牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

10月26日(金) 直売所への参入

2012-10-26 20:26:03 | 日記

 24日に4つの直売所の見学へ行ったのだが、前日の23日にも会社が経営している直売所(24日に見学した大型の直売所ではないが、私たちよりも規模が大きい中型の直売所と言える)を一箇所見学していた。販路を増やす意味でもそこへの参入を決めた。昨日その会社と契約をして、今日の夕方早速カボチャ(ほっとけ栗たん)を陳列してきた。売れるといいのだが。ホームセンター内の直売所は自分たちが運営側だが、今度は一参加者なのでまた違う視点で直売所を見ることができると思う。新しいチャレンジなので楽しみだ。


10月25日(木) 「牧会学 慰めの対話 ②」 E・トゥルナイゼン著 日本基督教団出版部

2012-10-25 17:12:20 | 日記

「牧会学」の第二部「牧会の本質と形態」を読み終わった。 第一部は「牧会の基礎づけ」であった。

 本からの引用。「牧会が全うされるのは、対話という形態においてである。」 
牧会的対話の形態は、その対話自身の持っている要求によって規定される。牧会的対話は、人間の事がらを、それがどんなに遠くはなれたものであろうとも、神と神の言葉に対して持っている関係において見ようとする。」
牧会の対話は、人間生活の全領域を、そこで現実に働いている、心理学的、世界観的、社会学的、道徳的な、諸解釈や諸判断とをそえたままで、神の言葉の判断のもとに置く。」 
われわれの考慮すべきことは、牧会的対話における大切な問題は、人間の生活状況を、現実的に理解することだということである。」 
牧会とは、教会における説教と聖礼典において行われる宣教を、対話という手段を通じて拡大し、延長するということである。この対話において、原則的に問題になることは、すでに、説教と聖礼典の内容をなしているものと同じである。ということは、牧会的な対話もまた、罪の赦しを目指しているということである。」

 牧師が人とする対話(牧会的対話)において大切なことは、「霊的でありつつ、現実的であれ。」ということであろう。


 続いて本からの引用。「牧会において人間に呼びかけるということは、人間についての知識を前提とする。したがって牧会は、心理学を、ひとつの補助学として必要とする。、、、、、、、心理学的な知識をくみとることのできる源泉は、多種多様である。まず最初に取り上げるのは、自分自身の経験から流れ出てくる、人間とその状態についての知識である。人間認識の第一の源泉は、自己認識である。、、、、、第二に取り上げるべきは、他の人間との、生き生きとした交際であり、他人の生活に出会うことである。、、、、、われわれが、人間認識を得る第三の源泉は、生活記録にあるような、それも、信仰深いものばかりでなく、全くこの世的、世俗的なそれにあるような、生活観察である。ここに指摘しておかなければならないのは、小説家(ドストエフスキーとトルストイ、バルザックなど)や詩人たちの中の、人間生活の叙述者たちである。、、、、最後に第四の源泉として考察されるのが、本来の、心理学および精神治療法の専門書である。、、、、、以上述べたすべてのことに対して、最後に言わなければならないことは、人間と、その状態についての決定的な認識は、聖書そのものから、与えられるということである。神の言葉の中には、いかなる心理学も、これに代わり得ず、これを越えることなどもちろんできない、人間、およびすべての人間的なことについての、広く、深い見方があるのである。神の言葉は、自分自身の方から、人間に向かっているものである。聖書の言葉は、人間に語りかけ、これに触れ、これを癒し、つくりかえる。」 
 「聖書において重要なのは、人間理解なのである。聖書は、世俗的な人間学が停止するところ、必然的に停止しなければならないところで、ことを始めるのである。その人格的な存在に基礎づけられた、人間の全体性というところで、始めるのである。聖書は、人間としての全実存を、創造者であり、救済者である神の言葉へと導きかえすことにより、人間の全体性の根源と本質とを、われわれに、あらわしてくれるのである。」

