株で勝つ!

最高のトレーダーは、安定的に機能する2つか3つの手法に気づき、そして、それを繰り返し使用するミニマリストである。

見通しと技術

2004年08月31日 | 株式入門
 「株式投資」を説明する際、「航海」や「波乗り(サーフィン)」に例えた話
が多いようですが、言葉のイメージからは「航海」は遥か遠くの目的地を目指す
のに対し、「サーフィン」は“波に乗る”ことを目的としている、といった違い
が感じられます。例えば「株式投資」を「航海」に例えてみますと以下のように
なります。

 航海をする際はまず目的地を定め、その目的地に到達するための計画を立て、
準備を行います。さらに航海するにおいては海についてよく知っていること、天
気図や海図が読めることが必須条件となります。(もちろん始めのうちはそれら
について習い覚える必要があります。)

 さらに、航海するには船が必要です。航海の目的と自分の能力に合った船を選
ぶことが肝要です。その際、“速い”というだけで船を選びがちですが、そのよ
うな船は小船であることが多く、速度が続かなかったり、突然ひっくり返ったり、
沈没する速度も速かったりするケースがありますのでよくよく注意が必要です。

 ところで、株式投資を航海に例えた場合、用いる船は帆掛け舟であり、どれに
乗るかは自由に選べます。また、飛び乗ることや飛び降りることがいつでも可能
であり、降りた箇所で留まり辺りの様子を見た上で、船を選び直すことも、航海
自体を止めることもできます。
 
 いよいよ出航する際は、この先の航海が順調に行くであろうという「見通し」
が必要です。「見通し」は大切であり、航海のどの時点でもそれが必要になって
きます。しかし、いざ船に乗ってしまえば操舵の「技術」が決定的に重要となり
ます。どのように精度の高い見通しでありましても外れることがあるもので、波
や風といった常に変化している環境に対応するには「技術」が必要です。

 多くの投資家は「この先上がるのか下がるのか、それはどの程度なのか」とい
う「見通し」や「銘柄(上記の例で言えば“船”)」にばかり気を取られますが、
「技術(情報やデータの見方、出処進退の仕方)」についても学ぶ必要がありま
す。

ハロー!株式 04/08/30 夕刊

節目について

2004年08月27日 | 相場/株価の変動
 相場解説では「節目」という言葉がよく使われます。それは移動平均値のよう
なテクニカル上の値であったり、1000円や2000円といったキリのいい水
準であったりします。また、過去において高値や安値となった水準も「節目」と
呼ばれます。

 一般的に言いますと、高値や安値といった水準は片方の勢いがピークにある時
であり、反対の勢力がそれを上回ったポイントでもありますから、必然的に出来
高が増加することになります。例えば、それが高値の場合、一旦反落後に再度そ
の水準を抜けるには、その水準ではいわゆる「ヤレヤレの売り」が待っているた
め、前回の出来高を一挙に上回るか、日数をかけて売りを吸収する(商いをこな
す)必要があります。また、ここで反転したという水準的な記憶も心理的に上値
を重くする要因となります。

 これがために出来高や売買代金の増減が注目されることになり、「この水準を
抜けるには出来高増が必要」といったことが言われます。

 現在の日経平均の水準は、昨年9月と10月に付けた2点天井と同水準にあり、
一旦反落した後に今年1月に付けた高値とも同水準にあります。つまりこの水準
で頭を抑えられたことが直近で3回あり、当然この水準での出来高も比較的多く
なっています。そういった観点からも、この水準でもたつく要因というのは存在
します。

 もちろん現時点ではこの水準で積極的に売りを出す理由は乏しく、下値を堅め
つつ次の節目、例えば75日線にトライする準備段階であると見ることができま
す。

ハロー!株式 04/08/26 夕刊

成功した投資家達の言葉

2004年08月26日 | 投資哲学・手法
ダイエットがトレーディングと類似していると思います。ほとんどの人たちは、どうしたら体重を減らせるのか分かっているのです。つまり、減量のためには運動をして、脂肪摂取量を減らさなければならないことを知っているのです。
 しかし、このような知識は広く知られているのにもかかわらず、減量を目指す人々の大部分は失敗するのです。なぜでしょう?それは、彼らが自分の感情を抑えられないからなのです。

