牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

2月10日(日) 「牧師の仕事」 鈴木崇巨著  教文館

2013-02-10 07:56:10 | 日記

 本書は、「キリスト教の牧師とは何者であり、どのような仕事を行なうのか」ということを著者の長年の経験を元に書かれている本である。

 牧師とは、一言で言えば、キリスト教会のために働く人のことである、と言える。牧師になる過程は、一般的に言って自分に召命(神が私を牧師になるように召しておられること)が与えられたと感じることが出発点になります。次に人々が同意してくれることがとても大切です。本からの引用。「 「私は牧師になりたい」と言った時に、牧師や友人が異口同音に反対したり疑問を呈したら考え直さなければならないでしょう。神の召命に人が判断を下す権利はありませんが、人々と関係なく召命が起こることは考えられません。なぜならば教会は人々の群れであるからです。 」 

 神からの召しを確かに確信し、教会や牧師から同意された後、一般的に牧師養成機関いわゆる神学校に行き教育を受けます。聖書神学、教義学、教会史、実践神学の4つを中心に学びます。それから伝道師や補教師などになり、経験を積みます。いわば牧師候補生です。それから教会や教団に認められると、牧師の職に任じる儀式である按手(手を置いて祈ってもらう)を受け、牧師に任命されます。牧師按手は基本的には生涯有効なものです。按手を受けた後、司式者は指令を発します。その指令の内容は、牧師の職務を執行し、神の言葉を語り伝え、聖礼典(洗礼式と聖餐式)を執り行え、というものです。

 私の場合は、大学で経営を学んでいた時に、神からの召命を受けたと感じ、教会と牧師たちから同意を受け、大学卒業と同時に神学校へ行き教育を受け、更にニュージーランドへ行き学びました。それから日本へ帰国し、牧師候補生である伝道師になって、1年半経験を積みました。そして牧師按手式の司式を私が卒業した神学校の校長にして頂き、按手を校長と私が属する教団(宗教法人)の牧師たちから受け、正式に牧師に任命されました。

 それから着任が来ます。特定の一つの教会に牧師として働く訳です。本からの引用。「一つの教会を理解するということは、その教会の「人々」を理解することですから、自ずと月日を要します。何かをしなければならないと焦ることはありません。牧師はその教会に存在しているだけで一つの仕事をしています。決して焦ったり働き過ぎたりしないように注意します。」

 著者は次に「日々の生活」の項目でこのように書いています。本からの引用。「牧師の日々の生活は「祈り」と「活動」の二つに分けられます。言うまでもなく祈りが全てに優先されます。一般的に言って、ほとんどの牧師は午前中を祈りや聖書の学びに当て、午後を活動に当てます。、、、、、このような祈り(と聖書の学び)の時間が終われば、礼拝の説教に準備や祈祷会その他の集会のための話の準備をしなければなりません。牧師の毎日の午前中はどうしても書斎に閉じこもることになります。、、、、、午後はいろいろな牧会活動に当てます。人々が相談に訪ねてきた時には必ず祈ります。会員の家庭を訪問する時も病人を訪問する時も祈ります。、、、、」

 著者は更に生活上のアドバイスとして三点を上げています。
 1.品位のある生活をしなさい。
 2.正しい家庭生活をしなさい。
 3.献身的な牧会をしなさい。

 牧師としての仕事の土台は、自分の品性と家庭生活であることを教えられる。著者はこの項目の最後でこのように書いています。「牧師は聖書を学ぶことと祈り、勉強、体の鍛錬、牧会活動を通して年々成長します。」