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最高のトレーダーは、安定的に機能する2つか3つの手法に気づき、そして、それを繰り返し使用するミニマリストである。

2004年度相場、後半戦スタート

2004年10月02日 | 投資哲学・手法
期待された2004年度相場でしたが、3月末の日経平均が11715円で9月末の日経平均が10823円で、結果的には-892円、率にして7.6%の下落となりました。

企業業績が絶好調なのに株式市場が下落したのには色々な問題がありました。最大の問題は、現実の景気は良いのですが、エコノミストが後半戦の景気に対して悲観的な見方をし、その悲観的な見方を増長する原油価格の上昇、中国景気の過熱による後退懸念、テロ懸念などが出現して、後半戦の景気が悪くなるという見方を否定できなかったことだと思います。

そして、後半戦の第一ラウンドが本日発表された日銀短観、第二ラウンドは明日から始まるG7(=7カ国財務相・中央銀行総裁会議)です。G7では、原油価格の動向が大きな議題になると思いますが、もし何か画期的なことが発表されれば株式市場は大きく上昇する可能性があります。そして、第三ラウンドが今月後半から始まる中間決算の発表と3月期の予想、第四ラウンドが11月の大統領選挙、第五ラウンドがイラク・アフガン・バレスチナ・北朝鮮問題となります。もちろん、後半の景気減速予想は相変わらずですから、後半戦も快晴の相場になることはないと思われます。

このような相場展開の時の投資戦術は二つあります。

(1)第一の投資戦術
相場が転換するかもしれない項目をピックアップし、その項目に対して『見切り発車で買い出動』し、予想通りになれば売却して利益を確定し、予想と外れれば『底値で買っていれば、大きな下落はないので、若干のプラスかマイナスで売却する』という忙しい投資戦術です。

この戦術を採る投資家の条件は『損切りができる』ことです。株式市場は自分の思った通りに展開するとは限りませんので、展開が違った場合には仕切り直しと割り切って売却できることが最低条件となります。

(2)第二の投資戦術
上記の投資ができる投資家は『損する時は少なく、そして相場が予想通りに転換した時には、一定の利益で売却して利益を積み上げる』結果になりますので、年間では大きな利益が得られます。しかし、予想と違ったときに損切りができない投資家は『損が大きくなって動きが取れなくなり、加えて次の本当の買い場で買う資金がなく、みすみす儲けるチャンスを失うことになります。
従って、損切りができない投資家はまだ下がるかもしれない時には、我慢するしかありません。

そして、自分が予想した時期よりも早めに相場が転換してしまった時に『二番手銘柄投資』と『初動銘柄投資』に徹する必要があります。

今年は6月末と7月末に相場が再上昇する可能性がありました。しかし、結果は下落し、しかも下落率が予想よりも大きな下落となりました。この時に「シナリオと違う」と判断して売却できる投資家は上級者です。初中級者の方のなかには『損切りの決断』ができずに損失を抱えてしまった方がいらっしゃると思います。

◇「7月・8月の相場転換予想」と「10月の相場転換予想」の違い
前回の相場転換と今回の相場転換には『大きな違い』があります。それは前回の環境は『上昇した後の高値保ち合い相場』の後であり、今回は『既に大きく下落している』ということです。

つまり、今回は既に大きく下落していますので、仮に転換点を間違えたとしても『前回のように、買った後に大きく下落する』リスクは低くなっています。もちろん、予想外の悪材料が出れば分かりません。
したがって、待ち伏せ買いの投資戦術を採る投資家にとっては、前回の待ち伏せ買いよりも今回の待ち伏せ買いの方がリスクは遥かに小さいと言えます。

そして、前回は高値からの再上昇でしたから、高値で買った多くの投資家の売りを吸収して上昇しなければならず、相当の買いエネルギーが必要でした。しかし、今回は既に15~18%も下落していますので、下がり過ぎのリバウンドだけでもある程度上昇しますので、今回は『割安株投資に徹することができれば、更に大きく下落する確率が低く、上昇に転換した時には大きく下落していた分だけ短期で大きく上昇する可能性がある』と言えます。

以上のように考えますと、同じ相場転換でも、前回と比べて今回は『株式市場が大きく下落した』ことで全く違う環境になっていると言えると思います。


ケン・ミレニアム株式会社 森田謙一 (10/01)