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【映画感想・サ行】 そして、ひと粒のひかり ★★★☆

2005-11-09 | 【映画感想・サ行】
ストーリー:
17歳のマリアは生花を商品にするための加工作業をしている。
乳児を抱える姉をはじめ、女ばかりの家族はマリアの収入を当てにしており、
彼女はプレッシャーを感じながらも日々を過ごしていた。
そんな中、彼氏の子供を妊娠していることに気づいたマリアは、
結婚はせずひとりで解決しようとする。
が、上司と職場で衝突し仕事を失ってしまう。
偶然出会ったフランクリンから麻薬の運び屋の話を聞いた彼女は、
危険だと知りながらも5000ドルという報酬に、仕事を引き受ける。
3人のミュールとともに、麻薬を詰めたゴム袋を62粒も飲み込んで、
マリアはニューヨーク行きの飛行機に乗り込んだ。
(goo映画より引用)

出演:
カタリーナ・サンディノ・モレノ、
イェニー・パオラ・ヴェガ、ギリード・ロペス、
パトリシア・ラエ

監督:
ジョシュア・マーストン

世界の片隅で起きている現実の風景にゾッとさせられる。

原題(Maria Full Of Grace Based on 1,000 true story)にある通り、
監督のジュシュア・マーストンは、
「ミュール」と呼ばれる麻薬の運び屋、税関職員、
運び屋の体内から麻薬を取り出す手術を施した外科医などから、
綿密に聞き込みを行い、映画にリアルさを与えている。
ドキュメンタリータッチな仕上がりが、
スクリーンからの緊張感を終始生み出している。

主人公マリアの境遇は悲惨。家族は稼ぎ手が彼女しかいないから、
稼ぎのことでも辛くあたったり、金銭的な面での揉めごとが絶えない。
仕事もバラ園で作られたバラの刺抜きというつまらない仕事で、
フラストレーションがいつも溜まっている。
更に、彼氏みたいな男に妊娠させられてしまった。
そんな事実を親に言うこともできない。
悪いことは重なり、バラ園の仕事もいざこざで辞めてしまった。
マリアへの風当たりは酷いものだ。何をしてもマイナスでしかない。
愛される・愛する存在がない。
唯一の安らぎは、身篭ってしまった子供であろうか。

マリアは何故「麻薬の運び屋」をやろうとしたのか。
当然のこととして、莫大な金額が手に入るからというのが最大の理由。
もう1つは、今の現状から抜け出したいという思いが強かったのではないか。
つまらない日々より、刺激のあるほうがいいなんて程度に考えていたのだろう。
彼女は親指の大きさのゴム袋に詰められたヘロインを62粒飲み込む。
飛行機に乗り込んでからの、「ミュール」達の振る舞いは緊張感に包まれる。
飲み込んだのに消化されず出てきたら、洗い流して再度飲み込む。
1袋でも少なければ、貰える金額に影響を及ぼすから必死だ。
更に、仮にお腹の中で袋が破裂すれば、それは自らの死を意味する。
見つかりはしないか、破裂しないか、外に出てしまわないか、
そんなことを考えてるミュール達の姿を観るだけでドキドキしてしまう。

ニューヨークの空港につくと、身体検査でバレて逮捕されるミュールもいる。
マリアも税関に捕まるが、妊娠していることが運良く働き、釈放される。
更に、地元の仲介人に連れ込まれたモーテルでは、
1人のミュールのお腹の中で、ヘロイン破裂。
体調が著しく低下したから、証拠隠滅殺されてしまったのだ。
それを知り逃げ出すマリア。危険を承知の上での暴挙だ。

マリアは、殺されたミュールの姉の家を訪ねる。
そこにあったのは、慎ましやかな家族の姿だった。
間もなく生まれようとする子供を楽しみにしている姿。
マリアがコロンビア時代にも経験したことのない幸せな感覚。
おそらく、身篭っていることから生まれてくる母性なのだろうか。
惰性で流されて生きてきたような雰囲気を感じるマリアだったから、
尚更そう感じるのである。

その心情の変化からか、彼女はアメリカに残ることになる。
コロンビアに戻っても、前と同じ生活があるだけだ。
アメリカでも、誰も知らない、言葉も通じないというハンデがある。
しかしなかがら、自分には身篭った子供もいる。子供のために生きたい。
その思いが、ラストの飛行場のシーンでしかと目の当たりにさせられるのだ。
友人でミュールとなったブランカは、国に帰ることを決意する。
彼女は元の世界に戻り、元の生活を繰り返す。
全く対照的な姿に、人生の分岐点が飛行場なんて洒落ている。
自立しようというマリアの変化を十二分に感じ取れるはずだ。

マリアは自分の道を歩き始めた。その姿がとても清々しい。
終始重苦しい映画の内容の締めとしては、
意外なラストシーンだと思う。
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2 コメント

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ありがとう (あん)
2005-11-10 08:54:11
kazuki-ktさんの感想を読んだら、又あの感動が甦ってきました。力作でしたよね。ラストは思わずマリアにエールを送っていました(^O^)。
コメントありがとうございます。 (kazuki-kt)
2005-11-26 22:48:06
あんさん、コメントありがとうございました。



厳しい世界の現実を知らされました。

お金のためなら命も顧みないことにゾッとします。



しかし、マリアは力強く生きようとし、

ラストの光の差し方は感動的でした。

マリアにエールを送りたくなる気持ち分かります。



サンダンスで評価されたのも納得できました。

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