コンビニ・フリーク

コンビニのおいしい食べ物・飲み物、おやつの友をご紹介…しました。

コーヒーの作用と健康/最近の知見と胃にかかる負担についての研究報告

2004年10月15日 | 缶コーヒー
育毛剤モニター日記!だった ...モニター終わっちゃったんですね。これから「育モニ。2」として再生される様子ですが、長い文章ながら雑学知識満載の、ためになる育毛ネタ講座に魅せられた人は、私σ(^_^; だけではありますまい。
というわけで、本日は、育モニ。さん風に長文講座を作ってみようと思ったんですが、なかなかうまくいきません。いまさらながら、育モニ。さんのすごさが感じられますね。というわけで、お疲れさまトラックバックを贈ってみました。





 先日の、コーヒー特集で、ブラックコーヒーをたくさんのんできましたが、はたして、コーヒーは胃に悪いか? 答えは、NO でした(Ref. 1)。

 胃が重たく感じる症状が出る人が多いと言われる「コーヒー」ですが、改めて検討した研究結果を検索してみると、コーヒーを飲んだ後には特に胃自体に変化はなかった(Ref. 2)うえ、胃の運動自体も特にわるくなく(Ref. 3)、逆流性食道炎の病気のある人さえ、コーヒーを飲んでも病状が悪化しなかった(Ref. 4)という報告ばかり。

 どうやら『コーヒーが胃に悪さをする』という証拠は見つかっていないようです。そればかりか、コーヒーの直接的な作用で胃の粘膜を荒らしたり、胃腸の動きを悪くしたりすることはない(Ref. 5)だけでなく、なんと糖尿病になるリスクを減らしてくれる(Ref. 6, 7)というから、今後の研究成果は大変興味深いところです。


 コーヒーの主な成分(Ref. 8)としては、カフェインクロロゲン酸類(タンニン)が知られています。

 カフェインの作用(Ref. 9)は、覚醒作用のほか解熱鎮痛作用、利尿作用があり、片頭痛の治療薬としても使われます。脳神経のアデノシンの働きを阻害するのが、主要な作用機序だそうな。覚醒作用は交感神経刺激作用として現れて(Ref. 10)、まぁ、血圧がちょっと高めになり易いので、高血圧気味の方にとっては要注意(ref.11)という点だけが気になりますが、主に筋肉の脂肪燃焼などの効果から、ダイエットに利用しようというもくろみも。
 だからと言って、摂りすぎると中毒になるので、注意です。カフェイン中毒に陥るには、10g以上のカフェインが必要で、一般的な含有量(100ccあたり)コーヒー:40mg、玉露:150mg、紅茶:50~60mg、コーラ:10mg(1缶350mlでは40~60mg)、ココア:10~20mg(1カップあたり)
(Ref. 12, 13)ため、摂りすぎたあとに、動悸がしたりメマイや不安感、パニックなどの症状が出たとしたら、カフェイン中毒になる可能性も否定できません。くれぐれも、ご注意を。

 クロロゲン酸は、タンニンとしても知られ、コーヒーに含まれるポリフェノールの主要成分(Ref. 14)にあたるそうです。コーヒーの豆には重量比で6~9%も含まれるといわれ、そこそこ含まれているようですが、健康に寄与するか否かは、よくわかっていないようです。もちろん、上述(Ref. 6)の、糖尿病に良いといわれる成分が存在するのかどうかすら、まだ不明。もしかしたら、未知の成分が、まだ潜んでいるのかもしれませんね。(^^;



 コーヒーと胃の粘膜の荒れとの直接の因果関係は見いだせないながらも、ただ、慢性胃炎の人を集めてみると、コーヒーを飲む人がやや多かった(Ref.15)みたい。どうやらこれは、コーヒーではなく、コーヒーを飲む生活習慣に原因があるようです。

 芋たれ…もとい、胃もたれが生じ易い夜や明け方という時間こそは、胃の掃除ともいうべき大きな収縮運動(蠕動運動)がおこって胃の中身がすべて下流の腸のほうへと送られていく大事な時間なのです。この胃の運動は、主に副交感神経というリラックスした時に働く神経の作用で動いており、おおきな収縮が起こる時間は、夜型の人達にとっては夜食の時間でもあったりします(Ref.16)。

