株で勝つ!

最高のトレーダーは、安定的に機能する2つか3つの手法に気づき、そして、それを繰り返し使用するミニマリストである。

株式投資の勝者の投資のやり方は(II)

2004年10月28日 | 投資哲学・手法
株式投資で一番大切なことは精神的に冷静になることを心掛けることです。『働き一両、考え十両、見切り千両』という諺がありますが、この諺にはその上にもう一つの諺があります。それは『無欲万両』です。

プロゴルファーが優勝を決める大事なパットをする時に『大きな音』がしたことがあったのですが、終わったあとで「あの音が気にならなかったか」という質問に対して、ゴルファーは『音は聞こえなかった』と答えていました。これは精神を集中させるところまでの練習がもたらした結果だと思います。

幕内力士が横綱を倒して金星を挙げたあとのインタビューで取り口を聞かれた時に『何も覚えていない。体が勝手に動いた』と言いますが、これも頭ではなく練習による条件反射が行ったものです。

なぜこのようなことを申し上げたのかと言いますと、勝負の時には『頭で考えた人』は勝てないと申し上げたかったからです。

そして、この考え方は株式投資にも通用する考え方です。私がスタッフと一緒にチャートを見たときに『当然、気付く』と思われるはっきりとした『良いところ』や『悪いところ』にスタッフは気が付かないことが度々あります。これは『私の見たチャートの量とスタッフの見たチャートの量』が違うことで、私は考えずに『このチャートは良い(悪い)』と分かるのに、チャートを見た量が少ないスタッフでは『気が付かない』わけです。

チャート以外でも『業績の変化の仕方』や各種売買タイミング指標についても『たくさん見るだけ』で自然に分かってきます。ですから、暇がある時には『面倒臭い』とは思いますが、何かテーマを作ってチャートを見るとか、業績とチャートの動きの関係、為替や債券などと株価指標の関係などを見ますと、自然に色々なことが分かってくると思います。

そして、色々なことが分かってきますと、このチャートの形は駄目とか、このチャートの形は面白いといったことが瞬間に分かるようになります。こうなれば、短時間で処理できますし、取捨選択の時間も短くすることができます。「分からない」だけでも人間にはストレスが発生しますので、この練習は効果があると思います。

もう一つ大切なことは『常に冷静な判断ができる心理状態』を作り続けることです。この方法には色々な方法があります。例えば、

1.投資すべきか止めるべきかは、相場を見て判断するのではなく、自分の年間目標益と相談して判断すべきです。

2.高値で売りたいと考えても、高値で売るチャンスは『一瞬』しかなく、一瞬を目標にすることは無謀ですから、自分の目標利益で売れれば『そのあとに株価が上昇しても良い』とか、『そもそも高値では売れないのだから、自分が売ったあとに株価が上昇するのは当然』と考える。

3.投資したすべての銘柄で勝ちたいと思うのは当然であり、またそうなるように徹底的に銘柄の選別と買いたい価格の研究を行うべきだが、実際に100%勝つことは不可能である。この「不可能である」ことを理解する。これが分かれば『もっと冷静に銘柄を選ぶことができる』と思います。

4.買った瞬間から『機械的に売るだけ』と考える。
買ったあとは売りだけです。誰でも買ったあとは株価が上昇して欲しいと思いますが、ここでは『上昇すれば目標利益で売り、下落すれば損切りの方法で売るだけ』と考えることが大切です。つまり、買った瞬間から『機械的に売るだけ』と考えられれば良いと思います。

これ以外にも、投資家心理を冷静に保つ方法は色々とありますし、勝っている投資家は自分なりの心理を冷静にする方法を知っていると思います。

◇株式市場、為替市場、新しい段階に突入
米国のNYダウは強い下値抵抗ラインの9800ドルを割り込み、日本の日経平均は強い下値抵抗ラインである10500円に近付いてきています。更に、ほとんど動きがなかった為替市場でも1ドルが106円台に入り、原油価格も再び史上最高値を更新するなど、色々な市場が急に動き始めました。