              〆 〆 〆 〆
ストレスのもとで多くの人が下すもっとも一般的な決定は“決定しない”ことです。

              〆 〆 〆 〆
常に最悪のケースとするポイントを決めておくべきだろう。

              〆 〆 〆 〆
成功するトレーダーはだれでも、最終的には自分の性格に合ったトレードのスタイルを確立しているということです。

              〆 〆 〆 〆
あなたが売買の判断をする際に問題があるとすれば、優柔不断さです。信念も計画もないから、どうしていいのか自信がもてないのです。

              〆 〆 〆 〆
勝者は、結果について責任を持たなくてはならないことを知っています。敗者は、自分に責任はないと考えているのです。

              〆 〆 〆 〆
株式市場で成功するには、しっかりした考え方、柔軟性、そして我慢することです。売買する前に待ちなさい。

              〆 〆 〆 〆
私は「辛抱、辛抱、辛抱」と自分に言い聞かせるようにしています。トレードする前に、状況が整うまで待つようにしています。

         (出典:「マーケットの魔術師」シリーズ等)

ハロー!株式 04/08/25 夕刊

感情と勘定

2004年08月25日 | 投資哲学・手法
 最近「感情と勘定は別もの」という言葉を思いださせるニュースが少なくありませんが、一般的に感情と勘定の観点がぶつかった場合、論点が違うためにかみ合わない議論になりがちです。

 相場格言にも「感情と勘定は別にせよ」という言葉があります。必ず利益を出さなければならない等、目先のやりくりのために相場を行えば必ず損をするというような説明がされますが、この格言はさらに多くの場面で通用します。それに関して以下のような設問に皆様ならどのように答えるでしょう。

A:50万円で購入した株が70万円になりました。もちろんその後はどうなるかわかりません。あなたは売りますか売りませんか?

B:50万円で購入した株が90万円になりました。売らずにいたら、70万円まで下がってしまいました。もちろんその後はどうなるかわかりません。あなたは売りますか売りませんか?

 Aのような設問の場合、売却して利益確定をすると答える人は多いでしょう。しかし、実際に買い付けた銘柄がBのような動きとなった場合、70万円で売ることができない投資家は意外と多いものです。AとBの設問において株価水準は全く同じですが、状態においては「上昇中」と「下降中」という全く違うもので
あり、Aのケースでは勘定で判断し、Bのケースでは「もう少し待てばまた上がってくるのではないか」といった感情が優先してしまいます。

 上記のことから言えるのは、一般的に投資家の多くはBのような状況になった場合、確かな利益を得ようとするのではなく、損失拡大の危険を冒すような行動をとりがちだということです。上記2つのケースから、投資家心理として利益は素早く確定する傾向が強く、損失を出している(あるいはその可能性が高い)銘柄を処分するのは先延ばしする傾向があります。通常、リスクは回避したがるものですが、実際に自分が持つ銘柄が下がってきますと、その銘柄を長く持ってしまう傾向があり、結果的により大きなリスクを取っていることになります。

 あえて「利益を伸ばし、損失を限定せよ」という当たり前のことが言われるのは、認識することはできましても実行することが難しい“相場の世界”故のことです。

ハロー!株式 04/08/24 夕刊

わかりやすい局面は終局

2004年08月25日 | 相場/株価の変動
いま、オリンピックもたけなわ。努力した者への報酬を喜ぶともに、勝負の過酷さにも心を打たれる。スポーツは、実力の差がはっきりして金メダル間違いなし、といわれても、勝負は終わってみなければわからないもの。そこに人間の強さと弱さを垣間見ることができる。相場の世界も同じだ。

