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配偶者居住権の相続税における課税評価額

2020年02月07日 | 税務・会計
平成30年の民法改正に伴い、令和2年4月1日以後に開始する相続において、配偶者居住権が設定された場合には、配偶者が取得した配偶者居住権は相続税の対象となります。
(1) 配偶者居住権とは
配偶者居住権(以下、単に「居住権」といいます。)とは、被相続人の配偶者が、被相続人の財産である建物に居住していた場合にその居住建物の全部を無償で使用する権利を言います。なお、この居住権は、譲渡することが出来ず、また配偶者の死亡または合意解約、放棄等することにより消滅します。
(2) 居住権の設定および期間
  居住権は、遺産分割協議の他、遺言または家庭裁判所の審判により設定され、権利を発生させるためには登記をする必要があります。期間は配偶者の生存期間が原則ですが、任意の期間を定めることもできます。
(3) 相続税における居住権の評価額
  次の①および②により計算された金額の合計が課税評価額とされます。 
① 配偶者居住権・・・その居住建物の時価をもとに一定の評価を行った金額
② 配偶者居住権の敷地の利用権・・・その建物の敷地である土地の時価をもとに一定の評価を行った  金額
(4) 居住権が設定された土地建物を取得した者(他の相続人)の課税関係
その土地建物を取得した者の課税価額は、その土地建物の時価から上記①②の金額を控除した価格になります。
配偶者には最低1/2の相続権が認められていることからこのような事例は特殊かと思いますが、配偶者が再婚相手などの場合には当てはまる事もあるかも知れませんね。