三百名山空想(共有)登山の九州エリアを歩いて、佐賀・長崎県境の「多良岳(たらだけ)」までやってきて、なぜか昔NHKBSで毎朝放映されていた「花の百名山」で紹介されたキツネノカミソリという花のことを思い出した。
放送内容はとうに忘れたが、(ビデオに撮っていたがすべて処分していたので)なぜか多良岳と言えばあのオレンジ色の鮮やかなキツネノカミソリが思い起こされ、この花によって「たらだけ」という山名が今でも連想されるのである。
正確には、「オオキツネノカミソリ」というのだそうで、似てはいるがノカンゾウやニッコウキスゲのようなユリ科の花ではなく、ヒガンバナ科に属する毒のある花だということである、名前の物騒なことから記憶に残っているのだろうか、本州にも咲くというのだが見たという記憶がなく、あの放送の記憶がおぼろにあるだけだ。
今回、空想(共有)登山の「ぶらり登山隊」さんの動画のお世話になって、あらためてキツネノカミソリという花をまじかに見た。花盛りの群生地も拝見したが、ノカンゾウの群生のよう草原の中から顔をだして咲く花ではなく、なんとなく土のあらわになった暗い林床に咲いているのがヒガンバナと言われる曼殊沙華の群生と似ていて、やや妖しい雰囲気を醸し出している。「キツネノ」の名前もそんな妖しさからか。
NHKの花の百名山は作家田中澄江さんの「花の百名山」や「新花の百名山」を基本制作されたが、この二作に「多良岳」はない。アーカイブの説明によると必ずしもこの二作に忠実ではなく、田中さんの他の随筆に拠ったのだろう。
アーカイブで改めて確認したが、NHK「花の百名山」は、1995年に放映されたとあるから来年でちょうど30年となる。「もうそんなに経ったのか・・・」
放送内容は忘れたが、あのメインテーマの愁いを帯びたメロディーと渡辺美佐子さんの低く透明なナレーションだけは今でも頭に焼き付いている。アーカイブのビデオで改めて聴くと懐かしさがこみ上げる。
30年前のオイラは、田中さんの著作やNHKの放送に感化されたからだろうか、いわば「山の花オタク」だった。花撮影の定番と言われたポジフィルム「ベルビア」を挿入したニコンF3を大事そうにラムダのザックにしまって、重い三脚を括り付けて周囲の山をよたよた歩き回った。
ラムダのザックはとうに処分したが、三脚とカメラだけはいまだに手元に置いている。が、もうF3と「ベルビア」で花を撮ることももなくなった。
デジタルカメラ時代が来て、何枚でも好きなだけ花を撮ることができるのだが、なぜだかカメラで花を眺めることも、撮ることも、出来上がった写真を眺めることもつまらなくなった。それにつれて、花の名前もどんどん忘れてしまって、いまや山で花に出会うと図鑑をたどって思い出すことが多くなっている。ずいぶんと劣化したものだ。
でも、いまでもNHKの放送の「多良岳」=キツネノカミソリ、「高尾山」=エイザンスミレだけは記憶に残っているのである。不思議な話ではないか。

ヤマケイオンラインサンより拝借、多良岳のオオキツネノカミソリ群生
かぜねこ三百名山未踏峰・空想(共有)登山
多良岳(たらだけ・996m・日本三百名山№294)
長崎、佐賀県境の花の百名山だ。標高は低いが、座禅石や山頂などの展望はいい。長崎の海が近いことから晴れた日に展望できれば、さぞや気持ちがいいだろう。多良岳=オオキツネノカミソリ、忘れることはないだろう。

多良町観光協会より拝借、手前のとんがった山が多良岳かな
「ぶらり登山隊」さんご提供 (金泉寺登山口~金泉寺山小屋⇔西野越オオキツネノカミソリ群生地~六体地蔵~座禅岩~多良岳~国見岳~金泉寺山小屋~金泉寺登山口)
とってもアットホームでユックリズムな登山姿が素敵です。








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