この頃に作られたピートの曲は、やっぱり今聴いてもグッとくるものがあって、いつまでも魅力的なんだよなァ。 

オークションにて購入(¥1,625)

  • CD (2000/5/23)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Redline Entertainment -- Red -
コメント (2)
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