 牧会において大事なのは、真の人間理解である。著者が書いているように、自分自身を見つめる黙想を通して、他の人との交際を通して、文学や心理学の読書を通して、今よりもっと「人間」を理解できるようになりたい。しかし決して忘れてならないのは聖書を通しての人間理解である。聖書を抜きにすると表面的な人間理解に終わってしまうであろう。ドストエフスキーなど偉大な作家は人間の罪を叙述し読む者に迫ってくるが、(ドストエフスキーは聖書に親しんでいた)、聖書はどの作家にもまさって恐ろしいほどに人間の闇の部分に光を当てる書物である。牧会において大切なことの一つは、心が重くなることがあるが、、、、人間の闇の部分に光を当てることである。

10月24日(水) 直売所の見学

2012-10-24 18:38:58 | 日記

 今日家族で4つの直売所を見学して回った。最初の2つは私たちと同じホームセンター内で直売をしている自分たちよりも規模が小さい直売所。次の2つは私たちよりも規模が大きい直売所。

 最初の2つは私たちと同じように自分たちが経営側にまわるスタイルで、自分たちが近隣の農家などに声をかけ、彼らから手数料をもらう形だ。このやり方では品数を増やし規模を大きくし活気を出すのは簡単なことではない。私たちも難しさを覚えているのだが、見学した2つは私たちよりも四苦八苦しているようだ。

 次の2つはアウトレットなど経営者がいて、そこへ多くの農家が手数料を払って参入する形だ。一番のメリットは動員数が圧倒的であるということだ。品数が多く規模も大きいので魅力的。活気もある。多くの農家が参入しているので競争が厳しそうだが、動員数はすごいので品が良ければそこそこは売れるのではないかと感じた。ただ懸念は価格競争が必要以上になされている感があった。そうすると生産者たちの方にこの値段でしか売れないならということで良い品を出さなくなる可能性があるのではないか。実際いくつかの生産者の品はそうであった。これが進むと直売所全体のレベルが落ちると思う。やはりそれぞれが直売の適正価格で売り、消費者に選んでもらうことが健全であるような気がする。

 本で読むだけでなく実際に見学してみていろいろと勉強になった。来年はホームセンター内(3箇所)での直売が決まっている。それ以外に大型直売所に参入するかどうかはこれからの検討課題だ。

10月23日(火) 「リベラルな秩序か帝国か アメリカと世界政治の行方」  ジョン・アイケンベリー著 

2012-10-23 16:00:27 | 日記
 ジョン・アイケンベリー教授は、現代アメリカを代表する国際政治学者で、オバマ政権への最も影響力ある外交政策アドバイザーとして名前があがることもあるそうだ。 

 多国間主義(秩序)か一国主義(帝国)のどちらがアメリカの進むべき道かが検証されている本だと思う。著者は多国間主義こそがアメリカ政治の進むべき道であることを歴史を振り返りながら書いている。国際政治においてのパートナーシップの大切さが論じられている本である。 

 本からの引用。「アメリカは移民を受け入れる積極性や能力を持っているために、頭脳流出の受け手側となり、すでに知識やサービス産業の面で優位性を享受しているのである。このような優位性は今後も高まってゆくばかりではなく、アメリカを世界経済の活力の中心に据えるであろう。19世紀の多民族で多人種の帝国は、最後には破綻して20世紀に分裂していった。それに対してアメリカは、市民的な国家という基礎の上につくられ、多文化・多民族の政治秩序の持つ新たなかたちを開拓してきた。このような政治秩序は安定したものであり、グルーバルな近代化の要求にしだいに役だってゆくものと思われる。」

 「アメリカは、1940年代以降、世界秩序を構築するためにパワーを活用してきた。同盟や多国間制度など複雑に絡み合った対外関係を持つ全体的なシステムが出現し、アメリカの単極構造を独特な政治構造として論じることができるほどになっている。」  「1940年代につくりだされた世界秩序はいまだ存在し続けている。」
 
