Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

制作の基本

2015-06-27 21:24:18 | 作品

昨日の夕方は、ようやくできた、と弾んだ気持ちだった。夕食には、信州の赤ワインを楽しんだ。今朝アトリエに行ってドアを開け、真っ先に

昨日の作品を見た。えっ、と絶句した。どぎつい、赤系の色が激しすぎる。青と他の色がけんかしている。

昨日は、余りにも絵が静かすぎるような気がして、エネルギーが全然感じられなくて、思い切り色をのせた。結果の無造作な感じがこの絵の仕上

がりにぴったりだと思った。新境地が開けた気になった。それなのに絵は、いつもの水準に全く届かない不安定さを放っている。何度も経験して

いることだが、かなり、めげそうな気分。

でき上がらない絵、でも、ここで負けたらだめ...だ。今までも何とかやってきた。青が青以外の色彩と解け合い、互いに個性を放つ、そしてすべ

てが青に包まれる絵を、描きたい。

先に進んだり、やり直したり、その過程で少しだけ残るもの。その少しだけのものを大切にし続けることが、私の制作の基本かもしれない。

 

   NATURE  (ひかり)91.0×72.7cm   油彩 2010       シチリア FANGO美術館 『太陽の島シチリアに於ける日本の芸術展』出品

 

         

 

 


イタリアの展覧会

2015-06-27 09:05:51 | 作品

シチリア島、メッシーナのファンゴ美術館でグループ展に参加したのは、2013年だからもう2年前になる。速いものだ。そのときの出品作品はま

だシチリアにある。その後、継続展のような形でミラノの美術館での展覧会の話が出、緩やかな進展をみせたが中止になり、次のミラノ万博のシ

チリア館展示という話も現実にはならなくて、パンフレットでの紹介に変わった。ハプニングは外国での展覧会につきものだが、本当に、ハプニ

ング慣れした、と言える。

9月にはミラノ近郊の城(美術館になる、とのことだが)での展覧会が決まりそうだ。メンバーは、このシチリア紹介のパンフに掲載がある、7名

の日本人作家である。7人とも現代美術(抽象)の作家で、花鳥風月的、水墨画的な古来からの日本美術におぶさった作品ではない。現代の日本に

生きる作家の作品を、イタリアの人々に見てもらうのは意義あることかもしれない。評価の定まった物故作家のものだけではなく。

歴史に残っている作家にしても、無名時代はあったし、その試行錯誤の時期を通り越して自分の表現を極めることができたのだろう。いづれにし

ても多くの人に見てもらうことが必要だ。イタリアの城での展覧会が進展していくことを期待している。

 

 シチリア島紹介のパンフレット (ミラノ万博の会場で紹介されている )

 MISAWA作品は左から三番目。