物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

big histroy

2014-04-21 10:14:48 | 科学・技術

big dataだとかbig historyだとかbigがつく言葉ができている。

big dataは最近有名になったが、big historyはそれほど有名ではないだろう。big historyは分かりやすい日本語でいうと「宇宙の歴史」といっていいだろう。

David Christianというオーストラリアの歴史学者がTEDカンファランスで講演をしていた。この人はしかし普通の歴史学者ではない。むしろ科学者のようである。

宇宙のはじめから、始める。タンパク質ができて、生命が発生してはじめは単細胞のような生物であったが、それから哺乳類のような高等な生物が発生していく。

その中で人間だけは言葉を発明して、情報の蓄積や伝達ができるようになった。それが人間が地球世界の生物界で覇権を握った理由だという。

こういう歴史の話をしたいと思ったことが10年以上前にあった。大学の教養部が解散された後で、なんとかいっても一番不得意な歴史科目の担当教員として数年の間、歴史科目を担当した。

そのときにこのChristianのような歴史学を講義したいと考えたのだ。そのような歴史書は探したが、あまりなかった。

H. G. Wellsの「世界文化史概説」上、下(岩波新書)だったかが、それに近い物であったが、それだって地球の初期くらいから始まったもので、とても私の要求を満たすものではなかった。

もっと詳しく調べれば、いろいろあったのかもしれいが、それにあまり時間をとることもできなかったので、断念してしまった。

だが、多分Christianはすでにそういうbig historyを研究していたのだろう。そのとき結局私は「原爆製造の歴史と原子核物理学」という題の講義でお茶を濁した。

これは「技術と科学の歴史を考える」第2部としてであったので、テーマとしては適当であったと思う。第1部はN先生のコンピュータの歴史であった。


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