初心者が最初の勝負で勝つことがあっても、長い間勝ち続けることは不可能に近い。それは「木っ葉で集めていかだで流す」ようなことがいとも簡単におこるからだ。相場は上がるか下がるか確率50%の世界、やさしいことにも見えるが、実際は天国か地獄かの命がけの勝負だ。ディーラーとしての真価は、長い間の勝負の積み重ねにより明らかになる。では、その境目はどこにあるか。

「将棋がわかりやすい局面に入ったらダメ。勝負どころはもっと前にある。戦いが始まる前に、香車をあげるとか、端の歩をつく、なんていうのは、難しいというか考えづらい。でもそのへんが差をつける勝負どころになる」
これは、筆者が現役のころ、将棋の羽生善治王座(当時・七冠)がある雑誌のインタビューで答えていた「考える方法」にあった言葉だ。これを読んで、「ハタッ」と胸を打った。「これはディーリングの世界そのものではないか!」と。

株式にしろ、為替にしろ、相場の世界でも同じだ。方向がわかりやすくなった場合は、誰もが参加し、合成の誤謬が起こりやすくなる。しかし、その時は相場のピーク、相場の終盤の段階だ。また、相場の読みがやさしくなったときに、出来高が急激に増加する。それも終局が近いサインだ。
「ヘッジファンドが買っている」というニュースが流れたときはファンド筋の利食いが始まったときだ、というサインに似ている。

また「木っ葉で集めて・・・」についても同じような言い方があった。「はじめのミスは軽い。後からのミスは取り返しがつかなくなる。序盤から少しずつ利を重ねてきても、たった一手の終盤のミスで、ガラガラと崩れ去る負け方が一番罪が重い」との言葉だ。羽生氏の言葉は相場の世界にも役に立つ。

最近手軽に羽生氏の勝負へのこだわりを知る本が発刊された。「定跡からビジョンへ」(文藝春秋、2004)だ。これは将棋の天才と言われる羽生善治氏と、日本とパリを毎月往復し日本と欧米の有力企業のトップマネジメントに対するコンサルタントを行っている今北純一氏の対談録だ。本のサブタイトルは「勝てるビジネスの先はこう読め」とあるが、それは「勝てる為替相場の先はこう読め」ともいえる。「集中力を養う訓練と経験」はひとつの答えだが、本には、いろいろな戦局を想定した戦いの進め方が、
いたるところに宝庫のように詰まっている。

「大差をつけて勝つ必要はない。勝つのは一点差でいい。常にギリギリの価値を目指したほうが確実性が高くなる」。この言葉も味わい深い。

(ジェットFX通信 2004年8月24日、牛誰人)

株を始めたいのですが...

2004年08月23日 | 株式入門
◇質問◇ 株を始めたいのですが、何から始めたらいいのか、さっぱりわかりません。アドバイスを!

◇回答◇ まずは、証券会社に取引口座を作りましょう。
 ネットから、または電話で申込書を取り寄せ、必要事項を記入して送り返すだけなので、難しくありません。
 同時に、本屋さんへ行き、わかりやすそうな入門書を2~3冊買ってきて、基礎知識を身につけましょう。

「株式投資は、資本主義のナントカで、額面がどうのこうのの、株主資本がなんの、PERがどうの...」みたいな、小難しい知識は必要ありませんので、理屈っぽい本は避けましょう。
 なるべく、具体的、実戦的で、読んでいてワクワクしてくるような本を選びましょう。
 また、マネー雑誌が、いろいろ出ていますから、できるだけ読むように心がけましょう。

 証券会社に口座ができたら、楽天証券の「マーケットスピード」のような、リアルタイム株価情報ソフトを使えるよう手続きして、相場を観察してみましょう。
 楽天証券の「マーケットスピード」の場合、3ヶ月は無料で使えます。

 相場を観察しながら、まずは、「ソニーを△円で買った(つもり)、○円で売ったつもり」というような、シミュレーション売買をします。
 実際に売買する前に、最低3ヶ月、できれば半年は準備期間をおくべきです。