日経平均のチャートを見ますと、相場がいつ転換しても不思議ではないチャートになっていますが、「いつ転換しても不思議ではない」ということは『明確に相場が転換する』材料が見つからないということでもあります。

このような相場環境は一番嫌な相場環境です。しかし、動いているのは株式市場で、株式市場の動きを操作できない個人投資家としては『株式市場の動きに合わせた投資戦術』を行う以外に選択肢はありません。

しかし、考え様によっては『今は非常に良い時期』とも言えます。それは、株式投資とは実際に投資する時は『結果』であり、良い結果を獲得するには『投資するまでの過程』が大切だからです。
株式市場が動かないのであれば『相場転換に向けた準備をする』時期と割り切って、できるだけ多くの銘柄をピックアップしてください。

そして、できれば『日を変えて何回かトライ』してください。何回かトライすることの重要性は、実際に『何回かトライ』すると『なるほど』と分かっていただけると思います。


ケン・ミレニアム株式会社 森田謙一 (10/26)

株式投資の勝者の投資のやり方は

2004年10月28日 | 投資哲学・手法
株式投資で勝ち続ける方法は二つあります。一つは証券会社のディーラーのように『一度の利益は少なくても、技術とインフラと情報によって、売買回数で利益を積み上げる』方法ですが、この方法を個人投資家が行っても『勝つ確率は限りなくゼロに近い』と思います。

米国でも1990年代後半のITバブルの時に『デイトレーダーや投資家クラブ』がたくさん誕生しましたが、2000年以降の株式市場の暴落によってデイトレーダーは大きな痛手を被って株式市場から去り、投資家クラブも色々な問題が起こって衰退してしまいました。

日本でも1998年末から2000年初めにかけてデイトレーダーが誕生しましたが、ITバブルの崩壊で『それまでに得ていた利益』を失うだけでなく、元々持っていた資金を失うだけでなく、借金を作って株式市場から撤退してしまいました。
しかし、1990年のバブル崩壊でも、2000年のITバブル崩壊でも、生き残っただけでなく、利益を積み上げ続けている個人投資家もたくさんおります。なぜ、彼らはどんな相場でも儲け続けているのか。これが分かれば多くの個人投資家が株式投資を財産構築の手段にすることができると思います。

◇勝ち続ける個人投資家の投資のやり方
勝ち続ける個人投資家には二種類の投資家がいると思います。
(1)時間を贅沢に使える投資家
(2)時間をあまりたくさん使えない投資家

この二種類の投資家では全く投資方法が違ってきます。私が1986年当時に株式投資をしていた時には、前者の投資家で時間を無制限に使える投資家でした。その時の私のやり方は、会社を辞めて、小さな事務所を借り、朝から晩まで株式投資の研究と勉強をしていました。そして、実際に株式投資もしていましたが、この株式投資の仕方は非常に簡単で、誰にでも時間があればできることでした。

◇当時の勉強の仕方
毎週日曜日の11時に本屋さんに行き、チャートブックを買って事務所に戻り、まずは1ページずつマクロのレポートを読み、日経平均などのチャートを使ってチェックしていました。これに約30分~1時間かかりました。

このマクロのチェックの内容は、日経平均、TOPIX、東証一部単純平均、大型・中型・小型株などの規模別株価指数、店頭指数(JASDAQ指数)、為替相場、債券相場、金相場、業種別の33の指数、投資主体別売買動向、信用残高、信用の評価損率、新値銘柄数など、そのチャートに載っていた全ての指標や指数でした。

このマクロのチェックが終わった段階で初めて個別銘柄のチャートのチェックに入っていましたが、ここではまず『過去に上昇に転じた形のチャート』を見ていました。これは『基本的な知識として覚えるための作業』ですが、この作業をし続けますと『勝つ確率が高いチャートの形』を自然に覚えることができます。また、この作業は、毎週欠かさず行う方が早くチャートについて理解できます。

この次に行うのは『業績変化率何十%以上の銘柄』とか、輸出比率の高い銘柄など、一つのテーマを決めて、そのテーマに合っている銘柄を探します。そして、テーマに合っている銘柄で良いと思う銘柄が見つかった時には『その銘柄のチャートの形』を初めとした『他の色々なチェック』を行い、その結果が良い銘柄の『銘柄コードと銘柄名』をメモしていました。

