徒然なるままに・・・

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【映画感想・タ行】 鉄コン筋クリート ★★★

2006-12-31 | 【映画感想・タ行】
ストーリー:
義理と人情とヤクザの町、
宝町には2人の少年、クロとシロが住みついていた。
親を知らない2人は、かつあげやかっぱらいで、毎日を過ごしていた。
ある日、昔なじみのヤクザ、ねずみが町に戻って来る。
何かが起ころうとしていると察したクロは、
刑事の藤村、沢田に近づくが、確かな情報は得られなかった。
が、実はレジャーランドの建設と町の開発の話が水面下で進んでいた。
町を守りたいクロは、狂気の行動に出るのだった…。
(goo映画より引用)

声の出演:
二宮和也、蒼井優、伊勢谷友介、宮藤官九郎、本木雅弘

監督:
マイケル・アリアス

舞台となる宝町(たからまち)の描写が秀逸。
日本のようでもあり、香港のようでもあり、
アジアンテイストが支配しつつ、和テイストもある。
反映と退廃が綯い交ぜとなった雰囲気も見応えがある。
映画のストーリーを追いかけるより、
背景で流れていく映像にどっぷり魅了されてしまった。

そんな宝町を眺めるだけでも観る価値はあるのだが、
ストーリーは、過去と未来、光と影を巡る物語である。

過去と未来というのは、宝町そのもの。
ごった煮さ加減が漂う宝町。それが宝町の個性である。
その流れを守ろうとするのが、主人公のクロとシロであり、
変化を止めようと舞い戻ってくるヤクザのネズミである。
未来というのは、子供の王国を建設し、過去からの脱却を図る勢力。
それが、蛇率いる殺し屋軍団に他ならない。
2つの勢力が、宝町を巡って対決していく。

もう1つが、主人公クロとシロの光と影である。
クロは街の均衡を破る勢力と戦い抜く「光」の存在。
逆にシロは、そんな争いを気遣いながらもクロを支える「影」の存在だ。
新勢力である蛇の差し向けた殺し屋のため、2人はバラバラになる。
クロは、シロのことを気にしつつも、バランスを失う。
また、シロも冷静を装いながら、大切な友を思い続けるのだ。
2人のバランスは、2人いてこそ保たれているのだ。
飛躍した言い方をすれば、正に友情そのものである。

エゴと退廃、友情と喪失、様々な様相を織り込みつつ、
宝町をアニメらしからぬカットで魅了するのが素晴らしい。
マンガの原作は未読であるのだが、
その世界観を表現したのがアメリカのクリエイター。
それはそれで凄いことだが、何だか寂しい気がする…。

寂しいのとは裏腹に、シロ役の蒼井優の演技が素晴らしい。
シロの声は彼女がピタリとハマっていました。


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