 そのあと、いよいよ売買を始めます。
 実売買は、できるだけ小さな金額でスタートしましょう。
 また、慣れないうちは、できるだけ投資期間を短くしましょう。
 売買を始めて、すぐに儲かっても「オレは天才だ!」と思ってはいけません。
 それは、単なる偶然です。(笑)

 株式投資をマスターするには、時間がかかります。
 3年、5年、10年と続けて、株式投資を究めるぞ、というような感覚で、どっしり構えて、勉強してください。

日本株の短期売買で月100万円稼ごう!(04/08/20)

「3年で日本に追い付こう」 サムスンの半導体神話を語る

2004年08月21日 | 韓国経済
 「3倍の速さで仕事をして日本の半導体に追い付こうと、故・李秉会長が宣言しました。電子産業に通じていた一部の社長たちは冷笑しましたよ。しかし、最終的に強い企業家精神でやってのけたんです」

 故・李秉(イ・ビョンチョル)サムスングループ会長の時代に秘書室長を務め、莫大な影響力を行使した蘇秉海(ソ・ビョンヘ/62)サムスン火災顧問は19日、本紙とのインタビューを通じ、80年代にサムスンが半導体事業に進出した経緯についてこのように説明した。

 「李秉会長は1980年に東京で経団連の経済評論家である稲葉博士に会いました。彼は、日本の電子製品が世界を制覇する理由は軽薄短小にあるとし、その源は半導体だと言いました。李会長はそこでアイデアを得たわけです」

 李会長は82年に米ボストン大学の名誉博士号を取得するため米国に渡り、IBMを見学した。サムスンは当時、相手先プラント供給(OEM)方式を通じ細々とコンピューターを生産していた時だった。

 李会長は、大手コンピューターメーカーであるIBMが半導体を作るその現場を見て、大きなショックを受け、「蘇室長、韓国に半導体がなければ近く米国か日本の隷属国になってしまう」と言った。

 直ぐにサムスンの社長団会議が召集された。

 「しかし、李会長の深刻な雰囲気を理解する人は2~3人に過ぎませんでした。ほとんどの社長は『そうかなあ』といった雰囲気でした」

 「すでに日本のメーカーを見学していた社長たちは『日本の技術力は相当なもので、われわれがそのようなことをするような時ではない』とし、反対しました」

 李会長は83年初めに再び日本を訪れた後、社長団会議で爆弾発言をした。蘇顧問は「当時は技術もなければ資金もなく、人材もいなかったため、李会長は総動員を命じた」と語った。

 「李会長は当時、『3年で日本に追い付こう。そのためには働く速度を3倍にしなければならない』と言いました。このため、通常では約2年かかる器興(キフン)半導体工場の建設を6か月で終えました」

 「技術開発と人材スカウトの全てを3倍のスピードでこなしました。IBMから人材を連れてきては、社長の3~4倍の給料をあげたりもしました」

 李会長は当時所有していた私財を投げ打って富川(プチョン)にある韓国半導体も買収した。

 また、当時は政府の規制が厳しく、許可1つ受けるのに50~100の判子が必要だったため、李会長は故・金在益(キム・ジェイク)大統領府・経済主席秘書官に会い、「国家のために行う最後の事業だ。大目に見てほしいと言っているのではない。ただ政府に関心を持ってもらいたいのだ」と話した。

 64KバイトのDRAMを開発してからも李会長は引き続き強引に推し進めた。1986年に1MバイトのDRAMを生産する前は、役員に新たな生産ラインを整えるよう指示した。

 すでに第1、第2ラインの建設で莫大な赤字を抱えていた時期で、3億4000万ドルもかかる第3ラインへの投資は自殺行為だと役員は皆、思っていた。李会長が工事の進み具合について訊ねると、「ただ今、建設作業中」とし、その瞬間瞬間をうまく、くぐり抜けた。

 そのうち李会長は「着工式に参加する」と言い出した。その日取りも1987年8月7日に決めてしまったという。李会長は着工式の3か月後に永眠することとなったが、サムスン電子の半導体神話はいよいよ本格化することになる。