 「第二次大戦後のアメリカとソ連の大きな違いのひとつは、ソ連が事実上は威圧的な単独行動主義の国家であったということである。ソ連は領土を得るという狭量な国益や、東ヨーロッパに対する直接的な政治的支配を追求した。一方でアメリカは「環境整備戦略」とでも言えるものを追求したが、すなわちそれは民主主義の確立と制度の構築を支援しつつ、自身のパワーをほかの民主主義国と結び付けるものであった。その結果、アメリカのパワーには正統性が与えられ、冷戦期にはソ連に対する大きな強みとなった。たしかに、ラテンアメリカや中東で顕著に見られたように、かつてアメリカは露骨な帝国主義的政策を推進していた。しかしそうした政策は外交政策を導く論理というよりは、一般的にはむしろ例外であった。」

 「冷戦終結の真の教訓とは、西側が一つにまとまっていたからこそ勝利したというものである。アメリカは、歴史上例のない繁栄と、同盟諸国の支援を生み出した多国間主義の経済的および安全保障秩序を構築するうえで、先頭に立っていた。アメリカは自らを西側諸国に結びつけたうえで自国を開放し、それによって政治的強調と地政学的なパワーの偉大な原動力をつくりだしたのである。」



 アメリカはヨーロッパや日本と同盟を結び、多国間主義と民主主義の世界秩序(協力関係、パートナーシップ)を構築してきたと論じている。一国主義ではなくこれからも多国間主義の世界秩序によってアメリカは進むべきであると著者は主張している。アメリカがどのように政治を行うかは世界と日本に大きな影響を与える。世界においてアメリカの存在は大きい。ロシアや中国の存在はやはり脅威だと思う。でもアメリカの存在が彼らに抑止力となっているのは事実だろう。アメリカ大統領の決断は世界政治の行方に多大な影響を与える。アメリカ大統領選挙が近づいているが、オバマ大統領とロムニー候補のどちらが選ばれるのだろうか?














10月22日(月) 「まだまだ伸びる農産物直売所」 田中満著  農文協

2012-10-22 16:05:25 | 日記
 この本には直売所に大きな可能性があることが書かれています。

 本からの引用。「今、農産物の流通革命が始まっています。、、、、新鮮な野菜の味を知った消費者は、流通に日数がかかる市場仕入れの野菜では満足しなくなりました。野菜や果物の一級品は生産者の名前がわかる新鮮な直売の品にかぎる、という時代になったのです。」    
 「昭和時代の直売所は、店構えは薄汚く商品は農協に出荷できない二級品、という「安かろう悪かろうの店」が多く、消費者の評価は総じて低いものでした。平成になるとそれらの直売所のなかから、生産者の名前入り採れたての一級品を売る店が各地に現われ、客の支持を得て売上を伸ばし、その成功事例が知れわたるようになりました。」   
 「最近、直売活動の盛んな地域で調べると、人口10万人で年間売上15億円のレベルになっています。こうした最近の発展状況からみて、25年度には全国販売額が1兆5000億円を超えるだろうと予想します。」
  「ホームセンターなど農産物流通以外の業者も、直売所を開設するようになってきました。」


 私たち家族も直売をしているのですが、ホームセンターにの中に直売所を設けさせてもらって直売をしています(私たち家族が中心で近所の農家にも野菜や果物を出してもらっています)。10月に北海道へ来てこれまではカボチャの収穫、契約をしている方々へ発送、直売の手伝いなどをしてきたのですが、今日はじめて私が直売の担当になり、一人でホームセンターへ行って来ました。どこにどの野菜を置けば良いのかを自分なりに考えて陳列をしました。お客さんから「昨日買って美味しかったから今日もまた買いに来たよ。」と言われ、嬉しかったです。私が収穫したカボチャも着実に毎日売れているのでホッとしています。
 私たちは良い品を出すことを心がけています。実は私たちはこのホームセンターの中では北海道一の売上(夏から秋)を出しているのです(ただ私たちは冬は直売をしていないので年間を通じてしているところより売上が落ちるかもしれませんが)。店長さんにも喜んでいただいています。これは私よりも前に北海道へ来て農業をしている家族の今までの苦労と力のおかげなのです。でもまだまだ規模も売上もそれほど大きくなく改善点がいろいろとあると思うので、時間がある時に家族で成功している直売所を見学に行こうと考えています。