カルチャ―ラジオ 文学の世界
安部公房の世界 5回 ラジオドラマの世界
講師:早稲田大学文学学術院教授 鳥羽耕史
1950年代からラジオドラマがたくさん作られます。
1959年NHKラジオ第一「こどもの時間」で
「ひげの生えた パイプ」が
安部公房作・長与孝子脚色で作られました。
太郎君が見つけた、ひげの生えたパイプは、
なんでも願いを叶えてくれる。
どこへでも思ったところへ連れていってくれて
なんでも思ったものを出してくれる
これって、ドラえもんじゃあない?と思いながら聞いていたら
なんと、太郎君の声は 大山のぶ代さん
パイプの声は、熊倉一雄さん
音楽は、芥川也寸志さん
主題歌を歌うのは、黒柳徹子さん
子どもたちからの反応も熱かったとか。
最後に太郎君の決断がとうなるのか、
はらはらしたようです。
史実も元にしていると、
潜水キコウセン(文字が分からないのですが)は、
その設計図が、村上水軍の子孫の家に残っているとか。
アナウンサーとの対話の形もあるとか。
子どもの、神秘な力に対する憧れ(ファンタジー)と
合理性、(科学)精神を知ること。
これはある意味、実験的な安部公房の創作だった。
子どもの世界は、文学の宝庫だと、
安部公房は言った。
ちなみに、安部公房さんは、
「良い子教育を憎む人」だったとか。
なんか、わかるう。
規則、規制、標準の型にはめようとする教育はいやだ。
SFマガジンが発行されるのは
1960年だとか。
井上ひさしさんは、この作品や、
飯沢匡さんの「ヤンボー、トンボ―、ニンボー」などに
大きな影響を受けたそうです。
後の、「ひょっころひょうたん島」に通じるのですね。
見えないものを見る力を
失くしてしまわないようにしたい。
子どもの心・感性を、大切にしていたい。
ファンタジー・空想・幻想の物語のなかに
真実が込められている。
NHKさんに音源が残っていないか、
伊集院さんにお聞きしてみます。
いろんなパイプ (無料画像をお借りしました)
禁煙 喫煙は体に良くないですが
パイプの形は、芸術的ですね
でも、ひげの生えたパイプは、見つかりません