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陶磁器“日本のメーカー”

2009-12-22 18:58:22 | 過去のBlog記事

陶磁器と聞いて、僕がまず頭の中に思い浮かべるものと言えば、九谷焼なんです。
北陸出身ですからね。
僕は、九谷焼が子どもの頃から日常に転がっている環境で育ちました。
九谷焼って絵柄は最近では装飾過期でスゴくうるさい柄と思われています。
今は、どっちかと言うと、飾り皿として扱われてて、
あまり食器としての九谷のイメージは強くありません。
明治時代には、九谷と言えば、日本で一番の輸出品だったんです。
特にロンドン万博が開催されたあたりでは、
当時の日本の輸出品第一位というと、瀬戸物。九谷焼ですね。
九谷は西洋でもステイタスが高い製品だったんですよ。
その後、ノリタケなども頑張って、凌ぎを削りましたが。
九谷焼っていうのは、古九谷という、幻のものがあって、
それについて僕は大学時代に先生に教わったりしましたが
「あれは、幻であり、九谷焼を持ち上げるための話だ」との意見を聞きました。
小説家の立原正秋氏には、この考え方を表現した小説があります。




久谷の「唐三彩」

久谷の「唐三彩」。
故・徳田八十吉氏(正彦時代あり)の作品
「一輪挿し」の久谷形式をモダンデザインとしている。





2

「磁器と釉薬との融合さ」は国際的な評価であり、
この手法の作品。徳田八十吉氏の作品は、
米国・日本大使館の玄関でもっとも日本を語っている。
「デザイン」と「デコレーション」は調和されることで、「デザイン」の
手法と伝統を学べる。





有田焼き

有田焼き
有田のモダンデザインは森正洋氏によって「現代化」された。
私が彼の作品の中で、最も愛用し、この釉薬と磁器による「硯」は
「磁器製品アイテム」の発明だと思っている。





ここのところ、ウェッジウッドだとか、ヨーロッパの大きな陶磁器ブランドがつぶれてますよね。
なぜ大手が倒れていくかというと、伝統を破壊してこようとしなかったからですよ。
特にウエッジウッドというのは、めちゃくちゃ素晴らしい企業体だったんです。
ウエッジウッドは、コーポーレートアイデンティフィケーションの作り方が実にうまい会社で、
その中で、特に従業員の勤務態制だとか、人種差別をなくしたことなどが注目されます。
とにかく素晴らしい会社だったけど、
あまりにもブランドの価値が高くなってしまったものだから、
従来の装飾に閉じ込もって伝統を守るだけで創造する力を見失っていました。
これがつぶれた最大の原因だと思います。
それに比べると、日本の陶磁器メーカーは、みんな細々とやってますよね。
ただノリタケなんかは、相変わらずヨーロッパの高級ホテルのレストランでは
採用されるほどブランド力は強力です。
必ず僕はレストランに足を運ぶとお皿をじっくり見るんです。
日本のホテルのレストランは、海外のブランド皿を使っている。
そのレストランに通って、シェフと仲良くなったら、
僕は「ノリタケに替えてほしい」と言うんです。ノリタケの技術はスゴいんですよ。
最近、茶碗やコーヒーカップなどにおいて、
日本のデザイナーたちは完璧に作り方を間違っているってことを実感しているんですが、
ノリタケは違うなと思いますからね。




2008年の8月に、洞爺湖でG8のサミットがありました。
そこに来場した各国のお偉いさんに配られたものがあります。
日本のマスコミは、ちっとも報道してくれませんが、実は素晴らしいものを配っていたんですよ。
それは何かと言うと、万年筆。




香蘭社の万年筆

香蘭社の万年筆・洞爺湖サミットで公式採用




日本の万年筆の技術というのは、世界でも最高峰。
パイロットにしろ、セーラーにしろ、素晴らしい。時計にしてもそうですよ。
セイコー、シチズン、いずれも素晴らしい。
ただし、これらは、ブランド的には完璧に負けてます。
その万年筆ですが、有田焼の名窯に香蘭社という企業があります。
洞爺湖サミットの記念品として、
その香蘭社の「有田焼万年筆 古伊万里蘭菊」が贈呈されたんですよ。
僕も迷って、思わず買おうとしました。で、躊躇しました。
結局、買わなかったんです。それは絵柄がよくなかったからです。
ちょっと、がっくりする絵柄でした。
かつての香蘭社のモノはめちゃくちゃいいですよ。最近は・・・。
まぁ、焼き物を万年筆にするってことは、技術的にはかなり難しいんでしょうね。
なぜならば、焼き物は伸び縮みするからです。
だから、きっちりとした精度で焼き上げるのは至難の業でしょう。
でも、香蘭社あたりだと上げられる。ところが、絵柄でコケてしまったと私は評価しています。
万年筆は全部で3種類ありましたが、
どの絵柄も完璧なら、香蘭社が世界にもっともっとブランド力を発信できたと思います。
こういうところで、世界に通用するブランド力の経験値を伝統工芸の多くの産地が稼げないんですよ。




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kz-aritaは現在グリップは二種。
シャフトは、「紅木」。最も高価となる。
理由は、すでに失われていく南洋材として輸入ができないから。





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グリップのトーラスは、ステッキグリップとして「発明」した形態。
生体工学的に、体重とグリップのバランス性の最適設計をめざした。





7

有田の「磁器と釉薬=絵付け」には「白虎」を採用。
「加飾性」にデザインとデコレーションをステッキの存在性に
融合性を意図している。




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