サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

パラリンピックのロービジョンアルペンスキー(追記有)

2014年03月12日 | 日記

この1週間、サムライブルーは国立で試合があったし、なでしこジャパンはアルガルペカップで決勝進出を果たしたわけですが、佐村河内氏の件ばかり書き込んでいて…、たまには別のことを書き込みます。

生観戦したサムライブルーの一戦はキレキレの岡崎選手がもっとも印象的でしたが、山口蛍選手と青山選手のボランチコンビもまずまずの出来で、長谷部選手が負傷離脱している状況を考えると、山口蛍選手がボランチの軸になってもおかしくはないくらいですね。
長谷部選手はワールドカップにはコンディションを合わせてくるでしょうから、23人から漏れることはよもやないとは思いますが、青山選手が浮上し、細貝選手が漏れるということがありうるのでしょうか。しかし細貝選手への守備への信頼感はかなりあるように思われるますのでどうなるか。しかし守備力の(も)ある山口蛍選手の台頭を考えるとどうなってもおかしくはない。遠藤選手を途中から投入して、ゲームを落ち着かせる采配など、サムライブルーのボランチがどうなっていくのか興味津々です。

ブログ更新しようと思ったのは、サッカーではなくてパラリンピックのことです。
昨日、NHKのソチパラリンピックの番組を見ていたら、視覚障害者のアルペンスキー、女子のスーパー大回転が紹介されていました。
ガイド役は先を滑り、少し遅れて視覚障害者のアスリートが滑るというものです。

映像を見ながらの、司会者やゲストのやりとりはだいたい以下のような感じでした。

「選手の前を滑るガイドが選手を誘導していくんですね」
「これ視覚障害ですか」
「前のガイドが蛍光のわかりやすい(ごにょごにょ)」
「声聞こえますね」
「この声でガイドしているんですか」
「凄い、凄すぎる」
「(ガイドとの)信頼関係でしょうね」
「本当に驚きました」

見ながら、聞きながら、これって全盲ではなくて、“弱視”とか、“視野狭窄”のクラスだよね。
ガイドにはマイクが付いてたし、無線で声送っているんだよね。
ガイドがオレンジを着ているってことは、見えやすい色なら認識できるってことだよね。

発信する側に情報が不足しているようで、どうにもよくわからない。
ゲストはまだしも司会者側がきちんと把握して説明してくれよと思っていたら、ゴールした後のタイム表示の際にやっとB3という表示が3~4秒だけ出ました。
「あー、なるほど。ブラインドサッカーで言えば、以前の言い方で言えば、B2B3クラスっていうことね」ということがやっと、はっきりわかりました。
現在はそのクラスのサッカーをロービジョンフットサルと呼んでいますので、「要するに“ロービジョンアルペンスキー”、“ロービジョンスーパー大回転”だったわけね」と、合点、ガッテンしました。
ロービジョンという名称は、なかなか秀逸で、わかりやすいと思います。

ちなみに、B1、 B2、 B3の見え方は以下。
B1 視力0~光覚(手の形が見分けられない視力)
B2 光覚~矯正視力0.03または視野5度以内
B3 矯正視力0.03~0.1、または視野5度~10度
同一クラスの競技者が少ない場合は、他のクラスと統合(コンバインド)し、クラス毎の係数を実タイムに掛け合わせてリザルトを算出するハンディキャップシステムが用いられる。   (日本障害者スキー連盟のHPによる)

優勝した選手はB3クラス。銀と銅はB2クラスでした。
さすがにB1クラスではスーパー大回転は無理なのではないかと思われます。
パラリンピックのアルペン競技にB1クラスがあるのかどうかわからないのですが、あるとしたらコースも独自に作らないと難しいのではないかと思います。パラリンピックのアルペン競技の種目になくても、ローカル的にはあるのかもしれませんが、よくわかりません。
ご存知の方がいたら教えてください。

TV番組のゲストは、クロスカントリーの伴走者、あるいはマラソンの伴走者をイメージして、それとの比較で「凄い」と言っているようで、あまり知識がない人には、「見えないのに凄い」と伝わったかもしれません。
もちろん充分凄いんですが、何だかよくわからなくて凄いと思うより、ある程度理解したうえで“凄い”と思った方がいいのになあと思ったりします。

視力も、見える見えないの間に見えにくいがあり、見えにくいのなかにもさまざまな見えにくさがあります。
例えばロービジョンフットサル(その当時は別の名称でしたが)日本代表チームの合宿を取材した時も、見え方、見えにくさは、様々でした。コートの遠い所は見えないけど近くに来れば見えたり、視野狭窄だったり、一部が見えない視野欠損だったり。

見え方も、聴こえ方も様々です。

(追記)
ちょっと興味を持って視覚障害のアルペンスキーをスカパー(無料!ちゃんと解説も有)で見ていたら、B1クラスの選手も出ていました。
男子スーパー大回転に出場、しかし残念ながらコースアウトでした。
つまりB2B3限定のロービジョンアルペンスキーではなかったわけです。
しかし現実問題として、B1クラスの選手が出場するのはむずかしいようです。

ちなみに選手とガイドのやりとりは、ガイドの背面についたスピーカーからガイドの声が選手に伝わるみたいで、選手の声は無線でガイドに送られるということらしい。声、声を出すタイムミング、適度な距離感を保つなど、本当に息が合わないと成立しないスポーツ。

男子滑降も見ましたが、120km以上のスピードでガイドと至近距離で滑ってるし、凄い迫力です。

ところで日本選手は今大会、全競技を通して視覚障害部門には一切出場していないようです。
だから目にする機会がなかったんですね。


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