株で勝つ!

最高のトレーダーは、安定的に機能する2つか3つの手法に気づき、そして、それを繰り返し使用するミニマリストである。

損切りシステムの有効な使い方

2004年11月02日 | 投資哲学・手法
株式投資では通年で見ますと60%以上の勝率も難しいと言われています。しかし、弊社では2勝1敗(67%)以上の勝率を獲得することは難しいことはでないと考えていますし、それを達成することにこだわってソフトを開発しています。

但し、そのためには『弊社独自の投資理論』と『ソフトを使えるようになること』と『様々な細かいコツを覚えること』が条件になります。言い換えますと、67%以上の勝率を獲得するには『一定の努力』が必要になるということです。

もちろん、年間の投資チャンスを2回程度に押さえれば67%以上の勝率を得ることもできますし、売買回数が多くなれば60%程度に勝率が落ちても十分大きな利益を獲得することもできます。

いずれの場合にも共通することは『投資した銘柄に対して100%勝つことは不可能』なことです。不可能と考えて投資をする投資家と、100%達成すると考えて投資する投資家ではどちらの投資家が勝者になるかと言いますと、それは「100%は不可能」と考える投資家です。

但し、銘柄を選ぶ時、買いたい価格を選ぶ時には『100%を達成しよう』と考えて選ぶ必要があります。しかし『買ったあとは、100%勝つ』と考えて投資するのではなく、市場の動きに合わせて投資しなければなりません。

多くの投資家は『株式市場は今後このように動くだろう』という考えを持っています。そして、その考えに基づいて投資戦術を決定しますが、その時の考えの根拠は『その時点での根拠』であり、それは個人投資家が決定するのではなく、その根拠に影響を与えたり、決断する権力を持っている人が決定します。例えば、政治家・官僚・企業経営者・エコノミストなどであり、また海外の政変や経済政策、戦争、商品市況の動向、さらには金融政策、為替政策が決定します。

これらに、自分以外の投資家の株式市場に対する考え方が加わって『株式市場がどう動くか』が決定します。したがって、個人投資家が株式投資で勝つには『自分以外がどう動くか』を常に検証し続ける必要があります。しかし、仕事を持っている個人投資家が検証し続けることは不可能です。

そこで色々なレポートを見たり、ニュースを見たりして『結果の推移』を見て判断することになります。これが時間がない個人投資家が対応できる唯一の方法となります。
つまり、個人投資家にとっては最大の難関は『時間が取れない』ことなのです。この難関を認識できることも株式投資の勝者になるには絶対に必要なことです。そして、ソフトの最大の役割は時間の短縮にあります。

株式投資では『ターゲット=テーマ』を決めることが最も大切です。そして、ターゲットが決まると、そのあとにすることで『最良の方法』がほぼ決まっています。
目的が決まれば『その目的を達成するために行うことのうち最良のこと』は決まっているのですから、『その最良の方法を時間が短縮できるコンピューターを使って行う』ことが最も効率的です。しかも、この場合プロと同じ手法をアマチュアの個人投資家ができますので、株式投資で勝つ確率は『個人の投資レベルで行う』場合に比べて優位になります。
そして、これが個人投資家が投資ソフトを使う最大のメリットではないかと思います。

さて、本題に入りますが、前述しましたように『株式投資には損切りは100%起こります』ので、株式投資の勝者は『損切りが上手い投資家』で、株式投資の敗者は『損切りが下手な投資家』と言い換えることができます。

◇損切りの手法
損切りの方法は以下の3つがあります。

(1)買値から何%下落したら損切りする
この方法はストップロスと言って最も一般的な方法で、外国人投資家や金融法人、証券会社の投資家が使っている方法です。
この方法の欠点は『損切り』をした時には100%損が発生することです。このため個人投資家にとっては難しい損切り方法となっています。
一般的には10%下落したら売る方法が採られていますが、10%損をしたところで売りを決断するにはルールが必要であり、またルールを守らないと例えば首になるなどのペナルティーが必要です。
したがって、運用の専門家で給料をもらっている人に向く損切り方法と言えます。

(2)高値から何%下落したら売る
この方法は多分ケン・ミレニアムが一番最初に作ったものです。
この方法の基本の考え方は『投資家は自分の買値を基準に判断する』が、自分以外の投資家は『その銘柄の高値と安値を基準に投資判断している』ので、個人の買値には意味がないということです。
ここから、高値から何%下落したら売却する(損切りとならないケースもあります)という考え方が正しいと思っています。

ここで問題なのは何%下落したら売るかです。もう駄目だと思って売ったら、売ったあとに株価が急に上昇してしまった経験をした投資家は多いと思いますし、この経験があるから『なかなか損切りができない』わけです。

しかし、よく考えますと『株価が上昇している間は、何%までの下落は利益確定売りによる下落であり、その売りが終われば再び上昇する』という株価の習性が、個別銘柄ごとに下落率は違うけれどもありますから、個別銘柄ごとに『この銘柄は何%までの下落は売る必要はなく、何%以上下落したら売ったほうが良い』という数値を計算し、その数値によって損切りの判断をすれば、何も考えずに『勘』で判断していた時に比べてれば遥かに的中率は高くなると思います。

この方法で売却の判断をする投資ソフトの機能をケン・ミレニアムでは『高値ロスカット』と呼んでいます。ストップロスは『損をそれ以上増やさないように止める』ことがコンセプトですが、ロスカットは『損をカットさせる、損しないように売る』意味があります。もちろん、相場ですから100%はなく、また投資判断は難しくなかなか決断できないものですが、この方法を採れば『決断のための背中を押す』効果はあると思います。

この方法ですと、具体的には、「12%下落したら売る、20%上昇したら売る」と決めた場合に、株価が18%上昇したところで止まって下落に転じたとすると、18%上昇した高値から12%下落したところで売れば、『買値から6%上昇したところで売る』ことができます。

あるいは7%上昇したところで下落に転じた時にも12%から7%を差し引いた6%の損で売ることができます。このように損失が少なければ『売る決断』ができますので、個人投資家にとっては、ストップロスよりも高値ロスカットの方が使い易いのではないかと思います。

(3)買ってから、銘柄ごとの上昇期間が経ったら売る
個別銘柄の動きを見ていますと、銘柄によって1回の上昇相場の上昇期間が違っていることが分かります。
上昇期間は『その銘柄が持っている成長性や投資家の人気度、値動きの軽さ』などで決定しますが、いずれにしても『銘柄によって上昇期間が違う』のですから、銘柄ごとに上昇期間をチェックすれば、その銘柄が1回の上昇で続く上昇期間まで経過したときに『一旦売却して次の投資に備える』ことができます。

個人投資家の欠点の一つが『買った銘柄は儲かるまで売らない』ために、一つの銘柄を持つ期間が長くなってしまうことです。その間に大きな下落が起こりますと『評価損が大きくなり過ぎて売らずにずっと持つ』ことにもなります。
つまり、資金効率が非常に悪いのがプロとアマの大きな違いと言えますが、一定期間が経過したら『一旦売却して仕切りなおす』投資方法を採れば、失敗した時も大きく損をすることがなくなり、また次のチャンスで常に投資資金がある状態にもできます。
ケン・ミレニアムでは、この考え方を基にして『期間ロスカット』という機能を持つソフトを作りました。

以上、代表的な損切りの仕方は上記の3つとなります。このなかのどれかを採用するだけでも投資成果は大きく変わってくると思います。

ケン・ミレニアム株式会社 森田謙一 (10/29)