そして、最後まで終わった段階で、メモした銘柄について『再度、チャートや業績』をチェックします。このように、何度もチェックする理由は、人間の目や頭はいい加減ですから『一度のチェックでは見逃してしまう利点や欠点』を見つけるためです。

このチェックを毎週日曜日に5時間程度かけて数年間行いました。そうしますと、もっと重要なことに気が付きました。それは株価は常に上昇と下落を繰り返しているということです。つまり、上がり続ける銘柄と下がり続ける銘柄はごくわずかであり、ほとんどの銘柄は『短期波動・中期波動・長期波動』の順番で常に上昇と下降を繰り返していることが分かりました。

この株価変動のメカニズムが分かれば『表面的な株価の動きが銘柄によって違う』ことが分かりますし、銘柄によって『一定の法則らしきものがある』ことも分かってきます。さらに、『より簡単に勝つ確率が高い銘柄を見つけること』もできるようになります。この方法をコンピュータソフト化したのが弊社の『最適指標銘柄探し』ソフトです。

更に研究しますと、銘柄と銘柄の間に相関関係があることが分かります。つまり、ある銘柄が動いたあと、99%の確率で、その銘柄の次に上がる銘柄があることに気が付きました。しかも、一緒に動く銘柄は同じテーマや事業品目の銘柄であることが分かりました。

これは考えてみれば当然です。経済の世界である業種が景気がよくなれば、その景気がよくなった業種に含まれる企業ならば景気がよくなるのは当然ですし、株式投資は企業の将来の成長を買うものですから、同じテーマ、同じ事業品目の銘柄が同じ様に上昇し、同じ様に下落するのは当然です。
したがって、この同じ動きをする銘柄群が割安になった時に買えば株式投資で勝つ確率は高くなります。この考え方を基にして『ハイパー・インデックス』ソフトを開発しました。

また、上昇率が高い銘柄は、次の上昇相場でも上昇率が高いことも分かりました。これも考えてみれば当然です。つまり大きく上昇する材料を持っているという理由で大きく上昇するのであれば、その材料がなくなるまでは、上昇相場では大きく上昇することになります。また投資家が好きな銘柄も上昇率が高くなります。

どうせ、投資するならば、一回の上昇率が高い銘柄の方が良いに決まっています。したがって、銘柄を探す時点から『上昇率の高い銘柄からだけ投資したい銘柄を探せば』、投資する銘柄は全て上昇率の高い銘柄だけとなります。この考え方から開発した投資ソフトが弊社の投資ソフト『上昇率ランキング銘柄探し』になります。

このように『時間があれば、自分で一つ一つチェックする』ことがベストと言えますし、レポートしましたことは『特別難しいこと』ではなく、慣れれば誰にでもできることです。そして、これは重要なことですが『勝つために行う方法』は上級者になれば決まっていますので、銘柄を探し、買いたい価格を決定し、売りたい価格を決定することは『人間よりもコンピューター』の方が得意です。

人間が電卓で1日かかることでもコンピューターならばあっと言う間に終わってしまいます。つまり、投資ソフトとは『時間を買う』ことと『プロの投資家と同じことをする』ためのものということになります。


ケン・ミレニアム株式会社 森田謙一 (10/25)

色々な株取引の形態を知るべし

2004年10月28日 | 投資哲学・手法
株式投資には、色々な取引があります。

(1)一般的に行われている取引の一つに、現物株を買い、現物株が上昇したところで『売る』のではなく『信用』で売り(繋ぎ売り)、株価が下落したら信用で売っていた株を買い戻し、再び上昇したら信用で売る取引を繰り返す方法があります。
この前提条件は『底値近辺で買う』ことにあります。なぜならば、ある程度上昇したあとに買った時には、中期調整があった時に『現物で買った株価を下回る』リスクがあるからです。この投資方法は正しいのでしょうか。

