森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

今年もアジールツアーに参加

2011-10-30 23:27:04 | Weblog
 金沢のフェアトレードショップ「アジール」が、三回目の秋の日帰りツアーを企画した。昨年に続いて今年も参加させて頂いた。北陸大学の不当解雇に対し、勝利的和解をかちとった田村光彰さんを講師に、松本城、旧開智学校、松川村にあるいわさきちひろ安曇野美術館、そしてトンボ玉美術博物館を見学した。
 アジールのツアーは、単なる行楽では終わらない。歴史から人権と民主主義、平和を学ぶたびがテーマだ。去年は、貞享一揆を検証する義民記念館を訪れたが、田村さんの車中講義は、その農民一揆の歴史、加賀藩に対して卯辰山から城に向かって「はらへったわいやー、米くれまいやあ」と叫んだ七稲地蔵の一揆、天保義民の一揆も紹介しながら、徳川幕府の治世は決して平和で安定した時代ではなく、生産者たる百姓の血と汗と過酷な領主の支配に対する抵抗の歴史でもあったことを説いた。貞享一揆を主導した加助たちが越訴に及んだのが松本城であったことを教えられた。一昨年松本市議会への交流訪問を行ったとき、松本城の周囲を歩いたが、一揆の話はもちろん聞くことはなかった。
 私たちは、農民の姿を思い浮かべながら、行楽客で行列がのびる松本城の天守閣まで上ってきた。
 旧開智学校は寺子屋教育から学制に沿って校舎が建築された。明治の公教育において、信州信濃の教育は、独自の学閥を形成して教育立県を誇ってきた。フランス的欧風の校舎はモダンな意匠で、当時の机イス、教材、学制心得などが展示されていた。しかし近代の公教育が、結局のところ、絶対主義天皇制を骨身に浸透させ、軍部、財閥主導の帝国主義の肉弾を輩出するものとなっていった。これも歴史的重要文化財が今日に伝える教訓として、人権と民主主義、平和の窓から見つめるべきことを忘れてはならないと思う。田村講義には、百姓一揆を無視するかのような新しい教育書を作る会系の教科書の問題性が用意周到に、指摘されていた。

 いわさきちひろは、共産党に身を投じるほどに戦争への抗議、こどものいのちを平和によって守ろうという強い社会意識をもって創作活動を通した人だった。教科書、絵本でおなじみの独特のこどもの姿は、読者も思い浮かべることだろう。私は、展示作品の様々なこどもの絵を見る内に、幻想的な雰囲気を感じさせるタッチのこどもの表情に、鋭い眼光を感じてしまった。私たちをにらむ少し不安げで、射抜くような目線だ。私たち大人の所業への不信と問いかけとでも言うか。そして頭をもたげるのが福島原発震災を引き起こした今日の日本を見つめるこどもたちの目だ。

 二日間にわたって、素晴らしい支援者、仲間達と日帰りバス旅行をはしごすることができた。本当にお世話になった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。