上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

大便を見る!?

2010-03-04 | 動詞
自分のいちばん身近に自然に起こることなのに,口に出して言うのが恥ずかしいのが「排泄(배설)」に関する言葉です。
しかし上級のみなさんは避けては通れませんよ。

病院に来た韓国の患者さんにこれらの検査の説明をするのも一苦労です。
尿検査は요검사ではなくて소변검사と言わないと通じません。
便検査も변검사よりは대변검사のほうが分かりやすいでしょう。

トイレの中にこのような表示をしておいても,尿があふれんばかりのコップを直接手に持って診察室に入ってくる患者さんもいます(汗)。

尿,便というとちょっと医学的な響きがしますが,大便,小便というとちょっと言葉のランクが下がるようなイメージですが,みなさんはどう思いますか。

私たちが摂取した食物が消化されたあとの「かす」が,つまり똥であり오줌なんですね。

ではここで排泄に関する動詞,누다と싸다の違いについてみていきましょう。

누다というのは排泄物を外に出す行為です。ですから決まった場所でするように学ぶ行動です。
これに対して싸다は,大小便が我慢できずに漏らしてしまう行為のことをいいます。

つまり,누다と싸다は,決まった場所で,決まった方法で排泄をするかどうかの違いです。

赤ん坊を見ると分かります。
いつ排泄するか分からないので,おむつ(기저귀)をあてています。싸다の状態ですね。

少し大きくなると‘쉬’という言葉で,赤ちゃん用の便器やトイレを使って排泄するようになります。これが누다です。
みなさんもすべてこんな過程をたどって大きくなったのですね。

粗相をするのが싸다です。
寝小便は싸다です。
韓国でも‘불장난하면 오줌 싼다.’といいます。

韓国語には「寝小便」という単語がありません。
밤에 자다가 (이불에) 오줌을 싸다のような表現しかできません。

「小便たれ」は오줌싸개といいます。
浜松町の駅にある「小便小僧」は有名ですが,韓国語では오줌싸는 소년といっています。

動物などできちんと排泄のしつけができていることを똥오줌을 잘 가리다といいます。

똥と오줌は日本語では「うんこ」「おしっこ」にあたる言葉です。
きちんとした表現は대변,소변です。
そして「大便をする」「小便をする」と言うときには보다という動詞を使って대변을 보다,소변을 보다と言います。

また,どうしても我慢ができなくて,少し漏らしてしまうことを지리다といいます。

さて,ここで「ことばの休憩室」です。
古狸案先生の中級教室に載せたコラムからです。

●大便を見る!?
「先生,最近大便をあまりよくみないですが…」
こんな訴えの患者さんが来ました。

「『大便をよく見ない』って和式の便所なのかなぁ?」などと思いつつ,診察をしていくうちに『大便をよく見ない』というのは「便秘」のことだと分かりました。

韓国語では「便が出る」「便をする」というのを대변을 보다ということに気がついて内心大笑いをしました。

この보다という動詞はくせもので,成田空港の税関で“잘 봐 주세요.”(どうか大目にみてください)と言うつもりの韓国人観光客が「どうか,よく見てください」と言ったために,いろいろと課税させられたという逸話があります。

韓国人留学生がよく間違える日本語に「きのうの試験はよくみませんでした」という,ふつうの日本人が聞いたら誤解しそうな言い方があります。

韓国語では「試験を受ける」と言う表現を시험을보다というために起こる間違いです。
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