(2)別の方法で、種玉を持っている銘柄を定期的に売買する方法があります。これは仕手グループと言われる投資家集団がよく行う方法ですが、安く大量に株を仕入れ(種玉)、その後にその株を買い上げて相場を作り、仕手化して大きく上昇したら、種玉以外の株を売却して利益を得て、また一定期間が経過してほとぼりが覚めたら同じ取引を行う方法です。定期的に上昇している仕手株にこのような『特殊な動きをする銘柄』があります。

(3)大量に買った株を証券担保金融に差し入れてお金を借り、借りたお金で再度その株を買う方法もあります。この場合には、定期的に値洗いされて担保不足になりそうになったら『その銘柄を少し手仕まって担保不足を補う』投資をしている投資家グループもあります。

(4)大きく株価が上昇したあとの信用期日に向けたテクニックもあります。大きく株価が上昇して、信用買い残高が急増した銘柄に対して、期日の1ケ月前から2つの動きが出ることがあります。

1つは信用買い残高が減少しておらず、株価だけが下落している時には、信用期日に向けて買い方の期日売りが出て株価が下落しますので、この下落を加速させるための売り方の攻勢が起こることがあります。この時には『期日売りと売り方の売り仕掛け』によって、予想以上に株価が急落することがありますが、この急落は原因があって急落したものではありませんので、信用の期日明けから大きく上昇することになります。
この売りが常にあるということではありませんが、このような動きをした銘柄を見つけたらチャンスと考えてください。

大きく上昇した銘柄で、その後の調整で大きく下落し、更に信用期日に向けて信用買い残高が大きく減少した銘柄を見つけた時には、中期上昇の調整が終わって、相場が転換した時には『このような銘柄ほど上昇率が高く』なります。

なぜならば、過去に大きく上昇した銘柄ですから儲けやすい銘柄という印象があるため、投資家が好きな銘柄になっていることが一つ、また、信用の買い残高が減少したことで、株価が上昇に転じても『過去に高値で持っていた投資家の売りがほとんど出ない』からです。このような銘柄を見つけた時もラッキーと言えます。

逆に大きく上昇したあとで、信用の空売りが急増している銘柄の場合には、仕手攻防戦になります。この場合に買い方が勝ちますと空売りしていた投資家が慌てて買い戻しますので株価は更に急騰します。これを売り方の踏み上げ相場と言います。逆に売り方が勝ちますと買い方の投げが出て急落します。
つまり、このケースでは『どちらに動くか分かりません』。このため、財産構築の株式投資をするならば、わざわざこのようなリスクが高い銘柄に投資する必要はありませんので、投資除外銘柄にした方が良いと言えます。
このような銘柄は、株式市場では『貸借倍率が接近した銘柄』と言い、主に証券会社のディーラーやセミプロの個人投資家などが投資します。

ざっと書きましてもこのような色々な投資方法があります。そして、このような勝ちパターン、負けパターンの種類を知っていればいるほど『株式投資で勝つ確率が高く』なります。
『知っていれば負けなかったこと』『知っていれば簡単に勝てたこと』が株式投資にはたくさんありますので、ケン・ミレニアムでは、このような知識を増やすことも株式投資の勝者になるには必要と申し上げています。

◇信用の繋ぎ売りは良い投資方法か悪い投資方法か
結論としては、底値で買えた銘柄で、往来を繰り返す銘柄や長期上昇トレンドになっている銘柄の場合には非常に良い投資方法となります。
それ以外のケースでも『売り値を決める方法』『押し目買いの価格を見つける方法』を知っていれば良い投資方法となります。

理想的な銘柄としては『平均売買回数が多い銘柄で、平均上昇率が高い銘柄』ほどリターンが大きくなります。但し、この投資方法は中上級者の投資方法であり、初級者は中期波動の押し目を買う投資方法が一番良い方法と言えます。

なぜならば、株式投資では『負けないこと』が第一で、次に『勝つ確率が高い時にだけ投資する』ことが重要だからです。空売り良し悪しと比べますと、繋ぎ売りよりも空売りの方がリスクは少ないと言えます。


ケン・ミレニアム株式会社 森田謙一 (10/28)