昨夜の夕食は、実だくさんのスープが主役だった。アトリエから家に帰ると、相変わらず野菜が洗ってある。90代の母親が
一生懸命に洗ってくれている。生産者の名前が分かる直売所で買う野菜はとてもおいしい。かぶの葉、葉が一杯ついた太い
セロリ、奥丹波鶏という身がしっかりした鶏のモモ肉を圧力鍋に手で押し込むようにして入れる。あっという間に出来上がる
熱いスープを、お代わりして飲んでくれる家族の姿を見ていると、なにかほっとする。少なくても、食事時間は、創作のこと
など全く忘れている。家族がいない食卓だったら、どうだろう。想像するに、菓子パンと柿の種になってしまうかもしれない
やはり、食事を作る必要性のある生活が、私には向いているのだろう。芸術至上主義といった生き方、今でもあるのだろうが
息の長い創作活動を続けるのは、どうしても人の縁に助けられての日常生活の継続が最も大切なものだと思う。以前はこんな
考えができずに、家事に追われる時間に焦ったり、日頃の忙しさに不満を感じたりしていた。年を重ねるって、少しづつだが
見えてくるものが増えてきて、嬉しい。
熱いスープは、冷たくなった手も温めてくれる。みんな、満足そうだ。
NATURE 2015-13 20.0×20.0cm 油彩 ボード