NPO法人石川県茅葺き文化研究会だより

茅葺き民家が繋ぐ人の暮らし、自然との関わり。

茅刈り体験WS@輪島 参加してきました。

2011-12-14 | 茅つれづれ雑記

さる12月10日(土)~11日(日)にかけ輪島市三井町でおこなわれた
茅刈り体験ワークショップに参加してきました。

三井には茅葺きの里三井庵や旧福島邸があり、
毎年その屋根の葺き替え用に茅刈りが行われストックされています。
しかし今年はそのなかから、福島のお祭りのために茅を提供したので、
不足分を補うために行われました。

茅刈り1日目は、前日の雪模様が嘘のようにすっかり晴れ上がった茅刈り日和。
参加者は輪島市民が50人ときいていたのですが・・・あれれ?
着いてみれば三井経済活性協同組合の山浦さん、
輪島市役所の職員さんらが5人と、三井の
茅葺き職人の新谷さん、
そのお隣のおうちの奥様。
そこに茅文研からの2人が加わって10人でした。

  
*写真はクリックすると拡大します

 

 

茅場はソフトボール場の周囲の堤の上。 
前日は雪が降っていたため、雪の重みで倒れたものあったため、
傷みのない
ススキをより分けながら刈り取りました。
どんどん刈っていくと景色もすっきりと整っていきます。

 

刈り取った茅(ススキ)は稲藁で束ねていきます。
地元の先生は、
稲藁を腰にXにしてくくりつけ、
縛るときにしゅっと抜き取る。
刈るのも束ねるのも、
体を道具として実にうまく使いこなされていて、惚れ惚れ。
年季が違いますね。

刈りとった茅は直径18センチくらいを一束にしたものを6つ束ね、一まるにするのが輪島流。

夕方には翌日の茅刈りに参加する茅葺き職人の野村さん、
金沢大学理工学類3回生のAくん、Tくんも到着。
三井庵の囲炉裏の炉辺で美味しい食事をいただきながら、山浦さんから貴重なお話を伺わせて頂きました。

  
 


翌12日はあいにくの雨になりましたが、、
新聞を読んでかほく市から駆けつけてくださったKさんご夫妻や、
地元の方も新たに3~4人も加わり、
総勢15人ほどで約2時間半ほど茅刈りを進めました。

この日、注目の的となったのは茅葺き職人野村さんのいでたち!
四国にお仕事に行かれた際に、スゲで蓑を編んでもらったそうです。
稲にしろ、ススキにしろ、身近にある植物を昔の人は本当に上手に生かし、
共にあったことを感じます。 
この蓑の使い心地はというと、雨はもちろん通さず、軽いうえに温かいそう。
草を使いこなした先人に憧れます。


肝心の茅刈りは、雨がだんだんひどくなったため、
残念ながら予定より30分早く切り上げることになり、三井庵へ。
今年とれた新米のおむすびと
熱々の豚汁を頂いて冷え切った体を温めました。

ご存知のように能登は世界農業遺産に指定されました。
そもそも茅葺き屋根も農業の営みの輪のなかにあったものでした。
里山の景観保全としても、ぜひ茅葺き屋根にも目を向けていただいて、
地元の輪島の方々に、
この財産を受け継いでいっていただけたらと願います。
輪島市が関わっての茅刈りWSはこれが初めてでしたが、
ぜひ来年も引き続きおこなっていただきたいと思いました。

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鴻 章子(輪島市民))
2011-12-27 15:43:09
大変、興味深いイベントでした。いつかまた、参加できればいいあと思っています。
Unknown (花がたみ)
2011-12-28 01:35:01
鴻さま
コメントをありがとうございます。
茅葺き屋根のある風景は地域の財産でもあります。地元の方々にぜひ関心をもっていただけたらと願います。
茅刈りは毎年11月~12月にかけて行われます。
三井庵の山浦さんをお訪ねされ、お食事をしがてら、ぜひお話もお聴きくださいませ。

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