kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

さんま 苦いか しょっぱいか いや 甘かった(左党秋夫)

2012年11月12日 | グルメ
あはれ秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ
ー男ありて 今日の夕餉に
ひとりさんまを食らいて
思ひにふけると。
………
なんてカッコつけちゃったけど、
これは新宿西口エルタワー地下の居酒屋「三間堂」の新さんま刺身。

ひさしぶりの友人との再会、昔話と近況報告で盛り上がった。
気がついたら、いも焼酎「宝山」が空いていた。

この秋、さんまの塩焼きは何度か食しているが、
刺身は初めてだ。
かぼすを絞って、しょうが醤油。
歯ごたえがありながら、しかもとろけて甘い。
酒肴にはうってつけだ。

佐藤春夫の「秋刀魚の歌」をあらためて読み返してみた。
なんと情けない詩だ。
妻に逃げられた男が、捨てられそうな人妻に思いを寄せ、
さんまの塩焼きを食べるなんて…

当時、こんなにうまいさんまの刺身があったら、
この詩も生まれなかったかも…