 夜遅くに、つまり、この胃の中の掃除の時間に、コーヒーを飲んでしまうと、カフェインの効果として交感神経を刺激してしまい、その結果として副交感神経を抑制し、副交感神経に由来する胃腸の動きまでも抑制されちゃって、夕食の残りや、夜食の残りが胃の中で掃除されないまま胃の中に長時間滞在し、睡眠時間を過ごすになるため(Ref.17)、胃の働きが低下した(Ref.18, 19)のと類似な効果として、あの「もたれた感じ」が出易くなるのではないかと考えられます。

 コーヒー作用の長所と短所を、しっかり把握しておけば、あとは美味しく飲んで、健康に役立てていくことができると思います。禁忌的トッピング(Ref.20)の結果までは、保証いたしませんけれど、コーヒーは胃にも安全ですということで、各々皆さんの好みの味で、安心してそれぞれのコーヒーをお楽しみください!



<参考文献>
Ref. 1)AGF.コーヒーと健康
Ref. 2)Dig Dis Sci. 2001 May;46(5):945-51.
Effect of coffee on motor and sensory function of proximal stomach.
Boekema PJ, Samsom M, Roelofs JM, Smout AJ.
Department of Gastroenterology, University Medical Center Utrecht, The Netherlands.
Ref. 3) Eur J Clin Invest. 2000 Feb;30(2):129-34.
The effect of coffee on gastric emptying and oro-caecal transit time.
Boekema PJ, Lo B, Samsom M, Akkermans LM, Smout AJ.
University Medical Center Utrecht, Utrecht, The Netherlands. pboekema@worldonline.nl
Ref. 4) Eur J Gastroenterol Hepatol. 1999 Nov;11(11):1271-6.
Effect of coffee on gastro-oesophageal reflux in patients with reflux disease and healthy controls.
Boekema PJ, Samsom M, Smout AJ.
Department of Gastroenterology, University Medical Center, Utrecht, The Netherlands. pboekema@worldonline.nl
Ref. 5)コーヒーと健康 ~自珈亭~
Ref. 6)Lancet. 2002 Nov 9;360(9344):1477-8.
Coffee consumption and risk of type 2 diabetes mellitus.
van Dam RM, Feskens EJ.
Department of Chronic Diseases Epidemiology, National Institute for Public Health and the Environment, 3720 BA, Bilthoven, Netherlands. robvdam@bio.vu.nl
Ref.7)Ann Intern Med. 2004 Jan 6;140(1):I17.
Coffee consumption and risk for type 2 diabetes mellitus.
Salazar-Martinez E, Willett WC, Ascherio A, Manson JE, Leitzmann MF, Stampfer MJ, Hu FB.
Harvard School of Public Health, Channing Laboratory, Harvard Medical School, and Brigham and Women's Hospital, Boston, Massachusetts 02215, USA.
Ref. 8)Coffee home page ~百珈苑~
Ref. 9)カフェイン - Wikipedia
Ref. 10)Circulation. 2002 Dec 3;106(23):2935-40.
Coffee acutely increases sympathetic nerve activity and blood pressure independently of caffeine content: role of habitual versus nonhabitual drinking.
Corti R, Binggeli C, Sudano I, Spieker L, Hanseler E, Ruschitzka F, Chaplin WF, Luscher TF, Noll G.
CardioVascular Center, Cardiology, University Hospital Zurich, Switzerland. roberto.corti@DIM.USZ.ch
Ref.11)Eur J Clin Nutr. 1999 Nov;53(11):831-9.
Coffee, caffeine and blood pressure: a critical review.
Nurminen ML, Niittynen L, Korpela R, Vapaatalo H.
Institute of Biomedicine, Department of Pharmacology and Toxicology, University of Helsinki, Finland. marja-leena.nurminen@helsinki.fi
Ref. 12)カフェインの効能についての考察
Ref. 13)カフェイン / コーヒー豆知識 お茶とコーヒー.com
Ref. 14)MedWave【解説】飲料のポリフェノール高含有競争が過熱、ココア、コーヒーでも新製品が相次ぐ
Ref.15)Gut. 2002 Jun;50(6):779-85.
Risk factors for atrophic chronic gastritis in a European population: results of the Eurohepygast study.
Eurohepygast Study G
Ref.16)ためしてガッテン:過去の放送:探求! 理想の夜食
Ref.17)胃もたれ/胃がおもい/夜食/治るドットコム
Ref.18)胃のサイエンス-胃の機能低下状態
Ref.19)児玉胃腸科外科 胃痛・胃もたれ
Ref.20)混合の科学(科学か?)