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2019年春『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』西日本・九州ツアー【3週目】

2019-06-04 19:52:49 | 全国巡回公演

5月26日(日)パティオ池鯉鮒主催事業(愛知県知立市)一般公演
5月27日(月)出石高等学校(兵庫県)  同校体育館
5月28日(火)高知国際中学校・高知南中学校(高知県)  高知西高校体育館
5月29日(水)総社南高等学校(岡山県)  総社市民会館
5月31日(金)同志社中学校(京都府)  大津市民会館
 
 
 
パティオ池鯉鮒 主催事業 バリアフリー公演
 
2年前にパティオ池鯉鮒で知立高校の公演を行ったことをキッカケに、会館の戸谷田さんを通じて「手をつなぐ育成会(リングC)」──あらゆる障がいを持った人の家族たちが繋がっていくことを目的としています── 知立市社会福祉協議会の人たちとの繋がりが生まれ、会館と地域と劇団とが一緒に力を合わせて実現した公演です。
打ち合わせの際に実行委員のメンバーから「風とでなければこんなことはできないです」と何度も言われました。すべてのお客様が一緒にいられるようにしたいという劇団の姿勢を信頼してくれての言葉でした。
そして運良く昨年から〈バリアフリー演劇研究会〉に風が参加し、障がいのある人も一緒に楽しんでもらえる『ヘレン・ケラー』の舞台づくりが始まり、2月に東京で公演しました。会館の芹澤さんがこの公演を見に来たことも知立市でバリアフリー公演を実現するための大きな後押しとなりました。舞台手話通訳、字幕、音声ガイドという3つのサポートを一つの舞台の中に生かし、尚且つ芝居がより見えてくる演出。本当に信頼できる人たちに支えられて創られてきた公演です。
 


 
開会にあたり、知立市長の林さんと知立市聴覚障害者協会会長の中嶋さんが手話を使って挨拶をされました。
この日パティオ池鯉鮒にご来場いただいたお客様は盲、聾の人、車椅子で来られた人、子どもたちから大人まで様々な人がいました。公演前の舞台見学や舞台説明を含め、『ヘレン・ケラー』の公演を楽しもうとする一人一人の存在を強く感じました。公演後のお客様からの言葉や笑顔に大きな手ごたえを感じていると、主催者や実行委員の皆さんと喜び合うことができました。今回の公演での出会いがさらに人との繋がりを生み、演劇を通して地域の人たちの関係がより豊かになっていくことを願っています。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

出石高等学校

土日の知立市での公演を終えて、ノンストップで3週目が始まりました。
のどかで街並みの美しい城下町にある、生徒数270人程の学校です。
こちらの学校では毎年2年生が文化祭で演劇発表をするのが恒例でしたが、今年からは1年生もクラス劇を行うことになりました。「それで今回は本格的な演劇鑑賞をやりたかったんです。」と担当の先生。
 
 
自分たちもこれから劇を作るんだ、という緊張感を持って観劇した1、2年生、昨年の経験を思い出しながら観劇した3年生も多かったようです。「演劇が好きで、卒業後も続けていくにはどうしたらいいでしょう?」とこれからの生き方を相談してくれる生徒さんもいました。
公演後には1、2年生合わせて4クラスの生徒の皆さんが舞台見学を行いました。
 
 
 
片付けには運動部、ボランティア部、生徒会、有志の生徒さんが参加してくれました。本当に助かりました、ありがとうございます!
 




 
皆さんにとっても良い経験になっていれば嬉しいです。
 
 
 
 
 
高知国際中学校・高知南中学校
 
 
今年2月に東京でのバリアフリー演劇公演を見に来られた校長先生が、ぜひうちの学校に風を呼びたいと、企画して下さった公演です。国際バカロレア教育(IB)候補校として注目されている高知国際中学・高校。(今は中学1.2年生のみ)
哲学を学んだり、演劇づくりに力を入れたり、一人ひとりの違いを認め合いながら関係を築き学んでいくことを大事にした学校だと感じました。今後は高知国際中学・高校として1つの学校になる予定の高知南中学校を招いて、交流を兼ねた鑑賞行事を行いました。
開場すると元気いっぱいにはしゃいでいる生徒さんたちの様子が舞台裏まで聞こえてきました。公演が始まると好奇心溢れる眼差しを向けてくれる生徒さんたち。
 






 
終演後には短い時間でしたが、舞台見学や照明・音響の講習会を行い、生徒さんたちは劇団のメンバーに積極的に質問していました。自分たちの演劇発表に向けてとても熱心に取り組んでいるのですね!
 


 
その後南中学校の皆さんをお見送りしてから、国際中学校の皆さんが荷物運びを手伝ってくれました。とても助かりました。ありがとうございます!
 



これから11月の文化祭まで、劇団員が月に一度高知国際中学校へ伺い、演劇づくりの過程を見せていただきます。
生徒さん一人ひとりのどんな姿を見られるか、力を合わせて何を創り出せるか、今からとても楽しみです!
 
 
 
 
総社南高等学校
 
創立35年目の開校記念行事での公演でした。
演劇部の皆さんが午前中の仕込みの時間から会場に来て参加してくれました。
 
 
 
音響卓を操作したり、舞台の仕組みや衣装を見て回ったり、
 


 
照明の当たり合わせを手伝ったりしました。すっかり劇団員と打ち解けて、いよいよ本番です!
 
開会式では放送部の生徒さんが司会を務め、校長先生の手話を使ったお話と、生徒会長の堂々とした挨拶がありました。
幅の広い客席に2階席までいっぱい!一番端の人まで大事にしたい、というこちらの想いをしっかり受け止めて呼応してくれる学校の皆さん。
 
公演後の舞台見学と座談会でも一人ひとりが熱心に気持ちを伝えてくれたり、質問をする姿が素敵でした!


 
 
 
 
 
同志社中学校
 
こちらは3年前にジャンヌ・ダルクを公演している学校です。クラスで演劇発表を行うため、毎年演劇鑑賞にも力を入れています。風の次の作品をまた呼ぼうと先生方が毎年『ヘレン・ケラー』の舞台を下見に来ていました。
京都市内の学校から1時間かけて、琵琶湖のほとりにある大津市民会館へ学校の皆さんが集まりました。
 
生徒の皆さんは開演前から大盛り上がり!自由でのびのびした校風が感じられます。
公演が始まると出来事の一つ一つを敏感に受け取って反応する生徒さんたち。私たちは稽古場で演出の浅野から「描く(書く)ように演じてみろ」と言われます。一回一回の客席の人たちがいて、彼らの感覚に出会って、その場で描きたくなる小さな瞬間を毎日楽しんでいます。
そんなことを強く感じられる公演でした。
 




 
公演後には舞台見学、そして脚本係の生徒さんたちと座談会を行いました。
クラスの中心となって皆の意見を聞きながら作品の内容を決めていく係の生徒さんたち。一番大変なのはクラスメイトの意欲を引き出していくことだと言います。アニー・サリバン役の渋谷が生徒さんたちの相談に応えました。
演劇発表は京都のロームシアターで大々的に行われるとのこと。皆さんにとって良い経験になりますように!
 
 
 
 
 
今週で5月も終わりです。学校公演で重ねてきたことを持って週末に一般公演を行い、そこで出会い、刺激を受け、また学校の公演がより生徒さんの心を生き生きと引き出せる場になるよう循環をつくれた良い旅の始まりとなりました。
ここから、新たに旅を創っていきましょう!
 
文:稲葉 礼恵(ヘレン・ケラー役)

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