崔弘渉(チェ・ホンソプ)記者 hschoi@chosun.com
2004/08/20

上方修正と下方修正

2004年08月21日 | 相場/株価の変動
 株式投資で面白いのは業績が必ずしも上方修正されたからと言って株価が上がるとは限らないこと。また、下方修正されたからと言って必ずしも下がるとは言えないことであります。
 つまり株価の水準、投資された方々の思いが株価に反映されているので、多くが期待値で買うなど、予め業績の結果や材料を予想しながら株価形成がなされているケースが多いと考えられます。

 常識的には上方修正は買い、下方修正は売りと言うことができますが、要はそのことがサプライズにつながることなのかどうか、相場全体の中でインパクトがあるのかどうかということなのです。

 つまり株価は期待値の変動を買ったり売ったりしていると考えても良いのかも知れません。絶対価値に対して実際の株価はプレミアムがついた格好で取引されていますが、相場環境が極端に悪化するとプレミアムがなくなり、絶対価値以下で時に投資することができる場合もあります。

 現状は景気回復、企業業績の回復、成長という期待値が膨らみ相場に多少のプレミアムがついている状態が見られました。
 その後の調整局面でこの期待値に対するプレミアムが縮小していて、かなり企業価値の実体に接近してきている可能性も見出せる状況になりつつあります。

 ただ、一方でここからの景気回復を疑問視する投資家にとっては多少でもプレミアムがついている状況は売りチャンスと映ってしまいます。だからこそ彼らは思い切って上方修正銘柄を売ろうと待ち構えるのではないでしょうか。逆に下方修正銘柄でもその理由や、企業の内容さえ良ければ逆に買おうとすることにつながります。
 相場は不思議な世界です。皆様が思っておられる以上に複雑なのかも知れませんが、長期的には必ず、企業価値が向上するに従い時価総額が増殖する傾向にあるということも否定できない事実です。
 どんな有名企業(ソニーなど)であれ、市場での評価が長期的にネガティブな状況下では株価の上昇は期待できません。景気の波に関係のない新たな成長戦略を打ち出した銘柄には高い評価が与えられます。

 現状は景気回復の波の中で各企業とも業績を伸ばして株式市場での評価を高めてきましたが、ここからはまた新たな投資の切り口を模索しておく必要がありそうです。

億の近道 2004/08/16

自分に合ったスタイルを...

2004年08月14日 | 投資哲学・手法
テキスト事前配布方式とテストゼミ

 自分が中学生の時に通った進学塾の夏期講習(「高校受験のための講習」)では、事前に全科目のテキストが配布された。ということは授業内容について、自宅で予習することが可能だった。真面目な受験生の多くは、予習をしてから毎日の授業に臨み、かつ講義終了後に何度でもテキストを復習していたようだ。
 その点、怠け者かつ親不孝者の筆者は予習など滅多にやらず、仮にやったとしても授業当日の通学時間中に運良く電車の席に座れた日に限って、テキストを眺めるだけであった。授業はそれなりに聴講したと思うが、復習などやることはなく、夏期講習を十分に活用していたとは言えなかった。それでも夏期講習にすら行かないと、朝寝坊をして、起きてからもダラダラと高校野球中継を全部観てしまうので、午前中だけでも進学塾に通って授業を受けた意味はあったように思う。
 ところが筆者が大学受験浪人中に受講した夏期講習に「数学テストゼミ」というコースがあった。これは予備校の教室で問題用紙を受け取り、最初の60分間は入試同様に問題を必死に解く。そして残りの60分間は、講師が当日の問題を解説する形式だった。テストの出題範囲は細分化されておらず、毎回が大学入試のスタイルなので、受講生は特に予習するわけでもなくテストゼミに臨む。まず60分間実戦を経験し、その後60分間反省会をすることになる。この方式は、「テキストを事前に渡されてもどうせ予習しない受講生でも、毎日60分間は必死に問題を解くことになる」「実戦形式を経験するので、間違った問題について記憶が残りやすく、同じ失敗を繰り返しにくくなる」といったメリットがあった。


