88年発表のフリクション5枚目のアルバム(ライヴ抜きだと3枚目か)。ハードなギターと、重いベース、そしてレックの口から吐き出されるぶった切ったような言葉の羅列という基本的なスタイルは変わらず。
初期にあったエッジを取り戻したかのようなギターの音色と、少し裏返ったようなレックの声が印象的。ただ少しアイデアが単調でアルバムを一気に聴かせる勢いがないのは否めない。東京ロッカーズとして(一部から)脚光を浴びてから約10年が経ち、他のバンドは消えるなり、形を変えるなりしてすでにその原型を留めず。
時代がバブルだった事もあり、社会的に若者を苛立たせるような軋轢(フリクション)も表向き消えてしまったような浮かれた時代だった。ちょうどその頃に東京で暮らしていたが、「金満」というべき周りはすごい景気のいい話ばっかりだったなぁ。カネの無い(でも仕送りしてもらっていて全く無い訳でもない)学生の身分だった自分にはあまり実感がなかったが、今思えばとんでもない時代だった。そんな時代だったから余計に「過去に遡って」パンクや東京ロッカーズに興味をもったんだろう。
Replicant Walk / Friction (1988)
中古店にて購入(¥900)