なんの脈絡も前触れもなく、唐突にふっと蘇る記憶というものがある。
「そういえば…」
不意に思い浮かんだその言葉は「こうせん」だった。漢字で書けば「香煎」であるが。わたしの子どもの頃には、その「こうせん」が何よりのおやつだったという遠い記憶が、ふと蘇ったのである。
今でもあるのだろうか…、と言うか、知っている人がどれ位いるのだろう。恐らく若い人たちはほとんど知らないのではあるまいか。
こうせん(「麦焦し」とか「はったい粉」とも呼ばれる)は、煎って焦がした大麦を臼で挽いて粉にしたものだが、それに砂糖を加え湯を注いで練ったものを、おやつとして食べていたのだ。
決してオイシイものではなかったのかも知れないが、常にひもじい思いをしていた時代のことゆえ、口に入るものは何でもオイシイと思って食べていたのだろう。
今となっては敢えて食べたいとも思わないが、妙に懐かしい。
「そういえば…」
不意に思い浮かんだその言葉は「こうせん」だった。漢字で書けば「香煎」であるが。わたしの子どもの頃には、その「こうせん」が何よりのおやつだったという遠い記憶が、ふと蘇ったのである。
今でもあるのだろうか…、と言うか、知っている人がどれ位いるのだろう。恐らく若い人たちはほとんど知らないのではあるまいか。
こうせん(「麦焦し」とか「はったい粉」とも呼ばれる)は、煎って焦がした大麦を臼で挽いて粉にしたものだが、それに砂糖を加え湯を注いで練ったものを、おやつとして食べていたのだ。
決してオイシイものではなかったのかも知れないが、常にひもじい思いをしていた時代のことゆえ、口に入るものは何でもオイシイと思って食べていたのだろう。
今となっては敢えて食べたいとも思わないが、妙に懐かしい。