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アートのロジックを読み解く 西洋美術の楽しみ方 

2023-09-17 07:23:18 | ブックリスト
私の好きなmuccoさんの「ケチケチ贅沢日記」で取り上げられていた本
アートロジックを読み解く 西洋美術の楽しみ方  を図書館で借りる。


時代順に有名な作品に込められた意味を読み解いていくと自ずから西洋美術の歴史や流れが解るという本。
御茶ノ水美術学院、専門学校の監修である。

ここに出てくる作品は幸いなことにかなり、実物を観た。
中年になってヨーロッパ旅行を無理してでも再開して良かったと思う。
今は諸事情で行けないけれど、、、。

特に今回読んで勉強になったのは遥か昔、独身の頃に訪れたイタリア、ラヴェンナの街のモザイク画である。
後に訪れる南仏でもなんでこんな古代ローマの遺跡がとアルルの街でもと思ったくらいヨーロッパの歴史を私は知らない。
ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂を訪れた時にほとんど人がいなくて、「なんでここにこんなにきれいなモザイク画があるんだろう?」と不思議に思った。ラヴェンナはナポリから寝台列車でボローニャに着き、そのまま朝早くに半日訪れた街である。
街全体がとてもきれいでしゃれていて、陶芸の美術館などがあったと思う。

納戸を探したら当時の旅日記が出てきた。1990年の夏。

アルバムも。

よほどこのモザイク画が美しかったのだろう。半分は絵葉書である。

サン・ヴィターレ聖堂


ビザンチン文化がこの北イタリアに残った理由がこの本を読んでわかった。東ローマ帝国がこの地を征服し、ビザンチン文化が根付き、そしてその後、聖像破壊運動がおこったが、その時ラヴェンナは東ローマ帝国から離れていたから破壊を免れたという。
そうなんや!だから何だかこの壁画がこの地ですごく珍しく、ビザンチン文化の遺産としてポツンと残ったのだ。
キリスト教が本来は偶像崇拝を禁じていたことも知った。あれだけ教会に絵画や像が残っていても、、、。
日本にも廃仏毀釈っていう恐ろしい時代があったしなー。
その陰でどれだけの美術品が壊されていったかと思うと本当に残念。

それにしても美術はかなりの年月、宗教と切っても切れない存在だったんだと改めて思った。

というわけで昔観た美しい物の点が少し線になって繋がった有意義な読書だった。
でもなんでこの本の中にはピカソの作品が取り上げられていないのだろう。

昨日の晩御飯。豚バラ、つるむらさきの炒め物。蓮根、ゴボウ、シイタケの味噌汁。冷奴。


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