長期投資にするか、短期売買にするか

 「テキストを事前に配布する通常の夏期講習」と「当日勝負のテストゼミ」のどちらが合っているかは、人それぞれであろう。しかしこれは株式投資にもあてはまる。
 「事前にじっくりと検討して投資銘柄を選んでから投資するタイプ」ならば「テキスト事前配布型夏期講習派」だろう。しかし「とりあえず何か買ってから(あるいはカラ売りしてから)状況に応じて臨機応変に売買するタイプ」ならば「テストゼミ派」と言えよう。
 つまり「売買する前に、時間と手間をかけて検討したうえで投資銘柄を選ぶ作業」は「授業の前にテキストの内容をじっくり予習すること」に似ている。逆に「これといった見通しを持たずに、とりあえず売買代金上位銘柄を買って(またはカラ売りして)から、チャートや信用取組や板状況の変化を見ながら地合をさぐって売買する手法」は「テストゼミで与えられた問題を時間内で必死に解いていく作業」に似ている。
 どちらかと言えば、「テキスト事前配布型→じっくり予習」が好きな人は「銘柄選択重視の中長期投資」が向いている。逆に「とりあえずテスト問題に対峙して、その場で解決していく作業」が好きな人は「ディーラーやデイトレーダー」に向いている。

自分に合ったスタイルを選択

 「受験勉強のやりかたも(夏期講習の講座選択)」も「株式投資の方針や手法」も、絶対的な正解はない。各自の目的に合っていれば、自分のやりやすいやり方を実践すればよい。無理して苦手なやり方を選ぶと、精神鍛錬にはなっても、成果はあらわれにくい。いやむしろ挫折しやすく、かえって精神衛生上よくない。
 「時間をかけて銘柄を検討してから買うのが好き」という方に「とりあえずポジションを持ってから修正を重ねていくディーリング」は合わない。「何度も損切りを繰り返す」という手法は苦痛に感じると思う。そういった方は、無理して短期売買に参加する必要はない。
 逆に「事前に時間と手間をかけて銘柄を選ぶのが苦手、あるいは面倒」という方は、無理して予習に時間を割く必要はない。とりあえず売買代金上位銘柄のなかから気に入った銘柄を1つか2つ選んで、「損切りライン」を決めたうえで、「買いポジション」か「売りポジション」を持ち、適宜ポジションを修正していくスタイルのほうが負担にならない。この時に、小単位のポジションからスタートする習慣をつけたい。いきなり大きなポジションを持つと、見通しが外れた際の修正が難しくなる。「兜町で大成功しているプロの自己売買ディーラー」でも、「朝一番の売買は最低単位でスタート(例えば、新日鉄ならば1000株、ソニーならば100株)し、1~2分間様子を見てから売買単位を大きくしていく」という人が多い。
 予習派でもテストゼミ派でも、どちらでもかまわない。各自が「自分に合った苦痛の少ないやりかた」で、株式投資を楽しみながら財産を増やしていくようにしたい。


東保裕之 株楽生活 04/08/13

勝ち組の人たちは...

2004年08月12日 | 投資哲学・手法
勝ち組の人たちは例外なく自分のルールに従ってトレードしています。
自分のフォームがきちんと出来ているのです。

買う売る切るすべてルールに従って行っているのです。
マーケットは自分の都合で動いていないからこそ、失敗したときにどうするかのルールは特に必要なのです。

自分のルールはいかなる場合でも決して曲げないというトレードの一貫性が非常に大切だと思います。

株は上がるか下がるかしかないのですから、勝ち組と負け組みの差はこれでしょう。

勝ち組の人たちも初めから勝ち組だったわけでは無いと思います。
試行錯誤の末自分のルールを構築出来たのだと思います。

道のりは決して簡単ではないでしょう。
しかしやるしかありません。

株高倶楽部 trader21 2004/08/08

「サムスン・LGの携帯販売伸張率、世界1・2位」

2004年08月12日 | 韓国経済
 サムスン電子とLG電子が今年第2四半期の携帯電話端末機販売部門でそれぞれ1、2位となり、世界最高水準の販売伸張率を記録したことが分かった。

