kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

アニミズム?伊藤若冲

2016年04月30日 | 昆虫
伊藤若冲生誕300年で、マスメディアがかまびすしい。
もういいかげんにせいや、と思うのだが、
どれも似たり寄ったりではなく、それぞれ独自の視点でとらえていて興味深かった。

特に、4月30日放映のNHKBSプレミアム「若冲いのちのミステリー」は、出色だった。
「動植綵絵」と中世の天地創造の絵との共通点を探っていたのには、驚いた。

聖書の創世記の話は知ってはいるが、こんな絵は初めて見た。
生きとし生けるものを描いている。
若冲の絵もまさしく同じ世界である。

動物も植物も、自然界のあらゆるものがいのちあるもの。
アニミズムの考え方には共感できる。

都会の片隅でも、動植物はけなげに生きている。
それを見る人間が、どう思うか、である。
写真家の今森光彦氏が、同番組で「若冲は動植物が生きる同じ目線で描いている」と言っていた。
うなずける言葉である。

カメラ爺も美の追求にはやぶさかではないが、カラスノエンドウに止まるナナホシテントウ双方に、
いのちの営みを感じるのだ。