徒然なるままに・・・

映画よりJAZZにシフトチェンジ中・・・。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

【映画感想・ハ行】 ホテル・ルワンダ ★★★★

2006-03-11 | 【映画感想・ハ行】
ストーリー:
フツ族とツチ族の間で続いていた内戦が終息、
和平協定が結ばれようとしていた1994年、ルワンダの首都キガリ。
外資系高級ホテル、ミル・コリンの支配人ポールは、
近くフツ族の民兵によるツチ族の虐殺が始まるという噂を耳にする。
やがてフツ族大統領暗殺の報道がなされ、
フツ族が武器を片手にツチ族を襲撃し始めた。
フツ族のポールは、ツチ族の妻・タティアナと息子たち、
そして隣人たちを守るため、ホテルに匿うのだが……。
(goo映画より引用)

出演:
ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、
ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス

監督:
テリー・ジョージ

インターネットでの署名運動が実り、ようやく公開に漕ぎ付けた1本。
公開されて良かった、関係者の尽力に感謝であります。

兎に角、作品の出来栄え云々というレベルではなく、
渾身の作と言いますか、力作と言いますか、
映画自体の持つ力にただただ圧倒されてしまった。

人間の尊厳・倫理観は戦争の最中では存在しない。
あるのは残虐性と相手を抹殺するという殺意意外の何物でもない。

フツ族とツチ族という2つの人種からなるルワンダ。
民族戦線からくるフツ族が、少数派ながらも政権を握るツチ族を淘汰しようとする。
国連を介した和平が成立したものの、ツチ族の大統領が暗殺。
そして、民族戦線が垂れ流すフツ族の戦意高揚のためのラジオ局が、
ある言葉が流れると同時に、人類史上稀にみる大虐殺が始まった。

隣人同士が殺しあう。そんな光景がありえるだろうか?
近親憎悪はどこの世界にでも存在するのだろうけれど、
当然温情や仲間意識などがあるはずで、殺すことに躊躇するはずだ。
しかし、ラジオ放送がきっかけとなったこの虐殺劇。
戦意と殺意を煽られ、かつ、民衆の間にデマが流れていったのだろう。
ツチ族を殺すこと。殺さねば、ルワンダに真の平和がやって来ない。
そういう思想の転換が、恐ろしく地獄絵図を生み出したように思う。

そんな厳しい環境下で、ホテル支配人でフツ族のポールは、
妻はツチ族というせいもあり、この地獄から救いたいという気持ちが、
ツチ族を救出し、ホテルで滞在させるように試みた。
ポールは、ホテル内では最高のもてなしをし、
何度も乗り込もうとした軍隊に様々な賄賂(金品、酒)を渡し、
更に、本部のあるパリから政治的な解決を求めるように交渉した。
救いたい気持ち以上に、ホテルマンというサービス業のせいなのか、
機転を直に働かせ、即対処できたのではないか?
それ以上に、生死が合わせ鏡のような状況だったからかもしれない。
彼がネクタイを絞めることができず、泣き崩れるシーンが象徴的。
正に死ぬことを怖れる証拠であって、映画自体に殆ど残虐場面がないにもかかわらず、
尋常でない環境と言うのが、役者の芝居で感じる点は映画としてのレベルの高さを痛感した。

また、世界が見放したことに対しての批判も見て取れる。
国連は平和維持軍のため、相手が発砲しないと攻撃できない。
また、状況悪化に伴い、国外退去令が発令されても、退去できるのは海外の人のみ。
世界に報道するべきとポールは言うが、世間は「怖いね」という感想しか漏らさない。
結局大国は、利益がなければ守らないという自国の論理しか頭にない。
危険も重なれば、自国で解決しなさいとソッポを向いてしまう。
テレビを介してみる大衆も他人事としか思わない。
これが世界の現実であって、僕ら大衆は一体何ができるのだろうか?

映画は終始尋常じゃない状況を映し続ける。
ポール以下約1300人が助かった訳だが、半年で30万人ものフツ族が殺された。
確かに世界への批判ということも描かれるが、
ポールが倫理観を全うし、如何に救い、如何に生きたかを描いたのだ。

この作品に宿る「生きる」というパワーには、圧倒されるに違いない。

コメント (2)   この記事についてブログを書く
« 【日常】 歓送迎会 | トップ | 【日常】 休みが吹っ飛んだ! »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (カヌ)
2006-04-11 22:54:30
トラバどもです。

やれることは何でもやるポールの生命力は、脱帽でした。ポール役がドン・チードルだったのも、普通の人の視線でこの世界に入っていけて感情移入できましたよ。
コメントありがとうございます。 (kazuki-kt)
2006-04-12 23:14:40
カヌさん、コメントありがとうございます。



ポール役のドン・チードル。

『クラッシュ』でもいい味を出してましたね。

個人的には、早くも2006年の主演男優賞候補です。

コメントを投稿

【映画感想・ハ行】」カテゴリの最新記事