 12日、関連業界によれば、技術調査会社の米ストラテジー・アナリティクスは第2四半期の実績分析報告書で、サムスン電子が昨年同期比91%の販売伸張率を記録、1位となったと評価した。

 また、LG電子も88%の伸張率でサムスン電子に劣らぬ実績を達成、韓国のトップクラスの2社が1、2位を占めたとこの報告書で明らかにした。

チョソン・ドットコム 2004/08/12

「相場で成功するために最も重要なこと」

2004年08月11日 | 投資哲学・手法
このシリーズ第1回の言葉として「相場で成功するために最も重要なこと」を選んだ。筆者の好きな言葉に「Once a dealer, always a dealer」があるからだ。

30年以上相場とともに歩んでいる間、何度となく「木っ葉で集めていかだで流す」愚(注)を経験した。その反省から、機会を見つけては、相場に勝つための訓練方法や秘訣を貪欲に吸収してきたが、その中で「これだ!」と納得したのがこの言葉である。

(注)「小さい利益を何回も積み上げた挙句、たった一回の大きな負けで 帳消しにしてしまうこと」。相場の世界で最も避けなければならない負け方と言える。

欧米の銀行、証券会社やヘッジファンドなどの稼ぎ手との会話のなかで、「成功するディーラーとはどんな人か」について聞いているが、まとめてみると、基準は、「よく訓練を受けている人」「24/7の意識で仕事をしている人」「夢のある人」であった。

ディーラーには「ピンからキリまで」いるのでなく「ピン(Caliber)とキリ(Mediocre)しかいない」、すなわち1%にも満たない「生まれつきディーラー」と、大多数の「後天的ディーラー」しかいないという。

その中で、一流ディーラーは「プレディクタビリティ(Predictability:期や年間などの一定期間のディーリング収益を、あらかじめ計算できる能力)を持っているかどうか」で決まるという言葉を聞いた。ではそれはどのような訓練で習得できるのか、その答えは次のとおりであった。

重要な点は「24/7の意識で仕事をする」ことだという。これは「1日24時間・1週7日間、収益チャンスをはずさず、また損失を未然に防ぐために、常に世界情勢を注視し、事が起こったら、敏速に行動を起こす」ことである。

また「夢のある人」という考え方には筆者も大変興味を持った。まず「長期的な視点での思考能力」が求められる。「今後1年間で起こるであろうイベントと、それに対するトレーディング戦略」を常に考える力だ。大きなトレンド転換を判断するときに必要な能力である。

加えて「独自のネットワークをもった上で、情報処理能力を高めること」も大切な点だ。これにより「自分独自のネットワークから得た情報から、ひらめきのあるトレーディング・アイデアを生み出す」ようになれば一流の仲間入りだという。

最後に当たり前だが難しいことは「負けないために何をしないか」を覚えることも大事なことだ。相場に「100戦100勝はない」。そのためには「ポジションを引きずらないことで、早く入り、早く出るコツを覚える」ことを体で覚えていかなければならない。キーワードやキーパーソンをつかまえるのはそのためである。

最後に、「相場で成功するために最も重要なこと」の答え。第1回に書いたとおり、「自分の知っていることは誰にも言うな」である。  


第37回【成功するディーラーになる第一歩】
(2004年8月11日、牛誰人)

<牛誰人プロフィール>
邦銀に入行後、変動相場制移行とほぼ同時に外国為替ディーラーとなり、ニューヨーク勤務、マーケット部門部長、日系証券会社役員、外資系銀行外国為替部門の在日代表等を経て、現在、外資系銀行顧問。外国為替の経験は30年以上に及び、その経験と人脈、分析力には定評がある。

二通りのアプローチ

2004年08月10日 | 株式入門
相場の先行き、持ってる株が上がるのか下がるのか、あるいはこれから買おうとする株は先行きどうなのか、投資家にとって先行きを占うのは永遠の課題です。

こうした相場を占う手法には、大きく二つあります。その一つがファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)分析といわれるものです。

昔から「株価は経済の鏡」といわれており、景気動向はもちろんのこと、為替や金利動向などが反映されます。株価の基礎となる会社の収益状況や将来性、あるいは合理化への取り組みなども材料として株価に織り込まれます。しかし、残念ながらファンダメンタルズ分析だけでは実際の株価の先行きを読み切れるものではありません。

その先読みを難しくしている大きな原因となるのが投資家心理です。通常、投資家心理というものは、現実の数値よりも気分や雰囲気に左右されやすいものであり、上がった株にしろ、下がった株にしろ、必ずその株を買った人と売った人がいますように、材料一つとりましても投資家によって読み取り方が違います。

そこでもう一つ、株価の先行きを読む方法として利用されているのが、過去の相場パターンや傾向を観察し、クセや節目となる水準を知り、経験則等を利用し今後の株価を類推するというものです。「相場のことは相場に聞け」という手法と言えるものです。

この手法のことをテクニカル分析あるいはチャート分析といいます。チャートが映し出すものは、株価の動きだけではなく、実際売り買いする投資家の心理を色濃く反映しています。

投資の際はファンダメンタルズを考慮することの他に、適切な売買のタイミングを計る上ではその銘柄の株価がどちらの方向に行きたがっているか、あるいは下げ渋っているのか上値で支(つか)えている状態にあるのか等を株価チャートで確認しておく必要があります。

お持ちの銘柄について今現在どのような水準でどのような状態にあるのかを株価チャートで今一度確認されてください。

ハロー!株式 04/08/10 夕刊

『風林火山』

2004年08月10日 | 投資哲学・手法
甲斐の武田信玄が「その疾(はや)きこと『風』のごとく、その徐(しず)かなること『林』のごとく、侵略すること『火』のごとく、動かざること『山』のごとく、知りがたきこと陰のごとく、動くこと雷霆(らいてい)のごとし」

という孫子の兵法書の1節から『風林火山』の四文字をとって旗印としたことは広く知られています。作戦行動にさいしては、疾風のように行動するかと思えば、林のように静まり返る。燃え盛る火のように襲撃するかと思えば、山のごとく微動だにしない。暗闇に身をひそめたかと思えば、万雷のように轟きわたる。孫子ではこれが勝利の条件と言っているわけですが、甲州軍団率いる武田流軍学の特徴もこの静と動の組み合わせにあったといわれています。

 株式投資にもこれは当てはまり、中途半端な投資判断は、概してよくありません。迷ったら何もしないという、山のごとく微動だにしない心得が正解と考えます。特にビギナーの方におきましては、迷うことがよくあるかと思います。そうした時は、何もせず、様子を見るのも相場です。そして、行くときには行くというメリハリが勝利の条件です。また、いくら勧められても、自分が理解できないものには手を出さない、これも鉄則です。

ハロー!株式 04/08/10 朝刊

信用評価損益率

2004年08月09日 | 相場/株価の変動
株式マーケットが下げ局面になってきますと「信用評価損益率」という指標が注目されるようになります。

 これは、市場全体の買い残にどれだけ評価損益が出ているかを示す指標、すなわち信用取引で株を買った人がどれだけ評価損があるかという度合いを示す数値であり、相場の天井、底値、暴落の局面を予測する際によく利用されます。

 簡単にその見方を申し上げますと、
「評価損益率が3%を割り込んでくるとそろそろ天井圏という目安となり、逆に下げ相場から評価損益率が10%を超えてきますと追証がかかる水準といわれ、多くの場合が連続して追証がかかる急落局面につながる傾向があります。そして15%程度まで悪化すると大底打ちとなる公算が大」ということになります。

 相場を見通す際には、上記で申し上げましたように一つの目安として利用します。ちなみに直近では推定でマイナス13%程度となっていますが、当面はこの指標がマーケットで注目を集めることになりそうです。

ハロー!株式 04/08/09 朝刊